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商品先物市場(穀物、コーヒー)、外国為替市場の週刊レポート。ファンダメンタルズ分析を用いて、中期トレンドを考察します。テクニカルや内部要因ではなく、あくまでも需給動向や経済環境を重視したトレンド分析です。毎週、月曜日夕方発行です。

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2008/05/26

大起週刊レポート【農作物・為替編】2008/05/26発行

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  大┃起┃産┃業┃ 
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    週┃刊┃マ┃ー┃ケ┃ッ┃ト┃レ┃ポ┃ー┃ト┃【農作物・為替編】┃
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 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2008/05/26 Vol.084 ━━━━
 
 
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 ■トウモロコシ -作付け・発芽の遅れは決定的に-
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 天候相場が続く
 CBOTトウモロコシ先物相場は、600セント水準を中心に揉み合う展開。生産地の
 気象環境を巡る思惑から乱高下を繰り返しているが、明確な方向性を打ち出せ
 ていない。気象環境以外には目立った材料が見当たらず、完全な天候相場が続
 いている。
 
 作付け・発芽は約1週間の遅れ
 米農務省(USDA)発表の作付進捗率は、18日時点で73%(前週比+22%)となり、
 前年同期の88%、5年平均の88%を大きく下回った。一方、発芽進捗率は26%(前
 週比+15%)となり、こちらも前年同期の59%、5年平均の56%を大きく下回った。
 作付け、発芽ともに概ね一週間程度の遅れが生じていると言えよう。トウモロ
 コシが高イールドを確保するためには、遅くとも5月中旬までの作付けが必要と
 されており、この時期の気象環境悪化はイールドの低下をもたらすのみでなく、
 大豆への作替えの動きも促すことになる。作付け開始から1ヶ月以上が経過した
 が、現状では初期の作付けの遅れを取り戻せていないことを確認しておきたい。
 
 気象環境は一向に改善せず
 米気象予報会社メテオロジクスは、米中西部のコーンベルトが再びにわか雨に
 見舞われるとの見通しを発表している。今期は4月上旬から降水量が多く、5月
 下旬に至っても作付けの遅れを取り戻せていない。今週も降雨の他に低温が予
 測されており、作付けされた種子が順調に発芽し、生育するかの不透明感も強
 い。発芽が失敗すれば、時期的に再びトウモロコシの作付けを行うことは難し
 く、当然に大豆などへの作替えが予測されることになる。5月需給報告のイール
 ド153.9Bu/エーカー、収穫率91.6%を前提とすると、100万エーカーの作付けシ
 フトで1億4,000万Buの減産要因となる。1995/96年度のように、作付けの失敗が
 300万エーカー規模の作付けシフトを促した例もあるため、注意が必要である。
 
 インデックスファンドに対する規制強化の動き
 米上院国家安全保障・政府活動委員会は20日、公聴会で食品やエネルギー価格
 に対する投機の影響を議論した。ここでは商品指数などのパッシブ運用型ファ
 ンドを従来の商業筋から投機筋に区分変更すべきとの意見が出されるなど、イ
 ンデックスファンドに対する規制強化を求める声が強くなっている。運用業界
 は強く反発しているものの、食品やエネルギー価格の高騰に対する社会的な批
 判が高まっていることを考慮すれば、何らかの規制導入は避けられないだろう。
 その際は、穀物相場も一定の調整圧力に直面することは回避できないだろう。
 インデックスファンド業界を巡る動向にも注意したい。
 
 天候次第の展開が続く
 CBOTトウモロコシ相場は600セント水準で揉み合う展開となっているが、引き続
 き気象環境次第の相場展開となることが予測される。多雨や低温が続けば650セ
 ント水準が目標価格となる一方、好天となれば4月からのレンジ下限となる580
 -590セント水準が試されることになるだろう。短期的にはやや下振れリスクの
 大きい相場環境となっているが、中長期スタンスであれば600セント割れは買い
 場となる見通し。


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 ■大豆 -アルゼンチンのストライキに解決の兆しも決め手欠く-
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 アルゼンチンのストライキを巡る思惑
 CBOT大豆先物相場は、1,300セント台前半から中盤までやや値位置を切り下げる
 展開。大豆輸出関税を巡るアルゼンチンのストライキが解除されたことで上値
 の重い展開となったが、その後の政府との協議がもの別れに終わるなど供給懸
 念を完全に払拭するには至らず、総じてレンジ相場を継続している。トウモロ
 コシに続いて大豆も作付けが本格化しており、気象見通しの影響も増しており、
 今後もボラタイルな相場展開が想定される。
 
 アルゼンチンのストライキは解除も
 アルゼンチンの主要農業4団体は14日、大豆の輸出関税に抗議して2週間に渡っ
 て続けてきたストライキを21日に解除することで合意した。政府との対立関係
 は崩れていないものの、交渉再開に向けての条件整備が行われた形である。こ
 の結果、主要穀物輸出港ロザリオなどで穀物取引が再開されている。ただ、22
 日に行われた政府との交渉では、対立点の解消には一向に至っておらず、再び
 ストライキが実施される可能性が排除できない情勢となっている。政府は今週
 から再び協議を再開するとしているが、農家からは強硬な意見が再び強くなっ
 ており、アルゼンチン情勢は今後も波乱含みである。先行きを楽観視するのは
 難しい。
 
