大起週刊レポート【工業品編】2008/06/16発行
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大┃起┃産┃業┃
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週┃刊┃マ┃ー┃ケ┃ッ┃ト┃レ┃ポ┃ー┃ト┃【工業品編】┃
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2008/06/16 Vol.087 ━━━━
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■金 -米金利上昇を受け、ドル高経由で金相場の上値圧迫-
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ドル高が上値を圧迫
COMEX金先物相場は、800ドル台中盤まで軟化する展開。WTI原油相場は過去最高
値水準での取引となっているが、対ユーロでのドル高が金相場の上値を抑えて
いる。需給面で特に目新しい材料が見当たらない中、ユーロ/ドル相場の動向が
最大の関心事となっており、逆相関関係が維持されている。
当局者からドル安牽制発言が増える
米金融当局からは、インフレに対する強い警戒発言が増えている。3日にはバー
ナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「ドル相場の変動がインフレとイン
フレ期待に及ぼす影響を注視している」とした上で、ドル相場防衛の必要性を
強く指摘した。また、9日にはポールソン米財務長官が「為替介入の選択肢を排
除しない」として、介入によるドル相場の防衛も選択肢に入れていることを明
らかにした。更に10日にはブッシュ大統領も「強いドルを信じる」として、改
めてドル安を牽制した。
手詰まり感強める米金融政策
今月に入ってからこうした口先介入が増えているが、これは裏返せば米金融政
策が手詰まり感を強めている結果だろう。インフレ圧力の高まりに対しては、
利上げによって総需要を抑制するのが伝統的な手法である。しかし、足元のマ
クロ経済環境が著しく悪化する中で、利上げは本格的なリセッション(景気後
退)入りの可能性を高めるため、本音では利上げを回避したいとみられる。こ
のため、口先介入によるドル防衛が行われていると見るのが妥当だろう。
大幅利上げの可能性
ただ、マーケットでは金利先高感からドルの上値が抑えられるなど、一定の効
果が確認できる。CBOT金利先物市場では、年末の金利水準2.72%と想定しており、
0.25%の追加利上げが2回以上3回未満行われることを織り込んでいる。今後半年
で2-3回の利上げはマクロ経済環境に深刻な影響を及ぼすことで、逆に中長期的
なドル安を促すとみているが、短期的なドル高圧力であることは間違いなく、
ドル建て金相場の上値を圧迫している。ただ、こうした一時的な「ドル高→金
相場下落」局面は押し目形成期に留まる事になるだろう。金相場のピークアウ
トを確認するには、金利先高感からの一時的なドル高ではなく、ドル安トレン
ドの転換を確認する事が必要となる。ただ、足元の米欧の金利・景況感格差を
考慮すると、ドル安トレンドの転換にはなお多くの時間が必要だろう。
東証に金ETF上場へ
東京証券取引所は13日、金連動型上場投資信託(ETF)を30日に上昇すると発表
した。金ETFは既に大阪証券取引所に上場されているが、今回はニューヨーク証
券取引所(NYSE)に上場されている「ゴールド・シェア」が重複上場されるこ
とになり、金との好感も可能である。これで直ちに需給環境に大きな影響が生
じるものではないが、日本の投資家による金ETF購入はそのまま需要の押し上げ
要因となるため、中長期的なサポート要因の一つとして注目したい。また、短
期的には金ETF取引を通じてヘッジ取引が金先物市場で活発化する可能性が高い。
ETF絡みの売買は主に売り玉となる見通しだが、これらは相場での利益追求を目
指さないだけに、流動性確保に寄与することが期待できる。
押し目買い方針を継続
COMEX金相場は800ドル台中盤での取引となっているが、買いスタンスで臨みた
い。当局者によるドル安牽制発言が、ドル高からドル建て金相場の上値を圧迫
しているが、一時的な動きに留まると考えている。ドル安の底流にはドルに対
する国際的な信認低下があり、少なくともサブプライム問題の本格解決が行わ
