大起週刊レポート【工業品編】2008/05/19発行
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大┃起┃産┃業┃
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週┃刊┃マ┃ー┃ケ┃ッ┃ト┃レ┃ポ┃ー┃ト┃【工業品編】┃
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2008/05/19 Vol.083 ━━━━
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■金 -先行き不透明感から方向性を欠く展開-
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上値の重い展開が続く
COMEX金先物相場は、800ドル台後半を中心に揉み合う展開。対ユーロでのドル
買い戻しの動きが一服したことや、WTI原油相場の高騰が下値を支えるが、投機
マネーは原油市場に集中しており、金相場は伸び悩んでいる。ボラティリティ
が高くなっているものの明確な方向性を打ち出せない展開が続いているが、引
き続きユーロ/ドル相場の動向に注目したい。
利下げ打ち止めと利上げとの距離
4月30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)と前後してマーケットでは利下げ打ち
止め論が勢いを増し、「利下げ一服→ドル安→金相場下落」のフローが強く意
識されていた。しかし実際には、ユーロ/ドル相場は1ユーロ=1.5500ドル水準で
下げ止っており、利下げ打ち止め観測がドル相場に及ぼす影響は限定されてい
る。その背景であるが、「利下げ打ち止め」と「利上げ」との間には依然とし
て大きな距離が存在していることに尽きよう。CBOTの金利先物市場では年末時
点で2.14%の金利水準を想定しており、0.25%乗り上げが行われる可能性を56%の
確率で織り込んでいる。6月25日と8月5日、9月16日のFOMCでは金利を据え置い
た上で、10月29日または12月16日FOMCでの利上げを想定するのがコンセンサス
となっている模様だ。
インフレ指標は強弱交錯
ただ、FOMC声明文では「持続的な経済成長と物価安定を促進するために必要と
あれば時宜を得た行動をとる意向だ」と次回会合にフリーハンドを残す形とな
っており、これから6月下旬にかけて発表される経済指標の内容が注目される。
まずはインフレ指標であるが、13日発表の4月輸入物価指数は前月比+1.6%と高
い伸び率をしめす一方、14日発表の4月消費者物価指数は同+0.2%の伸び率に留
まるなど、インフレ環境の評価は分かれており、材料としづらい。原油高など
でインフレ期待の高まりもあるが、現段階では直ちに利上げを促す程の状況に
はないだろう。
厳しい経済環境が続く
一方、マクロ経済環境に関してはネガティブな材料が目立つ。製造業セクター
を中心に景気減速を示す指標が増えており、住宅市場崩壊の影響が一般経済に
も波及していることが窺える。13日発表の4月小売売上高は前月比-0.2%と、自
動車を除くと総じて堅調な数値となったが、マーケットの思惑に反して実体経
済の悪化は加速している。経済指標が悪化する中で株式相場が底打ち傾向を強
める現状に関しては、強い警戒感を有さざるを得ない。根拠の無い楽観ムード
は、いずれかの時点で是正される必要があるだろう。
ETF残高は底打ちも伸び悩む
上場投資信託(ETF)市場からの資金流出の流れは一服したものの、新規資金流
入の動きは弱い。 「streetTRACKS GOLD SHARES」の信託財産は5月5日の580.4
5トンで一応のボトムを形成したものの、5月15日時点でも583.93トンに留まる
など、投機マネー回帰の動きは鈍い。金ETF市場は加工需要の落ち込み分を相殺
することが期待されているだけに、需給面からのネガティブ要因となっている。
支持線は850ドル
COMEX金相場は800ドル台後半で揉み合う展開となっているが、短期的には850-
900ドルを基本レンジとした展開が想定される。850ドル水準では実需の物色意
欲が旺盛であり、欧州中央銀行(ECB)が利上げに興味を示すなどのサプライズ
がない限りは、同水準でサポートされる可能性が高いと考えている。ただ、89
0-900ドル水準では利益確定の動きも強く、同水準突破から900ドル台を確立で
きるかが、目先の焦点となる。短期売買であれば900ドル水準での利食い売り推
奨であるが、できれば長期スタンスでロングポジションを構築していきたい。
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■白金 -金相場との連動高が続く-