 作付けには約1週間の遅れ
 米農務省(USDA)発表の作付け進捗率(5月18日時点)は、前週比+16%の27%と
 なっている。前年同期は52%、5年平均は47%であり、トウモロコシの作付けが遅
 れたことで、大豆の作付けにも1週間程度の遅れが生じていることが確認できる。
 ただ、大豆は6月上旬までに作付けを完了させれば高イールドが期待できるため、
 サプライズという程の数値ではない。それよりも、5月中旬を過ぎて高イールド
 を期待するのが難しくなったトウモロコシから、どの程度の作付けシフトが行
 われるかに注目したい。イールドを5月需給報告の42.1Bu/エーカー、収穫率を
 同98.7%と仮定すると、100万エーカーの作付けシフトにつき4,150万Buの増産要
 因となる。300万エーカー規模の作付けシフトが生じると、期末在庫見通しは1
 億Bu以上引き上げられることになり、タイトな需給環境を否定するのは難しい
 ものの、需給見通しは大幅な修正を迫られる可能性もある。
 
 降雨と低温によるイールド低下懸念
 米気象予報会社メテオロジクスによると、コーン生産ベルトでは再びにわか雨
 が観測されることで、トウモロコシの作付けに遅れが生じる見通しが示されて
 いる。ただ、同時に低温による発芽や生育への遅れも報告されており、大豆相
 場に対しては必ずしもネガティブとは言えない状況になっている。マーケット
 がどのような評価を下すのかを慎重に見極めたい。
 
 ボラタイルな展開が続く見通し
 CBOT大豆相場は1,300セント台前半から中盤での取引となっているが、引き続き
 作付け期の天井圏に達したと考えている。アルゼンチンのストライキが再び行
 われるか否かが目先の最大の焦点だが、これのみで1,400セント台乗せからの一
 段高を試す状況には無いだろう。生産地の気象環境にも十分な注意が必要だが、
 1,250セント水準までの下落リスクを想定している。ただ、引き続き気象見通し
 の変化には柔軟に対応していきたい。


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 ■コーヒー -140セント台乗せを試すも決め手欠く-
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 140セント台乗せを試すも
 ICEコーヒー先物相場は、WTI原油高やドル安を背景に一時140セント台まで値位
 置を切り上げたが、そこかた一段と上値を試すような動きもみられず、130-14
 0セントを基本レンジとした展開が続いている。ブラジルの気象環境に目立った
 変化が見られないことで、需給見通しに修正を迫るような動きもなく、ポジショ
 ン調整中心の展開が続いている。
 
 商品市況全面高も、コーヒーは手掛かり難
 先週は投機筋主導で140セント台に乗せる場面がみられたが、投機色が否めない
 展開となっている。一応はドル安によるドル建て商品相場上昇、原油高による
 インフレ懸念といった材料もみられるが、商品市況全体が高騰するなかで、ム
 ードで買われた印象が否めない。130セント水準で焙煎業者などの物色意欲の強
 さが確認される中、短期投機筋の買いが一時的に相場を押し上げたと考えてい
 る。ただ、ここから一段と相場を押し上げる材料は見当たらず、自律反発の域
 に留まるだろう。同水準では、生産者からの売り意欲も強く、今後も明確な方
 向性を打ち出しづらい相場展開が続く見通し。
 
 ドル安の輸出に対する影響は限定的
 グアテマラ・コーヒー生産者協会(ANACAFE)が発表した中米、メキシコ、コロ
 ンビア、ペルー、ドミニカ共和国からの4月コーヒー輸出高は、前年同期比+6%
 の284万6,125袋となっている。4月はドル安傾向が強くなったこどで、生産者の
 売却意欲は低いとの観測もあったが、実際の輸出統計からは特にドル安の影響
 は確認できない。逆にドル高局面でも輸出圧力が強まることはなく、輸出状況
 は手掛かりとしづらい状況が続いている。
 
 ブラジルの増産も輸出への影響は限定的か
 ブラジルのグリーンコーヒー輸出業者評議会(Cecafe)幹部は、2008/09年度の
 同国コーヒー輸出高が前年度の2,750万袋から2,900万袋まで増加するとの見通
 しを発表した。生産高は前年度の3,760万袋(USDA調べ)から5,000万袋程度ま
 で膨らむ可能性が指摘されているが、国内消費が拡大傾向にあることで、輸出
 高の引き上げ圧力は限定されることが示唆されている。ただ、国内消費量が1,
 800万袋程度に留まれば、総需要は4,700万袋となり、総供給5,439万袋(期初在
 庫439万袋+生産高5,000万袋)の際の期末在庫は739万袋と、前年度の439万袋を
 大幅に上回ることになる。こうした需給見通しを考慮すると、130セント水準を
 割安と評価することは躊躇される。過去のデータからはドル安の影響を考慮に
 入れても、110-120セント水準まで下落リスクが想定される。
 
