大起週刊レポート【工業品編】2008/05/26発行
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大┃起┃産┃業┃
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週┃刊┃マ┃ー┃ケ┃ッ┃ト┃レ┃ポ┃ー┃ト┃【工業品編】┃
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2008/05/26 Vol.084 ━━━━
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■金 -ドル安連動で900ドル台を回復する-
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ドル安で下値切り上げ傾向強まる
COMEX金先物相場は、920ドル水準まで値位置を切り上げる展開。米利下げ打ち
止め観測が強まる中、為替市場ではドル安傾向が強くなっており、金相場はド
ル安連動で下値を切り上げている。900ドルの節目を突破したことでテクニカル
面からも買い圧力が強くなっている模様。また、WTI原油相場が連日の過去最高
値更新となっていることで、インフレ懸念も金市場に対する投機マネーの流入
を促している。
米利下げ政策は打ち止めの可能性が高まる
米連邦準備制度理事会(FRB)は21日、4月29-30日開催の米連邦公開市場委員会
(FOMC)議事録要旨を公開した。同会合直後のマーケットでは声明文の評価が
分かれたが、議事録を見る限りはこの会合で利下げは打ち止めになった可能性
が高い。「今回の会議での利下げについて、大半のメンバーがぎりぎりの判断
だとみている」と指摘されており、0.25%の追加利下げも苦渋の判断だったこと
が窺える。従来は、インフレリスクよりも景気減速リスクの方が大きいとの判
断から、継続的な利下げが実施されてきた。しかし、「成長へのリスクは、イ
ンフレのリスクとかなり拮抗するようになったと考えられる」と既に利下げを
正当化できる状況にないとの認識が示されており、金利は横這いからやや上振
れリスクのある状況となっている。
金利上昇局面での金相場上昇の論理構成
こうして利下げ打ち止めの可能性が高まっているが、教科書的には金相場に対
してネガティブ要因となる。金利の底打ちがドル高を招き、それがドル建て金
相場を押し下げると考えられるためだ。実際、ゴールドマン・サックスなどは、
こうした理論構成で年後半の金相場下落を予測していた。しかし足元のマーケ
ットではドル安から金相場が上昇しており、違った理論構成が行われているこ
とが窺える。即ち、「利下げ打ち止め→株安→ドル安→金相場上昇」のフロー
である。利下げ打ち止めは、経済環境の好転というよりもインフレリスクの高
まりに対応したものであり、金融政策からの支援がなくなったマクロ経済環境
に下振れリスクが高まっている。このため、リスク投資縮小の動きが円買い戻
しを招き、ドル安からドル建て金相場を押し上げている。サプライズとなる利
下げを実施すればインフレリスクが暴走する可能性もあり、いずれにしても金
相場に対する資金流入経路は確保されている。スタグフレーションのリスクも
高まる中、当局は難しい政策判断を迫られることになり、こうしたリスク環境
が金相場の上昇を後押しする見通し。「利下げ打ち止め→ドル高→金相場下落」
のフローが否定されたことを高く評価したい。
「Gold Demand Trend」第1四半期版
金調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は20日、「Gold Demand T
rend First quarter 2008」を発表した。2008年第1四半期の総需要は前年同期
比-16%の701.3トンとなっている。平均価格が同+42.3%となっていることを考慮
すれば、健闘したと言えるだろう。四半期ベースでは5年ぶりの低水準となった
ものの、金額ベースでは同+20%と過去2番目の高水準を記録しており、投資家の
金市場に対する関心は極めて高い。項目別では、宝飾が同-21%の445.4トン、工
業が同-5%の110.3トン、投資が同-1%の145.6トンとなっている。
900ドルを支持線とできるか
COMEX金相場は920ドル水準まで値位置を切り上げているが、上昇基調は維持さ
れると考えている。900ドルの節目を下回ると再び850ドル水準まで調整が進む