れるまでは、ドル安・金相場上昇のトレンドが崩れることはないだろう。850ド
ルを下抜くとテクニカル主導で下げ足を加速させる可能性もあるが、下値不安
は大きくない。中長期スタンスからロングポジションを構築し、短期で900ドル、
中長期では更に上値を狙える相場環境と考えている。
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■白金 -狭いレンジ相場で方向性を欠く-
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2,000ドルの節目を巡る攻防が続く
NYMEX白金先物相場は、2,000ドルの節目を挟んで揉み合う展開が続いている。
ドル高からドル建て金相場は上値の重い展開となったが、白金相場は明確な方
向性を打ち出せていない。引き続き、金市場と比較してタイトな需給環境が下
値をサポートしている模様だ。ただ、基調は金相場と連動する見通しであり、
本格的な上昇再開には金相場の底打ちが必要不可欠とみている。
雇用削減で労使の対立がエスカレート
南アフリカ共和国では、電力危機に伴い鉱山セクターで雇用削減の動きが強く
なっている。これに対応して有力労組COSATUは7月2日から示威行動を開始し、
月末に向けて抗議活動を拡大するとしている。現段階ではストライキなどの具
体的な行動について言及されていないものの、今後の雇用情勢によっては行動
がエスカレートする可能性もあるだろう。電力供給不足によって、鉱山各社は
新規鉱区の開発を延長するなど、生産計画を全般的に縮小している。このため、
余剰人員を削減する動きが強くなっており、労使関係が再び悪化している模様
だ。昨年は安全問題からストライキが多発し、同国の白金生産は深刻な被害を
受けた。今年は既に電力不足で大規模な減産を迫られているだけに、更なる供
給トラブルは白金需給のタイト感をエスカレートさせる可能性が高い。
高インフレ環境は厳しい賃上げ要求の可能性も
南アフリカでは、政策金利が11.50%から12.00%まで引き上げられた。国内の高
いインフレ環境を反映して、年初から累計で1.00%の利上げが実施されている。
こうした高インフレ環境は、労働者からの賃上げ圧力を高めることになり、労
使交渉を難航させる可能性が高い。消費者物価指数は前年比で10%を上回る伸び
率となっており、当然に賃上げ交渉もこれを上回る昇給率を要求することにな
る。鉱山会社の決算状況からは必ずしも無理な要求とは言えないが、今年は生
産トラブルで厳しい財務環境にあるだけに、リスク要因の一つとして認識して
おくことが必要だろう。
引き続きドル相場の動向にも注目
需給要因以外では、引き続き為替相場の動向が重要だろう。白金相場に対する
直接的な影響というよりも、価格連動性のある金相場がユーロ/ドル相場と強く
連動しており、「ドル安→金相場高→白金相場高」と「ドル高→金相場下落→
白金相場下落」の単純な二つのフローが存在している。足元では口先介入でド
ルの地合が引き締まっているが、これが本格的なドル高トレンドに発展するか
に注目したい。その可能性は低いとみているが、ドル相場の動向には敏感にな
らざるを得ない。
強気スタンスを維持したい
NYMEX白金相場は2,000ドル水準で揉み合う展開が続いているが、引き続き強気
スタンスで臨みたい。需給面では1,800-2,000ドル水準でバーゲンハンティング
が予測され、下値不安は大きくない。本格的な上昇再開は、ドル安からの金相
場上昇を待つ必要があるものの、中長期スタンスから安値を買い拾っていきた
い。上昇余地は金相場の方が大きいと考えているが、下値不安は白金相場の方
が小さい。
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■原油 -需要減退下での投機的高騰相場-
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140ドル台乗せを窺う展開に
NYMEX原油先物相場は、一時139.12ドルまで値位置を切り上げるなど、底堅い展
開が続いている。短期需給に関しては相場に対してネガティブな材料も増えて
いるが、投機マネーの流入は維持されており、上昇基調が続いている。ドル相
場との連動性も高まっているが、ドライブシーズンが本格化しつつあり、製品
相場主導の色合いも強くなっている。
IEAは5ヶ月連続で需要見通しを下方修正
国際エネルギー機関(IEA)の6月月報では、2008年の世界石油需要見通しを8万