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一時1,800ドル台まで軟化するものの
NYMEX白金先物相場は、一時1,800ドル台前半まで軟化していたが、足元では2,
000ドル水準を回復し、上値を窺う展開となっている。4月30日の米連邦公開市
場委員会(FOMC)を受けての追加利下げ観測から、ドル高・金相場下落となっ
た反射効で、3月下旬から続く1,800-2,100ドルのレンジ下限を窺う展開となっ
た、ただ、金相場の戻りと歩調を合わせる形で白金相場も地合を引き締め、再
び2,000ドル水準まで戻している。特に積極的に買いを入れる理由は見当たらな
いものの、1,800ドル台は割安と見ている向きが多い模様だ。
アングロプラッツの減産状況
白金生産最大手アングロ・プラチナが、1-3月期決算を発表した。同社の1-3月
期白金生産高は、前年同期比-24%の42万8,600オンスに留まっており、既に13万
6,800オンスの減産となっていることが確認できる。電力供給トラブルのほかに
Amandelbult鉱区では洪水によって航路の水没も報告されている。同社は、通常
の生産体制に復帰するのは2009年第2四半期になるとしており、早期の生産環境
改善に否定的な見解を示している。ただ、2008年通期の生産目標は240万オンス
と従来から据え置きとなっており、前年実績の247万4,000オンスと比較すると、
無理のある数値との印象が否めない。これから年末に向けて大規模な増産が実
現しない限りは、生産目標の達成は不可能に近いとみている。
インプラッツは増産達成も
白金生産三位のインパラ・プラチナは、1-3月期白金生産高は前年同期比+39%の
12万8,124オンスに達したとしている。これは3万5,622オンスの増産となる。た
だ、同社は昨年に精錬所トラブルから大規模な減産を強いられており、この数
値はその反動に過ぎないだろう。実際、2006年実績を上回るのは難しい状態が
続いている。また、電力供給不足の影響は第2四半期に反映させるとしており、
生産見通しは今後の下方修正含みであることにも注意が必要である。
エスコムの電力供給は早期正常化の可能性も
南アフリカの電力会社エスコムは、独立系電力供給業者に対して21億ワットの
電力供給を要請している。同社は石炭による発電所で90億ワットの追加供給体
制を目指しているが、それが実現するのは2011年となるため、当面の不足分で
ある21億ワットを小規模電力業者の協力によって埋めたいとしている。この計
画に関しては、エスコム社の提示価格次第であるが、実現可能性が高いと見る
向きが多い。早期の電力体制正常化に向けた動きと評価したい。
リースレートが再び上昇傾向に
白金リースレートが再び上昇傾向を強めている。リースレート(1ヶ月物)は、
4月11日に0.47パーセントまで低下していたが、足元では2%台を回復するなど、
足元の現物需給が逼迫化している可能性が示唆されている。1月下旬に8.28%を
記録したことを考慮すれば、抑制された水準との評価も可能であるが、一定の
注意を払っておきたい。
白金相場の上昇基調は変らず
NYMEX白金相場は2,000ドル台回復後も地合を引き締めているが、金相場同様に
強気スタンスで臨みたい。1,800-2,000ドル水準が下値目処と考えており、年末
に向けて需給逼迫状況が再確認されることで、下値切り上げパターンを維持す
ることになるだろう。ただ、本格的な上昇トレンド再開には、価格連動性のあ
る金相場の復権が必要不可欠である。また、今週はジョンソン・マッセイ社か
ら「Platinum 2008」の発表も控えているため、その内容にも注目したい。
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■原油 -投機マネー主導で過去最高値更新を続ける-
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過去最高値の更新が続く
NYMEX原油先物相場は、前週に続いて過去最高値を更新し、120ドル台中盤まで
値位置を切り上げている。特に目立った材料は見当たらないが、投機マネーの
流入が続いていることで、上値追いの展開となっている。世界的な中間留分需
給の逼迫化を反映してヒーティングオイル相場が高騰している影響も指摘可能
であるが、需給よりも投資環境主導の展開となっている。
IEAは需要見通しを下方修正
国際エネルギー機関(IEA)は5月月報において、2008年の世界石油需要見通し
を前月から40万バレル下方修正し、日量8,680万バレルとした。中国や中東など
の経済協力開発機構(OECD)加盟国の需要は前年比140万バレル増と力強い成長
