2009/10/28
週刊マガジン・ワンダーランド 第163号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.wonderlands.jp/ マガジン・ワンダーランド(小劇場レビューマガジン) 2009年 10月28日発行 第163号 毎週水曜日発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【目次】 ◇演劇集団 円「コネマラの骸骨」 前代未聞のボーン・ジャムセッションこそ、遅れてやってきた怒れる若者 マーティン・マクドナーの真骨頂だ! 佐々木 眞 ◇ KUNIO06『エンジェルス・イン・アメリカ-第1部 至福千年紀が近づ く』 小劇場に「世界」立ち上がらせた杉原演出 カトリヒデトシ ▽連載【レクチャー三昧】 第63回 異化効果 高橋楓 □web wonderland から===================== http://www.wonderlands.jp/ ◇唐組「盲導犬」 テント通いはとまらない 岡野宏文 ◇MU「神様はいない」「片想い撲滅倶楽部」 「ビジネス」と「演劇」貫く世界の肯定 高木 登 ◇平田オリザ・インタビュー ◇ワンダーランド支援会員を募集中! http://www.wonderlands.jp/info/members2009-1.html ===================================================================== ◇演劇集団 円「コネマラの骸骨」 前代未聞のボーン・ジャムセッションこそ、遅れてやってきた怒れる若者 マーティン・マクドナーの真骨頂だ! 佐々木 眞 ロンドン生まれの悪童、マーティン・マクドナーが両親の出身地であるアイ ルランドのリーナン地方を舞台にした悪漢演劇3部作シリーズの2作目がこれ です。題名の『コネマラの骸骨』のコネマラは、そのリーナン地方を含めた景 勝地の名前だそうですが、景勝地とは似ても似つかぬ「正体不明の謎の男の殺 しの疑惑」が今回のテーマなのでしょうか。 それにしても第1作の『ビューティークイーン・オブ・リーナン』、第3作 の『ロンサムウエスト』の真ん中に挟まれた本作も、若くて挑発的な作者の大 ボラ吹きと出たとこ勝負の悪ふざけぶりは相変わらずで、その不遜な行き方は 「顰蹙は買ってでも引き受けろ」とのたもうたどこかの国の出版社の社長を思 い出させます。 主人公ミック・ダウドは、その風体からして怪しい謎の中年男です。しかも ミックの職業は、教会の墓地の墓掘り人夫ときています。 リーナン地方は狭くて岩地が多いので埋葬場所が乏しく、しばらくは教会の 墓地に埋められていた遺体を何年か経つと掘り出して骸骨にして保存するほか ないのです。 舞台は最初はこの男とアイリッシュ・ウイスキー好きの近所のおばあさんと の静かな世間話から始まるのですが、彼女の孫の単細胞な悪童マーティン・ハ ンロンの突然の闖入によって、疾風怒涛のスラップスティック大騒動が始まり ます。ミックは7年半前に妻に死なれたのですが、それは事故に見せかけた殺 人ではないか、という地元の黒い噂をマーティンがほのめかしたからです。 やがて舞台は真夜中の不気味な教会墓地へと転換します。これはおそらくシ ェークスピアの『ハムレット』の墓掘りシーンのパロディなのでしょう。 神父の依頼を受けたミックと即席の助手のマーティンは墓穴の死骸を掘り出 して骸骨を回収しています。ここでミックは、マーティンの兄で警官をしてい るトーマスの立会いのもとで埋葬された妻の墓を掘ったのですが、なんと死体 はもぬけのからでした。 その犯人は誰か? 怒り狂ったミックは木槌をつかんで外に飛び出していき、 ここから事件は観客が誰一人予想もしなかった阿鼻叫喚の急展開を見せます。 「静かなる男」が、突然激情に駆られて「殺人鬼」に変身するのが人間ならば、 その同じ人間が「愛と友情」に目覚めて泣き笑いすることもあるのだ、と作者 は若いに似合わずもっともらしく悟りを開いているようでもあります。 