バレル下方修正し、日量8,680万バレルとした。これで5ヶ月連続の下方修正で
あり、昨年7月時点の見通しである8,820万バレルを140万バレル下回っている。
単純計算では、その間の約1年で在庫見通しが5億バレル以上も上方修正された
ことになる。世界的な景気減速懸念が、需要見通しに下方修正を迫る構図が続
いており、需要サイドから需給逼迫懸念は後退している。
レーショニングの動きが強まる
急激な価格高騰でアジア諸国で燃料補助金制度を見直す動きが強くなっており、
これまでの需要レベルを維持できるのか疑問視される。既にインドネシアは平
均で28.7%の値上げに踏み切り、インド政府も燃料価格の10%引き下げを決定し
た。依然として国際相場を大きく下回る水準に抑制されているが、これらの地
域の可処分所得の水準を考慮すれば、需要環境に大きな影響が生じるのは避け
られないだろう。日本や米国でも高騰するガソリン価格に消費者が買い控え傾
向を強めており、価格高騰に伴う需要減退の動きが本格化しつつある。
米国では輸入量が一向に増加しない
米エネルギー情報局(EIA)発表の米原油在庫は、前週比-460万バレルの3億0,
220万バレル。製油所稼働率は前週比-1.1%の88.6%に留まったが、輸入量が日量
970万バレルと前週から100万バレル減少したことで、需給バランスを維持でき
なかった模様。ここ数週間は輸入量が極めて低い水準に抑制されており、在庫
の取り崩しなくして需給バランスを維持するのが難しい状況となっている。3億
バレル台割れの可能性も高くなっており、これまで供給過剰感があった原油需
給にもタイト化のリスクが生じている。一方、製品に関しては需要環境の悪化
が注目を集めているが、それよりも製油所稼働率の低下を警戒すべきであろう。
原油価格と比較して製品価格の伸びが鈍いことで、クラックの縮小から製油所
の生産意欲は極めて低くなっている。需要の低迷を生産の低迷が相殺する可能
性が高くなっている。
産消国会合での増産は見送られる見通し
原油相場の高騰を受けて、22日から産油国と消費国の協議が行われる予定とな
っている。マーケットの一部では、OPECに増産決定を促す声も聞かれるが、実
際に増産が決定する可能性は低いだろう。OPECは、原油価格高騰は需給要因に
基づくものではないとの基本スタンスを堅持しており、ヘリル議長も今会合で
増産を決定することはないとしている。
サウジに増産の動きが強まる
中東経済専門誌MEESは、サウジアラビアが「かなりの追加増産を検討している」
とした上で、「生産高は過去最高に近い日量1,000万バレルまで引き上げられる
見通し」と伝えた。サウジアラビアは5月に日量30万バレルの増産を行っている
ことを表明しており、足元の生産高は日量960万バレル程度と試算している。ほ
ぼフル生産に近い状況であるが、これは50万バレルの追加増産が行われること
を意味する。
150ドルの節目も視野に
NYMEX原油相場は130ドル台中盤での取引となっているが、引き続き強含みの展
開が想定される。足元では需要減退の兆候を示す動きが増えているが、短期ト
レンドは需給よりも投資環境に強く依存しており、大きな影響はないだろう。
一時的に110-120ドル水準まで調整が進むリスクがあると考えているが、ドライ
ブシーズンのピーク向けては150ドル水準にトライする展開がメインシナリオで
ある。引き続き、買い場を探すのが基本スタンスとなるだろう。
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■ガソリン -WTI原油相場の過去最高値更新と連動する展開-
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WTI原油、業転相場が共に急伸
東京ガソリン先物相場は、96,000円台まで値位置を切り上げる展開。WTI原油相
場の急騰や業転相場高を受け、底堅い展開となっている。末端価格の上昇が止
まらないことで需要環境の回復は一段と難しくなっているが、ガソリン相場に
は原油価格の上昇分が十分に転嫁されていないこともあり、上値追いの展開が
続いている。
末端価格は7月180円台乗せの可能性も
京浜地区海上渡し業転価格は、前週比+3,000円の143,500円。6月に入って元売
り各社は大幅なり上げに踏み切っており、素直に原油相場の高騰に追随する展
開となっている。石油情報センター発表のガソリン店頭価格は全国平均で170円
