2006/10/18
目指せ!小説家
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 狸合戦 VOL.6 発行日:2006/10/18 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。能須諸亜です。 本気で禁酒禁煙を考えている今日この頃です。 それでは「狸合戦 VOL.6」です。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「じゃ話そう。俺の親父はこの地区の三丁目で什器を取り扱う小さな工場を 経営していたんだよ。でもそれは俺の曽祖父、つまり俺の親父の祖父が立ち上 げた工場を受けつでいたものなんだけど。それで何年前かにこの地域が開発地 域に選ばれたのはしっているだろ?選ばれたといっても今の市町が公約として 打ち立てたものだけれどもさ」 女は頷いた。 「最初はみんな大賛成だったよ、ここは何もないところだから少しでも発展し てくれればと思ったんだと思うよ。それで市長は手始めにショッピングビルの 建設を提案したんだよ。問題はそこからだった。建設候補地にあがったのが俺 の親父の工場がたっている土地だったという訳だよ。もちろん工場だけでなく 、周りの民家の住民の立ち退きも必要だった」 中野は煙草を咥えた。そして大きく息をついた。話の途中だったが中野は立 ち上がり小さな冷蔵庫からペットボトルのお茶を二本取りだし、一本を女に差 し出した。 「普通に謝礼や、新しい住居を提供し立ち退きさせるならまだマシだったんだ けどな、やり方が卑劣すぎたんだよ」 「卑劣?」 「ああ、嫌がらせってやつだな。少しでも経費を削減しようと思ったんだろう な。それで何所の者とも判らないような奴が家に乗り込んできたりしたわけだ よ、それで殆どの住人は精神的にやられちまってさ、無償で立ち退き、残った 土地や家は安く買い叩かれてしまったんだよ。だが俺の親父は違った。そんな 嫌がらせには降参しなかった。工場が潰れれば三十人以上の従業員を路頭に迷 わせることになる。それだけは避けたかった。そう言ってたよ」 「そう言っていた?」 「そう、俺は二年前から海外支社に出向していてね。お袋に呼ばれて帰ってき たらこの始末って訳だよ。今俺が言ったことは親父や、この地域に住んでいた 人に聞いたりして独自に調べたものだよ」 ペットボトルのキャップを開けて、お茶を一口含んだ。 続く −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆発行者:能須諸亜 ☆メール:chafilter@yahoo.co.jp


