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商品先物市場(貴金属、石油、ゴム)の週刊レポート。ファンダメンタルズ分析を用いて、中期トレンドを考察します。テクニカルや内部要因ではなく、あくまでも需給動向や経済環境を重視したトレンド分析です。毎週、月曜日夕方発行です。

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2009/09/14

大起週刊レポート【工業品編】2009/09/14発行

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  大┃起┃産┃業┃ 
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      週┃刊┃マ┃ー┃ケ┃ッ┃ト┃レ┃ポ┃ー┃ト┃【工業品編】┃
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 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2009/09/14 Vol.138 ━━━━
 
 
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 ■金 -1000ドル到達で上げ一服-
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 <1000ドル台到達>
 COMEX金先物相場は、1000ドルの節目を挟んで揉み合う展開になって
 いる。株式相場が再び地合を引き締める中、投資家のリスク許容度改善が促さ
 れており、金相場も地合を引き締めている。特に為替相場でドルの軟化傾向が
 エスカレートしている影響が大きく、ドル安に対する退避需要が金相場を押し
 上げている。ただ、1000ドル台では利益確定目的の手仕舞い売りが上値を
 抑えており、同水準で次の方向性を模索する展開にシフトしつつある。
 
 <ドル相場が年初来安値更新>
 インターコンチネンタル取引所(ICE)のドルインデックスは、年初来安値
 更新の動きを強めている。これまで短期的な過熱感から伸び悩んでいた株式相
 場が再び地合を引き締めていることで、投資家のリスク許容度改善が促されて
 いる結果である。ダウ工業株が再び年初来高値を更新する中、為替市場では高
 金利通貨や資源国通貨などのカントリーリスクの高い通貨が物色されており、
 主要通貨に対するドル売り圧力が強くなっている。ドル/円相場は1ドル=9
 0円の節目を試すドル安・円高局面になっているのも、決して偶然ではない。
 ドル相場とドル建て金相場との間には強い逆相関関係が認められており、ドル
 安が金市場への資金流入を促す構図が続いている。
 
 <金ETFの残高は増えず>
 価格高騰で宝飾・加工需要の落ち込みが確実視される中、現物投資需要の動向
 が注目される。これまでの価格高騰局面では、実需の落ち込みを上場投資信託
 (ETF)を中心とした投資需要の拡大が相殺することで、金相場の下値切り
 上げを促してきた。ただ、足元では「SPDR GOLD SHARES」の
 投資残高は横這いで推移しており、加工需要の落ち込みを相殺するのは難しい
 状況にある。ここでETFの残高が増加に転じれば一気に取引レンジを100
 0ドル台に切り上げることが予測されるが、現時点ではそこまでの強気になれ
 ない。
 
 <短期的な過熱感が強い>
 強気の投資環境を背景に1000ドル台に乗せたが、短期的な過熱感が否めな
 い。トレンドとしては、今後は1000ドル台を主戦場とする展開を想定して
 いるが、1週間で50ドルの急伸は明らかに「行き過ぎ」である。日柄または
 値柄調整を終えた後が、本格的な1000ドル時代の到来になるだろう。


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 ■白金 -スト終結も影響はなし-
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 <1300ドル台へ>
 NYMEX白金先物相場は、1300ドル台に乗せ、年初来高値を更新した。
 南アフリカにおけるストライキは集結に向かったが、これまで特にリスクプレ
 ミアムを織り込む動きがみられなかったこともあり、影響は限定されている。
 マーケットでは、白金需給よりも投資環境が注目を集めており、金相場を10
 00ドル台まで押し上げた株高・ドル安がそのまま白金相場の下値切り上げに
 も寄与している。
 
 <ストライキは材料にならず>
 南アフリカの全国鉱山労働者組合(NUM)は、白金大手インパラ・プラチナ
 (インプラッツ)の鉱山におけるストライキが集結したことを明らかにした。
 賃上げ交渉を巡る対立で8月24日からストライキが開始されたが、約2週間
 で沈静化に向かっている。インプラッツ側の10%賃上げ提示が受け入れられ
 た模様であり、これで白金供給のリスク要因が一つ払拭された形になる。今回
 のストライキによって累計で5万オンス前後の生産が喪失された模様であり、
 これは決して無視できる数値ではない。前年の南アフリカの白金供給量は45
 3万オンスであり、これは約1%の供給が喪失されたことを意味するためだ。
 ただ、マーケットではこうした短期の需給動向よりも、マクロなレベルでの需
 給動向が注目を集めており、白金独自の動きは弱くなっている。実際、これま
 でストライキによる供給リスクを織り込む動きは限定されており、当然にリス
 クプレミアム剥落の動きもみられない。
 