いずれにしてもこのお芝居の最大の見せどころは、「骸骨の百叩き」であり ましょう。悪童の大先輩ミックと現役小悪童のマーティンが、墓地から掘り出 したコネマラ特産の骸骨を映画『2001年宇宙の旅』の猿人のように代わる 代わるパーカッションのように激しく木槌で叩くのです。 火花のように砕け散り観客席のかぶりつきめがけて劇場狭しと飛び交う骨、 骨、骨! とどのつまり私たちは、この前代未聞のボーン・ジャムセッションを見物に 来たのでした。 演じる方は楽しいでしょうが、白昼舞台の上で繰り広げられる悪夢のような 「骸骨叩き」を眼の前で見せつけられるけったくその悪さといったらありませ ん。吐き気が出るようなおぞましくも華々しいこの黒ミサ、神と人類と死者へ のこの禍々しい冒涜こそが、およそ半世紀も遅れてやってきた怒れる若者、マ ーティン・マクドナーの真骨頂なのでしょう。 ちんぴらマクドナーの挑発に乗った私は、思わず彼らの木槌を奪い取って狂 気の骸骨百叩きに参加したくなりました。 ♪たかが芝居というなかれ神をも恐れぬこのサバト見物するな即参加せよ 茫洋 【筆者略歴】 佐々木眞(ささき・まこと) 1944年京都府生まれ。早稲田大学文学部卒。ライター、文化服装学院非常勤 講師。 ・ワンダーランド寄稿一覧:http://www.wonderlands.jp/index.php?catid=3&subcatid=6 【上演記録】 演劇集団 円「コネマラの骸骨」 http://www.en21.co.jp/conemara.html 10月9日~21日 ステージ円 作 マーティン・マクドナー 訳 芦沢みどり 演出 森 新太郎 出演 山乃廣美 石住昭彦 吉見一豊 戎哲史(円演劇研究所) スタッフ 美術:奥村泰彦 照明:佐々木真喜子 音響:藤田赤目 衣裳:緒方規矩子 舞台監督:田中伸幸 演出助手:林紗由香 宣伝美術:坂本志保 イラストレーション:木村タカヒロ 制作:桃井よし子 宮本良太 料金 全席指定 一般4800円 学生3500円 ペアチケット8600円 後援:アイルランド大使館 平成21年度文化芸術振興費補助金(芸術創造活動特別推進事業) ===================================================================== ◇ KUNIO06『エンジェルス・イン・アメリカ-第1部 至福千年紀が近づ く』 小劇場に「世界」立ち上がらせた杉原演出 カトリヒデトシ 3時間50分、第3幕、ラスト。 寝台上で瀕死のプライアー(田中佑弥)が天上からの「何か」の訪れにおびえ る。ベッドも部屋も軋み始める。 教会を批判し、性の解放をうたうオルフのカルミナ・ブラーナ第24曲「アヴ ェ」、第25曲「おお、運命の女神よ」という荘重な音楽が大音量でながれる。 プライアー うわ! お願い、ああ、お願い! 何かが入ってくる、怖いよ、こんな のいやだよ、何かが近づいてくる、ぼく……うわあ! 照明が、冷たいブルーから、光に満ち満ちた黄金に変わり、緑そして、今度 は美しいロイヤルブルーに変わる。 プライアー すごい…… とってもスティーブン・スピルバーグ。 すると、両面舞台の上下の壁が屋台崩しで両側から倒れ込んでくる。大きな 開口部のおかげでプライアーのベッドだけが、残る。 すると、サイドにある階段の上の出入り口から、森田真和演じる天使が、ビ デオカメラを方に担ぎ現れる。下着一枚に貧相な胸板をさらし、翼を背負って の天使がカメラマンスタイルである。 カメラは反対サイドで呆然とベッドの上に取り残された、プライアーをとら える。その映像は舞台上に吊されたモニターに映る。 ズームアップされるプライアーの絶望と驚愕と歓喜に満ちた表情がアップに なる。 観客の視線は舞台上とモニターとを行き交う。おもむろにカメラをおろした 天使は幕切れのことばを宣言する。 天使 ご挨拶を、予言者よ。 偉大なる業が始まる。 