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2009/12/12

一瞬の油断。

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前略 行雲より。
本日の熊谷は昨日とは打って変わって快晴のあったか日和。
こんな日は外に出て運動するに限る。
たまには公園で思いっきりサッカーボールなんぞを蹴ってみたいものだ。


さて、今回の写真はこれ。
http://toukiya.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2009/12/12/tutitubure.jpg
ものの見事につぶれてしまったぐい呑みのテストピースである。

先日、工房の近所に住んでいる方が畑の土を掘ったところ、粘土層の
ようなものがあったのでやきものに使えないかと尋ねてきた。

持ってきてもらった土を見たところ、何とか成型できそうな粘り具合がある。
これはもしや使えるかなと思いつつ、とりあえずテストしてみますと返事をし、
ぐい呑みのテストピースを作ってみた。

成型は全く問題なし。練りを充分にしたところ、ロクロでも挽けるほどの滑らかさも出てきた。
素焼きも問題なし。これは使えるかなと一瞬の油断が出た。

陶工にとって地元の土を使えるほどの喜びはない。
もし使えるのなら新しい熊谷焼の誕生である。
山の無い熊谷で土が取れるなんて・・・。

この油断がミスにつながる。

通常、全く初めての土を焼く場合は土つぶれを防ぐため、
道具土などで作った焼台の上に乗せて、テストピースがつぶれてもいいように焼くのだが、
今回は棚板の上に直接乗せて焼いてしまった。

結果はご覧の通り。
1250度の炎に耐え切れず原型が全くわからないほどのつぶれようである。
ある意味、釉薬に使えるほどの溶け具合だ。

焼台の上に乗せておけば、そのまま台ごと捨ててしまえばハイ終了なのだが、
棚板に直接置いた土はベタッと板にくっついてしまう。
ハンマーとたがねで叩きながら剥がしてみたが、あまりのぶ厚さにびくともしない。
しばらく棚板のこの部分は使えそうにない。残念。

さて、問題はこの土だが、1250度に耐えられないからといってやきものに
使えないかと言うとそんな事はない。
もしかしたら、1200度で見事な発色をするかもしれないし、
1180度の酸化焼成あたりで焼けばきれいに焼きあがるかもしれない。

土にはそれぞれの特徴があり、理想の温度帯というのはいろいろテストしてみないとわからないものだ。

市販の土に慣れてしまうと、やきものに使う土は1200度~1280度位で焼けるのが
普通だと思い込んでしまうが、ここら辺のところは常に柔軟な発想を持ちたい。

別に900度だっていいじゃん。
1100度で焼いて何が悪いと開き直っていいのである。

たた、問題は使う釉薬の溶ける温度帯である。
市販の釉薬はだいだい1200度以上の温度で溶けるように作られている。
この釉薬を掘ってきた土に掛けて1100度で焼成をストップしても釉薬は
溶けきらない。

この場合は釉薬にフリットを入れたり、楽焼用の早く溶ける釉薬を使うなりして
調節しなければならない。

土と釉薬の相性を良く考えて焼くのがベターだということだ。

さて、この土。いったい何度で焼けば一番いい発色なのか興味のある所だが、
今回は土を使い切ってしまったので、また時期をみてチャレンジしてみたい。

土を変えるのは、作陶のモチベーションを高める一番の方法だから。


ぽろろん。




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