アイデアよもやま話!  RSSを登録する

アイデア関連のさまざまな情報発信マガジンです。どうしたらアイデアが出やすくなるか・アイデアの第一線・アイデア募集案件のご紹介などなど…。

  • 発行周期 ほぼ日刊
  • 最新号 2009/11/30
  • 部数 130部
  • メルマガID 0000202012
  • 個別ページ
最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2009/11/30

No.1369 日本の農業の将来像 - 野菜工場!

アイデアよもやま話をご覧いただき、大変ありがとうございます。

10月24日(土)放送の経済ワイドビジョンe(NHKテレビ)で「広がる”野菜工場ビジネス”」の特集をしていましたのでご紹介します。

京都・亀岡市に株式会社スプレッドが2007年に建設した、およそ3000平米の日本最大級の野菜工場があります。
こちらには、野菜を育てる棚がずらりと並んでいます。
害虫や雑菌が入らない環境を作ることで農薬を一切使わずに栽培しています。
太陽の代わりになるのが蛍光灯です。
そして、白い反射板で回りを囲むことで満遍なく光が当たり、色むらのない野菜が出来ます。
また、ここでは一切土を使わない、水耕栽培を取り入れています。
栄養分が調整し易く、洗わずにそのまま出荷出来ます。
目には見えない工夫もあります。
光合成を促すために二酸化炭素の濃度を2倍にしているのです。
出荷までの期間は畑の野菜に比べて大幅に短縮、年に8回も収穫出来ます。
更に、コスト削減のために13mの高さに16段の棚を積み重ねています。
こうして、栽培効率を上げることでレタス1袋の価格を158円まで下げられました。
天候に左右されないため、価格は年間を通して変わりません。

この工場野菜、各地のスーパーから引き合いが増えています。
売り上げを伸ばしたきっかけは、この夏の野菜の高騰です。
畑の野菜より工場野菜の方が安くなったのです。
また、野菜の価格の落ち着いた今でも好調な売れ行きが続いています。
ちなみに、番組に出ていたレタスの袋には次のように表記されていました。
「農薬を一切使用していないので、洗わなくても食べられる安心野菜!」
消費者に定着してきた工場野菜、この工場の出荷量はなんと1年で20倍以上に増えました。

稲田信二社長は、番組の中で次のようにおっしゃっていました。
「まったく農業のやり方を根本から変えるものです。」
「一定の品質で一定の価格で、というのが工場野菜の強みです。」
「効率的な栽培方法のノウハウを蓄積して更なるコストダウンを目指して広げていきたい、と思っています。」

外食チェ-ン展開している大戸屋では、メニューに自前の工場野菜を取り入れています。
無農薬の野菜で付加価値のあるメニューを開発したい、と野菜の自社工場を建設したのです。

こうして出来た工場野菜には、外食チェ-ンにとっていろいろなメリットがあります。
・調理の手間や無駄な作業を省ける
 畑の野菜と違い土が付いていないのでさっと洗うだけでいい
・色むらや傷みがなく、ほとんど全てをお客に出せる
・工場生産の「からし水菜」は一般のものに比べて、葉が根元近くまで生え、茎が短くなっているので調理後もゴミがほとんど出ない
・食材の廃棄ロスが限りなく少ない

番組の中で、出演者の方々が実際に工場野菜を袋から出して洗わずにそのまま食べていました。
野菜の色が青々としてテレビで観ていてもとてもおいしそうに感じられました。

ちなみに、現在、野菜工場は全国に50ヶ所ほどあるそうです。
そして、現在扱われている野菜はレタスを中心にブッコラ、ナズナ、春菊などの葉もの野菜が主です。
でも、理屈では作れない野菜はないそうです。
1年ほど前に、独立行政法人の産業技術総合研究所がジャガイモの水耕栽培に成功しています。

当然のことながら、野菜工場をビジネスとして海外進出している動きがあります。
アラブ首長国連邦の首都、アブダビで今年1月に次世代エネルギー技術展示会がが開催されました。
そこで注目を集めたのは、日本の大手化学メーカー、三菱化学が開発した野菜工場の装置です。
野菜工場を丸ごと売り込むビジネスを新規事業の柱にしようとしています。
実は、野菜工場は砂漠での農業にうってつけなのです。
水が貴重な砂漠で、野菜工場では水を循環させて使うことが出来るので栽培に必要な水はごくわずかで済むのです。
また、太陽光に恵まれる砂漠なので、シート状の発電装置を使った太陽光発電で全ての電力を賄っています。
価格が安く、取り付ける屋根のかたちを選ばず、厳しい気候にも耐えられるのです。
更には、太陽光発電による限られた電力でも野菜を栽培出来るように、消費電力の少ないLEDや断熱材を使っています。
ちなみに、青と赤のLEDを組み合わせると光合成を促すみずみずしい野菜が育つそうです。
こうして考え出した野菜工場は、大きさを貨物のコンテナ程度に抑え、トラックや鉄道で運ぶことも可能です。
三菱化学では、こうした場所を選ばないメリットを生かして砂漠だけでなく寒冷地や都市部など野菜の栽培が難しい地域への売込みを考えています。

この番組を観ていて、工場野菜こそこれからの日本の農業の将来像ではないか、と思いました。
そして、これは農業革命ではないか、とも思いました。
なにしろ、従来のように土や農薬は不要で、太陽光発電などの再生可能な自然エネルギー発電でどこでも野菜が作れてしまうのですから。
また、工場野菜はこれから発展が予想される宇宙ステーションなど宇宙空間でもそのまま適用されるはずです。

消費者の立場からも、衛生的で洗わずにそのままおいしく食べれる、というのは省エネや洗う手間などの観点からもとてもありがたいと思います。
また、家庭菜園用としてコンパクトな商品を作ってくれると、手軽においしい野菜が食べられるようになります。

ただし、自然環境から全く隔離された環境での野菜作りには、ちょっぴり複雑な思いも残ります。
所詮、産業革命とは、自然から人工へのプロセスの大変化なのでしょうか。

バックナンバーやその他のアイデア関連情報はグーグルで検索キーワード「アイデアをかたちに」を指定して下さい。
結果の表示「アイデアをかたちに、そして世界中の人たちに心地よさを」をクリックいただくとご覧いただけます。


 ----------------------------------------------------------------------
  アイデアよもやま話!
  発行元:株式会社BMC
    発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
    配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000202012.html 
 ----------------------------------------------------------------------
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る