可能性もあるが、基調はドル安連動の下値切り上げパターンにあるとみている。
今週は主要経済指標の発表が多数予定されているので、これらが景気見通しに
どのような修正を迫るかが注目されるが、ドル安トレンドを完全に否定するシ
ナリオを描くのは困難である。中長期スタンスから押し目を買い拾うスタンス
を継続したい。
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■白金 -ジョンソン・マッセイ社が強気見通しを再確認-
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底打ち感が強まる
NYMEX白金先物相場は、2,100ドル台後半まで値位置を切り上げる展開。英金属
精錬大手ジョンソン・マッセイ社が発表した需給報告で強気の価格見通しが示
されたこと、価格連動性のある金相場がドル安を背景に値位置を切り上げたこ
と、WTI原油相場が連日の過去最高値更新となっていること、などを手掛かりに
値位置を切り上げている。
JM社は高値2,500ドルを予測
ジョンソン・マッセイ社は19日、「Platinum 2008」を発表した。同レポートで
は2007年需給の総括が中心となっているが、今後の需給・価格見通しについて
も一定の言及が行われているため、マーケットの関心は極めて高くなっている。
まずは2008年の需給見通しであるが、「電力供給不足だけではなく、洪水や地
質、労働力問題などの悪条件によって南アフリカの供給は大きく落ち込んでお
り、今後も厳しい供給環境が続く」との見通しが示されている。1月に電力供給
不足から鉱山操業に深刻な被害が生じているが、南アフリカの生産環境はそれ
以外にも諸問題を抱えていることで、2008年の生産高は2007年の655.0万オンス
を上回ることはあっても、2006年の683.0万オンスを上回ることは難しいとされ
ている。一方の需要環境では、「自動車触媒需要の拡大傾向は続く」とした上
で、「上海取引所における加工業者の買い付けが旺盛なことで、宝飾需要が大
きく落ち込む可能性は低い」とされている。また、「上場投資信託(ETF)に対
する投資が2007年末から加速している」ことも、注目すべき点として指摘され
ている。この結果、今後6ヶ月の価格見通しは「1,775-2,500ドル」とかなり強
気になっている。
「Platinum 2008」は妥当な内容
「Platinum 2008」に関しては、概ねマーケットのコンセンサスを確認する内容
となっている。南アフリカの供給環境を確定するのが難しいことで、現段階で
需給ギャップを予測するのは困難であるが、需要超過状態を否定することは難
しいだろう。価格見通しに関しては、上限の2,500ドルの数値に特に違和感はな
い。金相場が1,000ドル台回復を目指す展開を想定しており、それと連動する形
で過去最高値(2,308.80ドル)更新からの一段高シナリオは実現することにな
るだろう。一方、下値目処の1,775ドルはやや保守的に過ぎる印象である。1,8
00ドル台前半での実需筋の物色意欲の強さを考慮すれば、金相場が800ドル台前
半を試すなどのサプライズがない限り、同水準を試す可能性は低いと考えてい
る。年後半の南アフリカの生産動向次第ながらも、需給タイト化を背景とした
上昇トレンドが基本シナリオである。
過去最高値更新を視野に入れた展開
NYMEX白金相場は2,100ドル台後半まで値位置を切り上げているが、今後も強気
スタンスで臨みたい。1,800-2,000ドル水準は需給面から下値が支えられており、
需給逼迫構造の再確認が下値切り上げパターンを後押しする見通し。本格的な
上昇には金相場の上昇基調確立が必要不可欠だが、過去最高値更新を視野に入
れた相場展開が続くと考えている。
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■原油 -製品相場主導で原油相場も上値追いの展開に-
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過去最高値の更新が続く
NYMEX原油先物相場は、前週に続いて過去最高値を更新し、135ドルの節目も突
破した。ドル安や株安を背景に投機マネーの流入が加速した結果である。また、
中間留分を中心とした製品需給に対して逼迫懸念が強くなっている影響もある
だろう。130ドル、135ドルと節目を突破したことで短期的な達成感も強いが、
目立った売り材料も見当たらないことで、大きく崩れるには至っていない。