 <決め手はドルか>
 為替相場でドルの軟化傾向がエスカレートしていることが、白金相場の水準切
 り上げにも寄与している。ドルが年初来安値を更新するのと連動して、白金相
 場も年初来高値を更新している。9月入りしてから50ドルを超える急伸相場
 になっていることで短期的な過熱感も強いが、金相場の1000ドルに対して
 約30%のプレミアムは十分に許容できるレベルである。
 
 <パターン分析では調整リスクも>
 白金相場は高値更新後に急落する傾向が強く、過去のパターンからは再び12
 50~1300ドル水準までの調整を経た後に1300ドル台を主戦場とする
 展開が想定される。ただ、いずれにしても上昇基調を否定する理由は乏しく、
 どの価格水準で買いを入れるかを検討すべきだろう。


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 ■原油 -強気の外部環境も、投機規制が警戒される-
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 <70ドル割れへ>
 NYMEX原油先物相場は、70ドルの節目を挟んでも見合う展開になってい
 る。株高やドル安といった強気の投資環境を背景に下値を切り上げるも、投機
 規制の動きに対する警戒感などから積極的に買い進む動きも限定されており、
 明確な方向性を打ち出せていない。9日には石油輸出国機構(OPEC)総会
 も開催されたが、マーケットは殆ど反応していない。
 
 <OPEC総会はサプライズなし>
 OPEC総会では、日量2485万バレルの原稿生産枠が維持された。OPE
 C内では、産油国と消費国の双方が満足できる価格水準との認識が優勢であり、
 敢えて市場の混乱を促す可能性のある生産政策の変更は行う必要がないと判断
 された模様だ。原油価格の上昇で、生産枠の順守率低下を懸念する声も強くな
 っているが、年末に向けて暖房油需要の拡大が予測されることもあり、特に目
 立った動きは見せていない。もっとも、こうした動きは当然に予測されていた
 ことであり、マーケットの反応は限定されている。
 
 <需要見通しの改善は進むも>
 国際エネルギー機関(IEA)発表の9月月報では、2009年の世界石油需
 要見通しが日量8443万バレルとされ、前月から49万バレルの上方修正に
 なっている。世界的な景気回復傾向と連動して、石油需要に対しても楽観的な
 見方が強くなっている。ただ、足元の過剰在庫が解消された訳ではなく、需給
 緩和状態の解消にはなお時間が必要だろう。米国の原油在庫は前年同期を11
 .5%上回っていることを確認しておきたい。
 
 <引き続き投機規制の動きが警戒される>
 株価が年初来高値、ドルが年初来安値を更新する中、原油相場も相対的な上値
 の重さが目立つ。米商品先物取引委員会(CFTC)による投機規制の動きが
 警戒されており、強気の外部環境が下値を支えるものの、一段と買い進むこと
 が躊躇されている模様だ。投機規制の内容次第では一時60ドル台を割り込む
 可能性も想定しておく必要があり、特にスワップ・ディーラーが買い玉整理の
 動きに動きつつある。短期投機筋は積極的に買い進んでいるものの、投機規制
 の動きを見極めてからの買いの方が安心感がある。投機規制の動きが相場に何
 も影響を及ぼさない展開は想定しづらい。
 

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 ■ガソリン -業転相場高止まりも原油次第の展開に-
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 <原油相場に連動>
 東京ガソリン相場は、一時4万8580円まで値位置を切り上げた後、足元で
 は4万6000円水準まで軟化する展開になっている。WTI原油相場が上昇
 後に軟化したことで、ガソリン相場も乱高下する展開になった。引き続き、原
 油相場次第の展開に。
 