 短期的にはレンジ相場が続く見通し
 ICEコーヒー相場は130セント台中盤から140セント水準を中心に揉み合う展開と
 なっているが、目先は130-140セントを中心としたレンジ相場を想定している。
 ブラジルで天候不順による収穫の遅れが指摘されているが、現状ではイールド
 や収穫高に対する影響は限定的とみられ、マーケットの関心も低い。まだ下振
 れリスクが完全に払拭できないが、レンジ相場を前提に140セント水準での戻り
 売り、130セント水準での押し目買いを基本方針としたい。


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 ■外国為替 -利下げ休止観測がドル売り要因に-
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 株安がドル売り圧力に
 ドル/円相場は、103円台前半まで軟化する展開。米実体経済の先行き不透明感
 が強まる中、株式相場の上値が重くなっており、つれてドル売り・円買い圧力
 が強くなっている。マーケットでは、サブプライム問題はピークを過ぎたとの
 楽観的な見方が広がっていたが、各種経済指標は米経済が際めて厳しい環境に
 あることを示唆しており、株式市場でロングポジションを手仕舞う動きが広が
 っている。これまで米金利上昇からドル高要因となっていた利下げ休止観測に
 関しても、株式市場でネガティブ要因と受け止める向きが多いことで、ドル売
 り・円買い材料となっている。株式相場との連動性が強まる中、今週は多数の
 重要経済指標発表が控えており、これらをどのように消化するかが注目される。
 
 
 米利下げ打ち止め観測が一段と強まる
 米連邦準備制度理事会(FRB)は21日、4月29-30日開催の米連邦公開市場委員会
 (FOMC)議事録要旨を公開した。FOMC声明文に関しては、今後の金融政策につ
 いての見方について評価が分かれたが、議事録要旨を見る限りは、利下げ打ち
 止めの方向に動いていると言わざるを得ない。「成長のリスクは、インフレの
 リスクとかなり拮抗するようになったと考えられる」との指摘は、利下げと利
 下げの必要性が拮抗しているとの認識を示しており、インフレ圧力の高まりよ
 りも景気悪化ペースが加速していることを確認しない限りは、利下げが実施さ
 れる可能性は低いだろう。当初は、こうした米金利の底打ちを促す動きは、「
 米金利底打ち→ドル高・円安」につながるとの見方が支配的であった。しかし
 実際には「米金利底打ち→株式相場軟化→ドル売り・円買い」と、金利上昇が
 ドルに対してネガティブに機能している。株式市場を経由することで、米朝金
 利上昇がドル安要因となっていることを確認しておきたい。
 
 原油高がドル安を促す
 WTI原油相場が再び過去最高値を更新するなど、騰勢を強めている。足元では、
 原油相場の高騰が景気減速懸念から株安を招き、それがドル安・株安から投機
 マネーの実物資産シフトを押し進め、更に原油相場の高騰を促す一因となって
 いる。マーケットの関心が実体経済にシフトする中、原油高はドル相場に対し
 てネガティブとなっている。ただ、インフレ圧力の高まりは、利上げ圧力を経
 由して金利面からドル高を促す可能性もあり、マーケットが原油高をどのよう
 に評価しているかは、十分な注意を払っておきたい。原油相場とドル相場との
 関係性は、時期によって大きく変る可能性があり、現状の「原油高→株安→ド
 ル安」のフローは必ずしも普遍的なものではない。
 
 スタグフレーション入りの可能性
 FRBは景気の四半期見通しを発表したが、2008年の経済成長率は従来の1.3-2.0
 %上昇から0.3-1.2%上昇まで大幅に下方修正された。ただ、インフレ見落としは
 逆に上方修正されており、実質的なスタグフレーション入りしたリスクが警戒
 される。こうした需要低迷下のインフレ局面では、利上げによるインフレ抑制
 効果は限定的であり、当局は極めて難しい政策判断を迫られることになる。景
 気減速懸念が強くなっても、インフレ懸念から追加利下げは難しく、米経済の
 先行きを楽観視することは難しい。
 
 ユーロが堅調見通し
 ドル/円相場は103円台前半まで軟化しているが、ややドルが売られ易い地合を
 想定している。特にマクロ経済指標が悪化すれば、株安からドル売り圧力が一
 段と強まることになるだろう。一方、ユーロに関しては原油相場の高騰から利
 下げを求める声が大幅に後退しており、他通貨に対して金利面での優位性が一
 段と強まる見通し。対ユーロでは1ユーロ=1.6000ドル水準を試す展開を想定し
 ている。ドル/円相場の予想レンジは、102.00-105.00円。


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 談室[名古屋市]:0120-706030、日本商品先物取引協会相談センター[東京都]:
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 ■発行      大起産業株式会社
 ■レポート執筆  大起産業株式会社調査研究室 小菅 努
 ■ウェブサイト  http://www.daikiweb.co.jp/
 ■マーケット情報 http://www.asumiru.com/
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 ■各種お問い合わせ先
      大起産業株式会社 調査研究室 担当:小菅(コスゲ)  
         〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦2-2-13
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