利下げ打ち止め観測から株安・ドル安加速
米利下げ打ち止め観測が強まる中、金融市場では株安・ドル安傾向が強くなっ
ており、それが原油相場に対する投機マネーの流入を促している。景気下振れ
リスクが残るものの、インフレ懸念が強くなっていることで、金融当局は景気
後退とインフレのリスクバランスは均衡化しているとの見方を強めており、マ
ーケットは追加利下げが実施される可能性は低いとの見方に傾いている。即ち、
景気低迷を犠牲にしてでも、追加利下げは見送られる可能性が高くなっている。
このため、まずは株式市場で先行きに対して楽観的な見方が後退し、つれて投
資家のリスク許容度の低下の思惑からドル安傾向が強くなっている。こうした
状況の下で、投機マネーは原油と金市場を物色対象として高く評価しており、
投機的な高騰相場が実現している。
長期資金も原油市場に流入
原油市場に対する長期資金流入の動きがエスカレートしている。NYMEX原油市場
では2014年以降の限月にまとまった投機マネーが流入しており、先物カーブを
いびつな形にしている。5年以降先の限月に対する資金流入は、長期投資家が原
油高が一時的なものと考えていないことを示唆しており、期近限月の短期投機
筋に対しても買い安心感を与えている。
輸入量の落ち込みを受けて、原油在庫減少圧力が強まる
米エネルギー情報局(EIA)発表の米原油在庫は、前週比-530万バレルの3億2,
000万バレル。輸入量が前週比-70万バレルの日量920万バレルに留まったことで、
大幅な減少となった。製油所稼働率は前週比+1.3%の87.9%と上昇しているが、
輸入量が日量1,000万バレルを大きく下回る中では、この程度の在庫減少幅は容
認せざるを得ない。また、在庫保管コストの上昇によって、石油各社が手元在
庫の圧縮に動いているとの指摘もある。3億2,000万バレルを超える在庫水準は、
直ちに需給逼迫感を強める状況にはないが、3億バレル割れを試す動きが出てき
た際には注意が必要となるだろう。
中間留分需給が逼迫化
NYMEXヒーティングオイル相場が騰勢を強めている。世界的な中間留分(灯油、
軽油、ジェット燃料など)需給の逼迫化を受けて、ヒーティングオイル相場も
それに連れ高する展開となっている。アジア地区で移動用の軽油需要が拡大し
ていることに加え、中国の大地震で同国国内供給が大規模な被害を受けたこと
が、世界的な中間留分需給の逼迫化に直結している。これは一時的な動きでは
ないため、中長期に渡って原油相場をサポートすることが予測される。
OPECは依然として増産に消極的
消費国からは、原油生産国に対して増産圧力が強くなっているが、石油輸出国
機構(OPEC)は9月総会までは生産枠の変更を行わない見通し。サウジアラビア
が日量30万バレルの増産を行い、クウェートやエクアドルなどの一部加盟国か
らは増産決定を求める声が強くなっている。しかし、OPECのアルバドリ事務局
長は「現時点で原油市場に供給不足は生じていない」として、「増産を行って
も相場を引き下げることは難しい」との見方を示している。
調整リスクが高いが
NYMEX原油相場は130ドル台まで値位置を切り上げているが、調整リスクが高い
と考えている。投機マネー主導の上昇相場は長期化すると考えているが、5月に
入ってからの急騰地合には行き過ぎ感が否めない。110ドル水準での押し目買い
が理想的であるが、このまま調整を経ずに上昇を続ける買い遅れのリスクも存
在しており、リスクを負えるのであれば短期売買で玉の回転を利かせて、上値
を試したい。
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■ガソリン -ガソリン需要は低迷も、調達コストの転嫁が進む-
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WTI原油、業転相場が共に急伸
東京ガソリン先物相場は、91,000円台まで値位置を切り上げる展開。WTI原油が
過去最高値の更新を続ける中、業転相場も大きく値位置を切り上げており、先
物相場は90,000円の大台に到達した。需要が伸び悩んでいることで灯油との比
較では上値が重いが、採算コストの問題から値位置を切り上げざるを得ない状
況となっている。
需要低迷でも業転相場は高騰
京浜地区海上渡し業転価格は、前週比+4,000円の139,500円。WTI原油相場の高
騰が続く中、精製マージンの問題から業転相場も上値追いの展開を強いられて