が予測されているが、OECD加盟国の需要は3年連続の前年比マイナスとなり、世
界全体としては前年比100万バレル増に留まるとの見通しが示されている。IEA
は1月月報で世界石油需要見通しを8,780万バレルとしており、僅か4ヶ月で需要
見通しを日量100万バレル引き下げたことになる。これは年末に向けての世界在
庫見通しが、従来よりも3億6,500万バレル引き上げられることを意味しており、
その数量は全米原油在庫の水準をも上回っている。
精製環境悪化で原油在庫の積み増しが続く
米エネルギー情報局(EIA)発表の原油在庫は、前週比+20万バレルの3億2,580
万バレルとなっている。製油所稼働率は前週の85.0%から86.6%まで上昇し、輸
入量は同日量1,060万バレルから990万バレルまで減少したものの、大幅な在庫
積み増しには失敗している。年明け後から原油在庫は緩やかな増加トレンドに
あるが、精製環境の改善が促されない限りは、在庫増加トレンドを転換させる
のは難しいだろう。ここにきて製品相場が騰勢を強めているが、クラックスプ
レッドの拡大で製油所稼働率が引き上げられるかに注目したい。
ヒーティングオイル相場に上昇圧力強まる
ヒーティングオイル相場が騰勢を強めている。アジア地区を中心に中間留分の
需給がタイト化していることで、ヒーティングオイル相場も国際相場にサヤ寄
せする形となっている。シンガポール現物相場との比較では依然として割安感
があり、今後も原油相場の下値をサポートする効果が予測される。欧州地区で
も4月中間留分在庫が前月比-1.4%、前年同月比-7.2%に留まるなど、世界的に中
間留分需給はタイト化している。需要の拡大に見合った供給量を確保できない
ことが、需給逼迫構造を作り出している模様だ。
米議会はSPR搬出停止を決定
米議会は、戦略石油備蓄(SPR)への石油搬出を停止する法案を可決した。ブッ
シュ政権は、SPRが原油相場に与える影響は限定的とのスタンスから、SPRの積
み増しに積極的であるが、議会で圧倒的多数がこの法案に賛成したことで、SP
Rの増加傾向は一服する見通し。足元では日量7万バレル程度が市中からSPRにシ
フトしていると予測され、一定の需給緩和効果が期待できる。
中国の需要環境にリスク要因
中国税関総署発表の4月原油輸入量は、前年同月比で18ヶ月ぶりにマイナスに転
じた。在庫調整に伴う一時的な動きとの見方もあるが、四川省で大規模地震が
発生した経済的影響を懸念する向きが多いこともあり、同国の需要環境に対す
る警戒感が強くなっている。1-4月通期の輸入量は前年同期比+9.8%と決して低
い水準にはないが、中国経済のバブル崩壊リスクが警戒されているだけに、一
定の注意は必要だろう。
GSは下期の平均価格141ドルを予測
米証券大手ゴールドマン・サックスは、今年下期の価格見通しを従来の107ドル
から141ドルまで引き上げた。また、2009年の平均価格も148ドルと強気見通し
を示している。同社の原油相場に対する強気見通しは従来からのことであるが、
心理面から投機マネーの流入を一段と促す要因となっている。
投機色が否めない相場展開に
NYMEX原油相場は120ドル台中盤まで値位置を切り上げているが、調整リスクが
高いと考えている。原油市場を取り巻く環境を考慮すれば、夏場に150ドルをト
ライするシナリオにも違和感がないが、5月に入ってからの上昇相場には投機色
が否めない。ドライブシーズンに向けては110ドル水準での押し目買いが理想的
である。ただこのまま調整を経ずに上昇を続ける買い遅れのリスクも存在して
おり、リスクを負えるのであれば短期売買で玉の回転を利かせて、上値を試し
たい。
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■ガソリン -原油調達コストの転嫁が進む-
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WTI原油高と連動する展開
東京ガソリン先物相場は、86,000円台を中心に底堅い展開。WTI原油相場の高騰
が続く中、ガソリン相場も底堅い展開が続いている。国内需給は需要サイドか
ら緩んでいるが、業転相場の上昇トレンドは維持されており、上値追いの展開
となっている。需給を無視した価格上昇が続く中、上昇トレンドを維持し続け
ることができるかが注目される。
原油相場との比較では割安感がある
京浜地区海上渡業転価格は、前週比+1,500円の135,500円。WTI原油相場と比較
してガソリン相場は伸び悩んでいることで、需要低迷にも関わらず上昇圧力が
働き易い。原油とガソリンのクラックスプレッドは3月中旬まで1万4,000-6,00
0円水準を推移していたが、5月以降は1万円を完全に割り込んでおり、精製業者
の生産意欲を著しく低下させている。石油情報センター発表の店頭価格は1リッ