を超えているが、元売り大手の出光興産は16日から更に1.7円の引き上げを発表
しており、7月1日にはそこから5円以上の再値上げが行われる可能性も指摘され
ている。このまま原油相場の高騰が止まらなければ、早くも180円台乗せが視野
に入る状況となっており、需要へのインパクトが警戒される。
需要低迷で在庫積み増し
石油連盟発表の週末在庫(6月1-7日)は、前週比+6.4%の247万9,942キロリット
ル。価格の急騰で出荷量が同-36.7%の78万0,353キロリットルと大きく落ち込ん
でおり、在庫消化ペースが鈍化している。灯油の需要は堅調なことで、連産品
であるガソリンのみの供給量を抑制することは難しく、当面は需給緩和状況を
解消するシナリオが描けない。今後もガソリン相場は一段と上昇し、需給環境
は更に悪化する事が予測される。消費者の高値慣れ、原油相場のピークアウト
などが、ガソリン需要の回復を促すとみているが、実現可能性は低いと言わざ
るを得ない。
原油相場と連動見通し
東京ガソリン相場は96,000円台での取引となっているが、今後も底堅い展開が
想定される。既に需要環境は現在の高価格水準を容認しておらず、需給は一段
と緩和する見通し。しかし、原油相場の水準を考慮すれば、ガソリンのみが価
格水準を引き下げることは不可能に近く、原油相場と連動して上値追いの展開
が続くことになるだろう。石油市場の中では最も地合が弱いとみているが、原
油高の影響を否定する事は難しい。
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■灯油 -海外相場に対する割安感が残る-
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原油相場に連動高
東京灯油先物相場は、113,000円水準まで上伸する展開。WTI原油相場の高騰や
業転相場高を受け、急伸地合となっている。海外相場の調整が一巡したことも
あり、改めて上値が試されている。
価格高騰も国内相場には割安感
京浜地区海上渡し業転価格は、前週比+5,000円の109,000円。海外でディーゼル
油加工向けに輸出需要が膨らんでおり、国内の業転市場に出回る浮遊玉が著し
く減少している。この価格水準でも輸出によって十分な採算を確保することが
可能なため、投機色が強くなっているものの投機的な高値水準とは言い切れな
い。シンガポール現物相場では、ジェット燃料・灯油が168.44ドル/バレルで取
引されており、単純に円換算すると約126,000円となる。これはTOCOMの当限を
約15,000円上回っており、輸出妙味の強い価格水準となっている。
在庫は3週間ぶりに増加も
石油連盟発表の週末在庫(6月1-7日)は、前週比+3.3%の172万9,620キロリット
ル。推定出荷量が同-47.3%の16万4,447キロリットルと落ち込んでいるが、元売
りや商社の輸出意欲は一向に衰えておらず、需給は引き続きタイトである。足
元では円安傾向が強くなっていることもあり、国内の灯油価格は世界的にみて
極めて割安な水準となっており、裁定の動きのみで相場が押し上げられる状況
となっている。構造的な需給逼迫要因に基づく価格高騰であることを考慮すれ
ば、季節外れながら灯油相場の下落余地は限定的とみられる。
ガソリンを上回るパフォーマンスが続く見通し
東京灯油相場は113,000円水準での取引となっているが、今後も底堅い展開を想
定している。基本的にはWTI原油相場次第であるが、国際的な中間留分需給の逼
迫化を考慮すれば、下値不安は大きくない。5月下旬にガソリンと灯油のサヤは
縮小したが、6月入りすると再び灯油の割高感が強くなっており、直近の最大サ
ヤ幅である18,410円を抜くのは時間の問題とみている。季節外れのガソリン売
り・灯油買いの裁定取引は、引き続き有効とみている。
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■ゴム -需給環境に改善の兆しも、石油相場に連動高-
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TOCOM開所来高値を更新
東京ゴム先物相場は、一時350円を突破するなど、底堅い展開が続いている。原
油相場が再び騰勢を強める中、ゴム相場もこれと連動する形で下値を切り上げ、
TOCOM開所以来の高値である345.90円(5月27日)も突破した。産地需給環境に
