大起週刊レポート【農作物・為替編】2008/06/30発行
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大┃起┃産┃業┃
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週┃刊┃マ┃ー┃ケ┃ッ┃ト┃レ┃ポ┃ー┃ト┃【農作物・為替編】┃
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2008/06/30 Vol.089 ━━━━
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■トウモロコシ -天候次第ながらも上値追いの展開が続く-
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<洪水に対する懸念が残る>
CBOTトウモロコシ先物相場は、700セント台後半まで値位置を切り上げる展開。
引き続き米中西部の洪水被害の影響が警戒されている事に加え、WTI原油やCOM
EX金相場が堅調に推移したことで、トウモロコシ市場も強含みの展開となって
いる。6月30日に作付面積報告の発表を控えているが、今報告での正確な推計は
難しいとみられ、マーケットの関心は余り高まっていない。今週も、天候次第
の相場展開が続くことが予測される。
<作付面積の確定は7月に持ち越し>
作付面積報告に関しては、3月の意向調査で示された8,601万エーカーからの下
方修正が確実視されているものの、洪水被害状況の正確な算定が難しく、マー
ケットでは今回の報告は参考程度と見る向きが多い。ロイター通信調査の事前
予測では8,566万エーカー(意向調査比-35万エーカー)となっているが、米農
務省(USDA)による実態調査はまだ結論が出ておらず、7月の需給報告に持ち越
しとなるだろう。イールドに関しても6月需給報告の148.9Bu/エーカーからの下
方修正は避けられないとみられるが、詳細な推計値を提示できる状況にはない。
仮に作付面積が300万エーカー喪失されると、イールドの下方修正がなくとも生
産高は約4億Bu方修正される。期末在庫見通しが6億7,300万Buであることと比較
すると、洪水被害の影響を楽観視することは難しい。ただ、現時点で具体的な
数値を提示することが困難であることを考慮すれば、どのような数値が出てき
ても相場に対する影響は限定的であり、産地の気象予報に敏感に反応する相場
展開が続くと見るのが妥当だろう。6月23日発表の作況報告では、「良」以上の
比率が59%と前年同期の73%を大幅に下回っているが、「降雨見通しで上昇」、
「好天見通しで下落」という単純な関係式が成立する見通し。ただ、洪水被害
の影響がサプライズとなる程に小さくなければ、好天見通しからの調整局面は
押し目形成期に留まる可能性が高いだろう。最新の気象予報によると、今週の
気温は平年並みから低め、降水量は平年並みから多めとなる見通し。ただ、ミ
シシッピ川の水位は低下に向かいつつあり、再び大規模な洪水が発生するリス
クは低下している。
<米議会で投資規制強化の動きが強まるも>
また、米議会で原油や穀物市場での投機規制を巡る動きが本格化していること
にも注意が必要である。現段階では具体的な対策などは打ち出されていないが
冬季対策がらみの法案提出が増えており、米商品先物取引協会(CFTC)に対す
る政治的圧力は強くなっている。今年は大統領選挙の年とあって、米議員の活
動も活発化しており、物価高という庶民受けする問題には、政治家も注力し易
い。短期的には、気象環境次第の天候相場が続くとみているが、マクロな視点
では投資規制強化の動きが一段と強くなっていることも確認しておきたい。今
週も天候次第のボラタイルな展開が続くことが予測されるが、上昇基調を否定
するのは難しいだろう。800セント台乗せから一段高を試す展開を想定している。
好天から調整が開始された際の支持線は700セントと、保守的にみている。
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■大豆 -相対的に上値が重いが天候次第の展開に-
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<降雨によって洪水リスクが警戒される>
CBOT大豆先物相場は、1,500セント台後半まで値位置を切り上げる展開。トウモ
ロコシが過去最高値を更新し、小麦が約2ヶ月ぶりの高値を更新したのと比較す
ると、大豆相場には出遅れ感も強いが、米中西部の気象環境悪化が素直に相場
を押し上げる展開が続いている。6月30日に米農務省(USDA)から作付調査の発
表を控えているが、マーケットの関心は余り高まっていない。3月上旬と6月中