いる。需給は寧ろ緩和傾向を強めており、それが灯油相場に対するパフォーマ
ンスの低さにつながっている。ただ、価格の引き上げができなければ、製油所
は何らかの需給調整に乗り出さざるを得ないため、業転相場の上昇傾向を食い
止めるのは難しい。
店頭価格170円台乗せも時間の問題
石油情報センター発表のガソリン展望価格は、19日時点で1リットル当たり160
.10円と、前週から横這いになっている。ガソリン暫定税率復活を巡る混乱が一
巡する一方、卸値引き上げの影響も店頭価格に反映されたことで、上げ一服と
なっている。ただ、6月卸値の大幅な引き上げは必至であり、10円程度の値上げ
を想定しておく必要がある。一部では170円台乗せの動きも強まる見通しであり、
需要を一段と冷却化させることが警戒される。
仮需で出荷は膨らむも、先行きは厳しい
石油連盟発表の週末在庫(5月11-17日)は、前週比-0.4%の252万1,987キロリッ
トルとなっている。推定出荷量が同+55.2%の101万0,982キロリットルと大きく
膨らんだ影響が大きい。ただ、これは値上げを見込んだ駆け込み需要によるも
のであり、単に将来の需要を先取りしているに過ぎない。WTI原油相場の高騰で
卸値の引き上げが必至の状態にあることで、特約店などができる限り在庫水準
を引き上げる動きを強めている。6月入りした際はその反動が在庫増加を促す見
通し。中間留分のクラックが拡大していることで、連算品としてのガソリン供
給も増えており、ガソリン需給環境の改善は難しい状況にある。末端需要は、
大幅な値上げによって落ち込みが続いている一方、減産も難しい状態にあり、
ガソリン需給が一段と緩和するのを阻止するシナリオは描けない。
原油相場次第の展開か
東京ガソリン相場は91,000円台まで値位置を切り上げているが、調整リスクが
高くなっている。WTI原油相場次第となるが、灯油と違って需給の裏付けがない
上昇相場となっているだけに、原油相場で調整圧力が強まれば、ガソリン相場
は急落し易い。ただ、卸値引き上げ傾向が続くことで、下値不安も大きくない
だろう。
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■灯油 -国際的な中間留分相場高の流れ-
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国際相場に対する割安感が強い
東京灯油先物相場は、107,000円台まで値位置を切り上げる展開。WTI原油相場
の高騰、それを受けての業転相場高、国際的な中間留分需給の逼迫化などを背
景に、急伸地合が続いている。季節外れの高騰相場だが、国際相場からは特に
割高感がない。
業転相場の急伸傾向が続く
京浜地区海上渡し業転価格は、前週比+5,500円の94,500円。中間留分は国際的
に高値で取引されており、国内相場もこれに追随する展開となっている。シン
ガポールの灯油相場は1バレル当たり172.54ドルで取引されており、輸入採算価
格は125,000円に達している。東京市場では先限が初の10万円台に乗せたが、必
ずしも投機的高値とは言えない。
在庫は前年同期比-18.6%
石油連盟発表の週末在庫(5月11-17日)は、前週比+2.8%の183万1,805キロリッ
トル。推定出荷量が同+10.9%の20万7,779キロリットルと大きく膨らんだが、ク
ラックの拡大で精製業者の増産意欲は強く、在庫積み増しが促されている。た
だ、この値位置であれば海外への輸出で十分に採算がとれる状態にあり、国内
需給が緩和しているとの印象はない。在庫は前年同期比で-18.6%に留まってい
る。
需給要因から下値不安は小さい
東京灯油相場は107,000円台まで値位置を切り上げているが、今後も底堅い展開
が想定される。原油相場の下落局面では調整圧力が強まり易いが、国際的な中
間留分相場の上昇傾向が強いことで、灯油相場に関しては下値不安が大きくな
い。輸出によって市中に出回る玉も減少しており、ガソリンとのサヤも一段と
拡大する可能性が高い。
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■ゴム -ファンドの動向に注目せざるを得ない相場環境-
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年初来高値を前に足踏み
東京ゴム先物相場は、340円水準まで値位置を切り上げる展開。ファンドの買い
が続いていることで底堅い展開が続いているが、年初来高値324.30円を前に利