は改善の兆しも見え始めているが、先週のゴム相場は極めて投機色の強い相場
展開となっており、寄り付きでは前日のWTI原油相場の動向、場中は石油製品と
白金相場の動向に連動した展開となっている。ただ、ここから上の価格帯は未
知の領域となるため、投機的な高騰相場が続く可能性も否定できない情勢とな
っている。
タイRCMの集荷量は改善傾向に
タイ中央ゴム市場におけるUSS(未燻製シート)の集荷量は、5月は平均で日量
30トンに留まっており、日量100トンを超える集荷量を得た営業日は1日もなか
った。しかし、5月末の相場急落を受けて生産農家が在庫放出の動きを強めてお
り、先週は4営業日連続で日量100トンを超える集荷量を確保している。まだ生
産環境が正常化したとは言い難い状況にあるが、価格高騰局面でも荷が出回り
始めていることは、高く評価して良いだろう。日量200-300トン程度の集荷量を
確保できるようになれば、これまでの相場高騰要因の一つが完全に否定される
ことになる。
中国の輸入統計が意味するもの
中国税関総署発表の5月天然ゴム輸入量は10万トンとなり、前年同月と一致した。
マーケットでは、タイ中央ゴム市場の集荷低迷で、輸入の大幅な落ち込みを予
測する向きもあったが、1-5月期通期でも前年同期比+21.7%の73万トンと極めて
高い輸入量を確保しており、特に目立った影響は確認できない。こうした輸入
統計は、5月のタイ天然ゴム供給環境が著しく悪化していたとの見方を否定して
いる。やはり、市場外流通などの形で現物供給は行われており、中央ゴム市場
では価格先高感から売り渋りが行われていたと見るのが妥当だろう。
中国の在庫回復は遅れる
中国・上海期貨交易所の認証在庫は、前週比-975トンの1万8,020トン。急激な
在庫減少傾向は一服したものの、14週連続で前週の水準を下回っている。相場
が高騰した2005年の在庫水準とほぼ一致しており、厳しい在庫環境にあること
は変りがない。これから東南アジア地区からの輸出が膨らめば在庫はボトムを
確認する見通しだが、本格的な回復は年末まで待つ必要があるだろう。同国の
国内需要環境を考慮すれば、取引所認証在庫よりも工場内在庫の積み増しが優
先される見通しだ。
日本の在庫はほぼ横這い
日本ゴム輸入協会発表の全国営業生ゴム在庫(5月31日時点)は、前旬比247ト
ンの1万1,243トンとなった。入庫量が抑制されていることで在庫は緩やかな減
少トレンドにあるものの、年初からの1万0,00-3,000トンのレンジは維持されて
おり、特に大きな問題はない。中国の在庫環境と対照的な状況となっており、
それが国際相場に比較して東京市場を抑制している一因となっている。
ファンドは様子見スタンスを強める
内部要因に関しては、6月以降のファンドの買いが鈍化していることが注目され
る。ファンドの取組高は目立った変化を見せておらず、6月の相場上昇は主に大
衆玉によって実現している。しかも一部の店舗に偏った動きであり、相場の基
調は上向きとなっているものの、綱渡り状態の上昇相場であったことが確認で
きる。ファンドは約2週間に渡って様子見スタンスにあるが、ここから再び買い
増すのか、または手仕舞い売りに動くかが注目される。
投機色強い相場展開
東京ゴム相場は一時350円を突破するなど上値を試す展開となっているが、投機
色が否めない。一日で20円近い乱高下をみせるなど、ファンダメタルズを反映
した価格形成とは言えない。これまでの上昇要因の一つであった、タイ中央ゴ
ム市場の集荷低迷は解消されつつあるが、これも殆ど材料視されていない。た
だ、石油市場の動向のみが鍵を握る相場となっており、過去最高値388.90円(
1980年2月13日)も視界に入れざるを得ない。ファンダメンタルズからは強く売
りを推奨したいが、それには原油相場との連動性を否定することが必要である。
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■発行 大起産業株式会社
■レポート執筆 大起産業株式会社調査研究室 小菅 努
■ウェブサイト http://www.daikiweb.co.jp/
■マーケット情報 http://www.asumiru.com/
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大起産業株式会社 調査研究室 担当:小菅(コスゲ)
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