旬の上昇局面では1,600セントの節目に到達できなかったが、ここでダブルトッ
プ形成からの反落シナリオを否定する事ができるかが注目される。
<作付面積減少の影響は大きい>
作付面積報告に関しては、3月の意向調査で示された7,479万エーカーからの下
方修正は必至の状況にある。ロイター通信の調査では、7,425万エーカー(意向
調査比-54万エーカー)と、トウモロコシ以上の減少幅が予測されている。大豆
に関しては、まだ再作付けも不可能ではなく、作付面積はかなり流動的な状況
にある。しかし、6月上旬にほぼ発芽が完了していたトウモロコシと比較して、
大豆は発芽期のピークに洪水被害の直撃を受けたことで、足元の被害状況は大
きくなっている模様だ。ただ、USDAによる実地調査が十分に行われていないこ
とを考慮すれば、今報告ではどのような数値が出てきてもサプライズはなく、
マーケットも比較的冷静に受け止めることが予測される。最終的な作付面積の
減少幅に関しては、200-300万エーカーを予測している向きが多く、イールドを
固定して単純計算すると、生産高見通しは8,000万-1億2,500万Bu下方修正され
ることになる。6月需給報告で示された期末在庫見通しが1億7,500万Buであった
ことを考慮すれば、大豆需給に関しても決して楽観視できる状況にないことが
確認できる。ただ、まだ再作付けが不可能ではないことや、今後のイールド改
善余地が大きい事で、他穀物相場との比較では上値の重い展開が続く見通しで
ある。高イールドが実現する可能性は後退しているが、トウモロコシとの比較
では今後の気象環境次第で立ち直る可能性も十分にある。
<気象予報で方向性が決まる>
もっとも、短期動向に関しては生産地の気象状況を中心に考えていけば良いだ
ろう。大豆に関しては、洪水被害の影響を過度に織り込んだ状況と考えている
が、降雨が続く限りは下振れリスクよりも上振れリスクが大きくならざるを得
ない。気象環境が改善すれば、穀物相場の中で最も大きな調整リスクを抱えて
いるとみているが、1,450-1,500セント水準が下値目処となるだろう。これから
徐々に洪水被害の具体的な状況が明らかになるので、これで作付面積やイール
ドがどこまで下方修正され、生産高・期末在庫見通しにどのような影響が生じ
るかに注目したい。短期的には下振れリスクが極めて大きい相場環境とみてい
るが、気象環境次第の天候相場が続くことになる。足元では雨がちな気象環境
が予測されているが、気象見通しの変化に対しては柔軟に対応していきたい。
この時期は需給見通しよりも、気象環境を受けての短期的な生育動向が注目さ
れる傾向にある。
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■コーヒー -テクニカル主導で上昇トレンドを形成-
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<150セント台に到達>
ICEコーヒー先物相場は、150セント台に到達した。ドル安で国際商品市況全体
が強含む中、コーヒー相場もこの動きに追随する展開となっている。130-140セ
ントのレンジ突破でテクニカル主導の買いが入り易く、薄商いの中で値を飛ば
している。ファンダメンタルズ関連には特に目新しい材料が見当たらず、為替
相場の動向を手掛かりとしたテクニカル要因に基づく売買が増えている。短期
間で150セントの節目に到達したことで調整リスクも警戒されるが、目立った売
り材料も見当たらないのが現状である。
<ブラジルの商品流通に懸念>
ブラジルでは6月25日、トラックドライバーがストライキに突入した。燃料価格
の高騰に加え、サンパウロ州がピーク時のトラック進入禁止を決定したことに
抗議するものである。ストに参加するのは独立系ドライバーのみであり、全ド
ライバーの約半分に当たる100万人が該当する。ストは政府が交渉に応じるまで
継続する予定となっており、長期化すると商品流通にも深刻な影響が生じる可
能性もある。コーヒー、特にアラビカ種はブラジル産に対する依存度が高い為
に注意が必要である。米農務省(USDA)によると、2008/09年度のアラビカ種生
産に対するブラジル産のシェアは43.9%に達している。ただ、今年は多雨によっ
て収穫時期が先送りされていることもあり、実際のコーヒー供給には特に問題
は生じていない。今後のリスク要因の一つとして認識しておけば十分だろう。
<政府助成金を求める動き>
生産コストの上昇を受けて、生産者からは政府助成金プログラムPeproの適用を
求める声が強くなっている。コーヒー生産者組合Cooxupeによると、今年に入っ
てから肥料コストは既に73%上昇しており、農家の収益環境は著しく悪化してい