トル当たり160.1円まで上昇し、1987年の統計算出以来初めて160円台に乗せた。
ただ、依然として原油高のコスト転嫁は十分に進んでおらず、元売りが卸値価
格を引き上げることで、業転相場は一段と値位置を切り上げることが予測され
る。元売り大手の出光興産は、調達コストの上昇を理由に16日から5円の卸値引
き下げに踏み切っている。新日本石油や昭和シェル石油などは6月卸値での改定
予定だが、大幅な引き下げを回避することは難しいだろう。
価格高騰で末端需要は低迷
石油連盟発表の週末在庫(5月4-10日)は、前週比+16.9%の253万2,810キロリッ
トル。暫定税率復活と原油高のコスト転嫁で店頭価格が急騰していることで、
消費低迷が顕著になっている。推定出荷量は同-58.1%の65万1,346キロリットル
に留まっており、末端需要が回復するか生産調整を行わない限り、ガソリン在
庫の増加傾向を食い止めるのは難しいだろう。精製能力が不足している米国へ
ガソリン輸出を行う計画も浮上しているが、いずれにしても足元のガソリン相
場の水準で採算性を確保することは難しく、減産による需給調整が行われる可
能性も排除できない。
需給環境悪化も価格は上振れ
東京ガソリン相場は86,000円台での取引となっているが、今後も底堅い展開が
想定される。店頭価格上昇で需要は低迷しており、需給緩和傾向が強くなって
いる。ただ、ガソリン相場がこのまま伸び悩めば、生産抑制の動きが強まるこ
とが予測され、今後も原油調達コストの上昇分を転嫁する動きが続く見通し。
需給を無視した高値形成が続く可能性を否定できない。
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■灯油 -10万円突破も割高感はない-
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当限主導の上昇相場
東京灯油先物相場は、100,000円水準まで値位置を切り上げる展開。WTI原油相
場の高騰に加え、世界的な中間留分需給の逼迫化を受け、急騰地合が続いてい
る。季節外れの高騰となっているが、需給環境と乖離した動きとはなっておら
ず、当限主導の上昇相場となっている。
国際相場に対する割安感が強い
京浜地区海上渡し業転価格は、前週比+2,000円の88,000円。世界的に発電や輸
送用で軽油・灯油などの中間留分に対する需要が高まっており、国際相場の高
騰と歩調を合わせて値位置を切り上げている。シンガポール現物相場では115,
000-120,000円/キロリットル前後で取引が行われており、東京先物市場の価格
帯には依然として割安感がある。このため、元売りや商社の輸出意欲は旺盛で
あり、季節外れの需給逼迫状態が実現している。
在庫は5週間ぶりの増加
石油連盟発表の週末在庫(5月4-10日)は、前週比+6.2%の178万2,329キロリッ
トル。推定出荷量が同-41.5%の18万7,309キロリットルと大きく落ち込んだ反動
で、在庫は5週間ぶりに増加に転じている。ただ、輸出拡大で国内の浮遊玉は減
少しており、需給逼迫状態は当面の間続く見通し。海外相場は上昇傾向を強め
ており、国内業転相場も上値追いの展開が予測される。
10万円は通過点になる見通し
東京灯油相場は100,000円水準まで値位置を切り上げているが、今後も上昇基調
を継続するとみている。既に国内の需要期は終わっているが、海外相場に対す
る割安感が強く、現在の価格帯であればヒーゼル油に加工して輸出をおこなう
ことで、十分に採算が確保できる状況にある。WTI原油相場に対する調整圧力が
強まれば、期先限月を中心に売り圧力が強まることが予測されるが、当限を中
心に下落余地は限定的だろう。
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■ゴム -ファンド主導で上値追いの展開に-
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320円も突破
東京ゴム先物相場は、320円水準まで値位置を切り上げる展開。産地や中国のタ
イトな需給環境を背景にファンドの買いが先行し、上値追いの展開となってい
る。WTI原油相場の高騰で合成ゴム高から天然ゴム高の連想もあるが、それ以上
に内部要因の影響力が強くなっている模様だ。
タイRCMの集荷量は改善せず
タイ中央ゴム市場におけるUSS(未燻製シート)の集荷量は、相変わらず低迷し
ている。5月には行ってからも日量100トンを超える集荷量を得ることはできず、
4月中旬からの供給不足状態が続いている。現物相場もこうした需給環境を反映
して上昇しており、ハジャイのUSS相場は5月頭の85.69バーツ/kgから足元では