 <元売の減産方針は継続>
 京浜地区海上渡し業転価格は、前週比1500円高の10万6500円。東京
 定期は上値の重い展開になっているが、原油価格の転嫁が遅れていた業転相場
 は堅調に推移している。石油連盟発表の週末在庫(9月5日)は、前週比2.
 6%減の196万1732キロリットル。推定出荷量が同11.1%増と3週
 間ぶりに増加に転じた影響が大きいが、これはお盆休み明けで落ち込んだ反動
 であり、マーケットの関心は低い。ただ、これから国内製油所は相次ぎ定期修
 理期を迎えることになり、短期的な需給逼迫感が強まる可能性もある。原油相
 場に逆行して上昇する状況にはないものの、業転相場は崩れづらく、それは定
 期市場で当限の下値を限定する効果が予測される。もっとも、基調は引き続き
 原油相場と連動する見通しであり、ガソリン独自の動きは想定しづらい。
 

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 ■灯油 -現物相場は横這いで、原油次第か-
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 <5万円割れから更に崩れる>
 東京灯油相場は、一時4万9060円まで値位置を切り上げるも、足元では4
 万6000円台まで軟化する展開になっている。ガソリン相場同様に、原油相
 場次第の展開になっている。
 
 <原油相場次第の展開が続く>
 京浜地区海上渡し業転価格は、前週比変わらずの4万5500円。原油相場は
 乱高下したものの、業転相場には目立った動きがみられなかった。石油連盟発
 表の週末在庫(9月5日)は、前週比0.2%減の298万4452キロリッ
 トルとほぼ横這い。この時期としてはかなりの低い水準であるが、特に荷動き
 は活発化しておらず、需給逼迫感も弱い。ただ、推定出荷量は同42.9%増
 と3週連続で大幅に増加しており、徐々に冬の需要期に向けての動きが活発化
 していることが窺える。もっとも、現物相場の値動きは鈍く、引き続き原油相
 場の動向を中心に考えていきたい。灯油独自の値動きを想定するのは難しい。


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 ■ゴム -原油相場の動向に一喜一憂-
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 <200円水準で膠着相場に>
 東京ゴム先物相場は、一時218.00円まで急伸した後、再び200円台を
 割り込むなど、ボラタイルな展開が続いている。石油相場の堅調地合に連動し
 て年初来高値を更新したものの、週末のWTI原油相場急落で買い方の投げ売
 りが先行し、高値から約20円の急落相場になっている。
 
 <チャート主導の展開が続く>
 チャート主導の上昇相場となっているだけに、原油相場が急騰すれば再び年初
 来高値更新の可能性がある一方、原油相場が下落すると調整売りがチャート面
 でも投げ売りを誘い易く、不安定な相場環境が続いている。14日の取引では
 一目均衡表の基準線204.50円を割り込み、従来の取引レンジのあった2
 00円水準まで値位置を切り下げている。190円割れまで進めば、ネックラ
 イン割れで上昇トレンドから下降トレンドへの完全な転換が確認できるため、
 ここからの下げは従来よりも大きな意味を持つことになる。
 
 <中国製タイヤにセーフガード>
 オバマ米大統領は11日、中国製タイヤに対するセーフガード(緊急輸入制限)
 の発動を発表した。今後は3年にわたり25~35%の追加関税が賦課される
 ことになる。これによって世界的なタイヤ需要が変化することはないが、中国
 のタイヤ生産が大きな影響を受けるのは必至であり、中国製の原料調達の動き
 は鈍化し易くなる。少なくとも、中国製は生産体制の縮小から天然ゴム在庫の
 圧縮を迫られることになり、東南アジア地区での調達動向にも一定の影響が想
 定される。
 
 <原油相場次第の展開が続く>
 ボラタイルな展開が続いているが、石油が急反発すれば容易に年初来高値更新
 に向かう可能性のある相場であり、先行き不透明感が強い。190円割れで売
 り方針に転換するが、現状では値動きは荒いものの調整安の域を脱していない。


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 ■発行      大起産業株式会社
 ■レポート執筆  大起産業株式会社調査研究室 小菅 努
 ■ウェブサイト  http://www.daikiweb.co.jp/
 ■マーケット情報 http://www.asumiru.com/
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