る。足元では150セントで生産者からの新穀在庫売却の動きが観測されているが、
平年よりも売却価格帯が引き上げられ易い状況になっている。駐ブラジルの米
農務官報告によると、2005年1月との比較で肥料コストは275%、労働コストは3
0%、輸送コストは190%、それぞれ上昇している。
<短期的には行き過ぎ感もあるが>
ブラジルでは7月上旬まで好天が続く見通しであり、収穫の遅れを取り戻す動き
が強くなっている。先週の急伸相場は主にテクニカル要因に基づくものであり、
短期的な調整リスクは否定できない。ただ、最大のネガティブ要因であるブラ
ジルの5,110万袋の生産見通しを織り込んでいる以上、上昇基調は維持されるこ
とになるだろう。現物需給緩和や好天見通しからの押し目買いが基本方針だが、
機会損失を警戒するのであれば素直に買い進みたい。現状を投機的高値とは考
えていない。
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■外国為替 -膠着感が強いドル/円相場-
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<行き過ぎた金利先高感を是正>
ドル/円相場は、106円台前半まで軟化する展開。インフレ懸念を背景とした米
金利先高感から、6月16日には108.58円までドル高・円安が進行したが、6月24
-25日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)でこうした金利先高感は行き過ぎと
の見方が強まり、その後はドルの上値が重い展開となっている。四半期末とあ
って事業会社からのドル調達意欲も強いが、世界的な株安傾向もドルの上値圧
迫要因となり、6月9日以来のドル安・円高水準となっている。
<利上げは雇用環境の改善待ち>
FOMC声明文では、「インフレとインフレ期待の上振れリスクは拡大した」と指
摘されており、米金融当局がインフレリスクに対する警戒姿勢を強めているこ
とが明確に確認できる。ただ、マーケットの一部で期待されていたように早期
利上げの言質を与えるようなことはなく、米金利先高感が広がっていたマーケ
ットでは、失望的な内容と評価する向きが多かった。委員の一人が利上げに賛
成票を投じるなど、米金融政策が利下げ打ち止めから引き締め的な政策スタン
スに傾いているのは間違いないだろう。ただ、雇用環境や個人消費支出環境の
悪化、住宅市場の縮小トレンド継続などから、現段階での利上げ判断はリスク
が高いと判断した模様である。6月26日に発表された米第1四半期GDPが前期比年
率+1.0%に留まるなど、米経済は辛うじてリセッション(景気後退)入りを避け
ているのが現状であり、利上げは劇薬的な効果を及ぼしかねない。マーケット
は、年内に0.25%程度の利上げが2回実施される可能性を織り込んでいるが、こ
のまま雇用環境などの改善が先送りされれば、1回の利上げも疑問視せざるを得
ない。今週末には6月雇用統計の発表が控えているが、非農業部門就業者数は前
月比-6.0万人が予測されており、5ヶ月連続の前月比マイナスとなる見通し。イ
ンフレリスクが更にエスカレートしない限り、足元のマクロ経済環境は利上げ
への政策転換に非協力的とみている。
<ドルは戻り売りが基本方針>
7月3日には欧州中央銀行(ECB)理事会が予定されており、ユーロに関しては利
上げと同時に追加利上げの可能性を示唆するか否かが最大の焦点となる。特に、
追加利上げに否定的な発言が増えれば、ユーロ金利の先高感後退からユーロ高
は是正に向かう可能性が高い。ただ、米経済の相対的な弱さを考慮すれば、い
ずれの通貨に対してもドルの上昇余地は限定的とみており、ドル高・円安トレ
ンドが確立するシナリオは描きづらい。ドル安は主に対ユーロで進行するとみ
ているが、ドル/円相場も再び100円台割れを試す流れを想定している。米金融
当局者からはドル安是正に向けて口先介入の動きが活発化しているが、ドル安
ペースを鈍化させることは可能であっても、トレンドそのものを転換させるこ
とは難しいだろう。今週は日銀短観の発表も予定されているが、円サイドより
も米経済指標を受けて金利見通しがどのような修正を迫られるかに注目したい。
予想レンジは、105.00-107.50円である。
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■発行 大起産業株式会社
■レポート執筆 大起産業株式会社調査研究室 小菅 努
■ウェブサイト http://www.daikiweb.co.jp/
■マーケット情報 http://www.asumiru.com/
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