92.33バーツまで上昇している。これが実際の生産量が落ち込んでいるのか、生
産農家が手元在庫として売り渋りを行っているのかは議論のある所だが、いず
れにしても集荷量が改善するまでは、産地相場は下げづらい状況が続くことに
なる。
タイ南部で洪水被害が拡大
タイ南部では降水量が増えており、土壌水分の回復は着実に進行していると予
測される。ただ、スラタニなどでは豪雨が続いていることで、当局がスラタニ
県の3地区を被災エリアに指定するなど、逆に降水量が必要以上の水準になって
いる可能性もある。ただ、スラタニ地区の集荷量が特に大きく落ち込んでいな
いことからは、ゴム生産への影響は限定的とみられる。
中国国内需給は2005年並みに
中国の上海取引所期貨交易所が発表した認証在庫は、前週比-3,765トンの3万5
,260トンとなっている。10週連続の減少であり、在庫減少傾向に歯止めが掛か
らない状態となっている。これはタイの港湾トラブルで輸入が大きく落ち込ん
だ2005年と同様の在庫環境になっていることを意味する。同年は、タイの生産
期入り後も十分な輸入量を確保できなかったことで、生産期にもかかわらず需
給タイト化から上昇トレンドを形成している。2006年と2007年は乾季明け後に
下降トレンドを形成しているが、この時期の下降トレンドは必ずしも約束され
たものではないことを確認しておきたい。
地震発生の影響は不透明
中国四川省で大地震が発生したが、ゴム需給への影響は不透明感が強い。ゴム
生産や輸送に一定の障害が発生した模様だが、ゴム工場の閉鎖や景気減速で需
要への影響も懸念されており、現段階で相場に対してポジティブとなるかネガ
ティブとなるかの評価は難しい。実際、マーケットも地震発生に目立った反応
を示していない。
日本の国内在庫は横這いで推移
日本ゴム輸入協会発表の全国営業生ゴム在庫(4月30日時点)は、前旬比-375ト
ンの1万1,925トンとなった。ただ、年初からは1万0,000-3,000トン程度のレン
ジを推移しており、国内在庫環境には中国のような目立った変化は確認できな
い。中国では、昨年に輸入量を抑制した反動や洪水や白粉病の発生で国内生産
が落ち込んでいることが影響した模様。また、日本は市場外からの直接購入量
が多いことで、中央ゴム市場における集荷が落ち込んでいる影響を受けづらい
影響もあるだろう。
ファンド主導の上昇相場
東京市場では、ファンドの買い意欲が強い状態が続いている。三菱商事フュー
チャーズ、NWEG、CSJLのファンド機関店の合計手口を見ると、4月23日から15営
業日連続で買い越しており、その間の合計買い越し枚数は1万5,506枚に達して
いる。実需がこれに売り向かう形となっているが、ファンドの買い越し枚数の
方が大きく、価格を抑制するには至っていない。取組高からはファンドの買い
は行き過ぎと考えているが、ファンド主導の上昇相場となっているだけに、ど
の段階で手仕舞い売りに動くかに注目せざるを得ない。特に三菱商事フューチャ
ーズのネットロングは1万枚を大きく越えているだけに、同社のポジション動向
は大きな意味を持つだろう。
ファンドの動向に注目せざるを得ない
東京ゴム相場は320円水準まで値位置を切り上げており、10円刻みで上値を試す
ことになる。タイの集荷量低迷は売り渋りの影響が大きいと考えており、東京
市場の上げが一服すれば、在庫放出の動きが強まることで高値は是正されるこ
とになるだろう。ただ、ファンド次第の相場環境となっているため、ファンド
の買いスタンスが崩れない限りは、じり高の展開が続く見通し。円高や原油相
場反落局面でもファンドの買い方針が維持されるかが焦点となろう。現在の値
位置では売り方針に妙味を感じるが、ファンドの買いが崩れるきっかけが見当
たらない状況となっている。
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03-3664-6243
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■発行 大起産業株式会社
■レポート執筆 大起産業株式会社調査研究室 小菅 努
■ウェブサイト http://www.daikiweb.co.jp/
■マーケット情報 http://www.asumiru.com/
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■各種お問い合わせ先
大起産業株式会社 調査研究室 担当:小菅(コスゲ)
〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦2-2-13
(TEL)052-201-6311 (FAX)052-220-1593
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