益確定の売り圧力持つ強く、明確な方向性を打ち出せていない。産地の供給環
境には目立った変化が見られず、内部要因や他マーケットの動向が注目を集め
ている。
タイの供給低迷は売り渋りの影響か
タイ中央ゴム市場におけるUSS(未燻製シート)の集荷量は日量50トンを下回る
状態が続いており、5月下旬に至っても供給環境は一向に改善していない。ゴム
農園が集中する同国南部では適度な降雨が観測されており、ゴム相場の水準か
ら考えても農家のタッピング(樹液の採取)に対する意欲は際めて強いと考え
られる。しかし、一向に集荷量が改善しないことからは、生産そのものが行わ
れていないというよりも、農家が在庫の売り渋りを行っているとみるのが妥当
だろう。足元の需給がタイト化しているのは間違いないが、価格が下落傾向を
強めれば、自然に在庫放出の動きが強まるとみている。
中国の在庫にはタイト感が強い
上海期貨交易所の認証在庫は、前週比-1万0,060トンの2万5,200トンとなってい
る。これで3月14日から11週連続の減少であり、累計で6万9,095トンの在庫が喪
失されている。昨秋にモンスーンの影響で工場内在庫が先行して減少していた
が、年明けから海南島での洪水被害、白粉病の発生など国内供給環境も悪化し
たことで、取引所認証在庫の取り崩しがエスカレートした模様だ。
日本の国内在庫は横這いで推移
日本ゴム輸入協会発表の全国営業生ゴム在庫(5月10日時点)は、前旬比-134ト
ンの1万1,791トンとほぼ横這い状態が続いている。過去5年のレンジ下限に位置
しているものの、中国の在庫が急ピッチな減少トレンドにあるのと対照的な動
きになっている。中国の在庫環境が世界的な需給バランスを正確に反映してい
るのか疑問視される。
中国の1-4月期輸入量は前年同期比+26%
中国税関総署発表の1-4月期天然ゴム輸入量は、前年同期比+13%の14万トンとな
った。1-4月通期では同+26%の63万トンと際めて高いレベルになっている。タイ
中央ゴム市場の集荷量は4月中旬から大きく落ち込んでいるが、消費国の輸入環
境には目立った影響がないことが窺える。市場外流入がインドネシアなど他の
生産国からの輸入が、タイの減産分をカバーしている模様だ。
ファンドの買い方針は継続される
東京市場では、ファンドが買いポジションを積み増す動きを継続している。三
菱商事フューチャーズ証券を筆頭にファンド機関店は買い玉整理を進めること
なく、逆にポジションを拡大させている。ファンド機関店3社のネットロングは
既に2万枚を超えているが、利益確定の動きは限定されている。こうした状況が
続く限りは、東京市場が大きく崩れる可能性は低いだろう。大衆筋の追撃買い
が見られないことが上昇余地を限定させているが、現状ではどの段階でファン
ドが手仕舞い売りに動くかに注目せざるを得ない。
出来高減少下での上昇相場
取組高は増加傾向にある一方、出来高の減少傾向が強くなっている。ファンド
の買いが取組高を引き上げているものの、それ以外に目立った売買がみられな
いことが、出来高を低迷させている模様だ。この出来高水準では、踏み上げ相
場などに発展する可能性は低いだろう。逆に大量の買い玉を抱えたファンドの
ストップロスの動きに注意する必要があると考えている。
内部要因主導の相場展開が続く見通し
東京ゴム相場は340円水準まで値位置を切り上げる展開となっているが、現在の
値位置では売り妙味の方が大きいと考えている。ただ、調整が開始されるには
ファンドの手仕舞い売りが必要不可欠であり、今後も内部要因主導の不安定な
相場環境が続く見通し。原油安や円高などをきっかけに、ファンドが買い玉整
理の動きを進めるのが待たれる。
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■発行 大起産業株式会社
■レポート執筆 大起産業株式会社調査研究室 小菅 努
■ウェブサイト http://www.daikiweb.co.jp/
■マーケット情報 http://www.asumiru.com/
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■各種お問い合わせ先
大起産業株式会社 調査研究室 担当:小菅(コスゲ)
〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦2-2-13
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