使者は到着した 演出杉原邦生、彼の才能は、空間の把握力とそこで世界を開陳する圧倒的な パワーにある。そのことが見事に小劇場空間で披見できたのが今回のラストシ ーンの醍醐味であった。 「エンジェルス・イン・アメリカ-第1部 至福千年紀が近づく」は、京都在 住の杉原邦生、09年4本目の作品である。 杉原は、08年からはこまばアゴラ劇場のフェスティバルである〈サミット〉 ディレクターを務める。「木ノ下歌舞伎」での演出やプロデュース公演も行い、 11月には伊丹アイホールでのteuto「ソーグー」が控える。たいへんな売れ っ子である。 演出の際には自ら美術も担当する多才さである。 東京圏ではアゴラでの08年8月「木ノ下歌舞伎」舞踊公演のうちの「三番 叟」、本年4~5月の「キレなかった14才・りたーんず」の「14歳の国」が話題 を呼んだ。 本作品は、「京都芸術センター舞台芸術賞2009」 (http://www.tp-kac.com/KAC_TP_j_award.html#result) の参加作品で、佳作を受賞した。 さて、この「エンジェルス・イン・アメリカ」は、トニー・クシュナーの戯 曲で、2部構成、通しで上演すると、7時間を越える作品である。今回はその 第1部の上演である。 初演は89年。92年には二部「ペレストロイカ」と通しで上演された。戯曲は 93年に、アメリカで最高の戯曲賞を受けた。アメリカ国民がアメリカのことを 描いた作品に与えられるピュリツァー賞と、さらにはブロードウェイでの上演 が条件のトニー賞の両作である。また03年には、352分にも及ぶテレビ版が製 作され、アル・パチーノやメリル・ストリープらが主演し、こちらもエミー賞、 ゴールデングローブ賞を受けた(これらの記述はWikipediaを参照した)。 日本では95年銀座セゾン劇場で、04、07年に演劇集団「TPT」(シアタープ ロジェクト東京)によって上演された。演出は共に、ロバート・アラン・アッ カーマン(今年はパルコ劇場での「ストーン夫人のローマの春」がある)。T PTは04年「ナイン THE MUSICAL」と本作で紀伊國屋演劇賞団体 賞を、読売演劇大賞では優秀作品賞、優秀演出家賞を受けた。 長々とデータをまとめた。オリジナル戯曲は、「ロンドンのナショナル シアターが"20世紀の最も偉大な戯曲10本"のひとつにも選んだ」(チラシ) という作品である。 その「巨大さ」から推し量れるように、小劇場で取り組むような戯曲ではな い。 筆者は過去の日本版上演をいずれも見ていないが、戯曲のすばらしさは過去 の実績のとおり、圧倒的なものがある。 しかし、日本ではなかなか内容的に理解するのが難しい作品ではある。 1985年が舞台になっている。 1月に共和党ロナルド・レーガンが「レーガノミックス」 の成功から再選 をはたし、2期目をスタートした年。その年を舞台に、現代アメリカを概観す る時に直視する問題群が次々と提示されていく。 それはユダヤ教とユダヤ民族についてであり。モルモン教(末日聖徒イエス ・キリスト教会)で代表されているが、プロテスタントの問題としてのキリス ト教新宗教についてである。 そして81年にアメリカ国内で正式に認定されたエイズ(後天性免疫不全症候 群)について描かれる。公民権運動の延長上に70年代からのレズビアン・ゲイ 解放運動が起こった。同性愛者は文字通り「賑やかな」存在になりつつあった が、80年代から、反動が起こってくる。その契機となったのは、やはり「エ イズ」であったことは否めない。 また政治面では、「赤狩り」で名を馳せ、共和党大統領下での「黒幕」とし て暗躍したロイ・マーカス・コーンを通して政界・法曹界の裏側が描かれる。 実に多様な「強いアメリカ」が抱える問題が次々と描かれていく。 メインになるのは2組のカップルである、裁判所で働くジョーゼフ(ジョ ー)・ピット、ハーパー・ピットのモルモン教徒のピット夫妻。同棲して4年 半になるプライアー・ウォルターとルイス・アイアンソンの同性愛者カップル。 ジョーゼフを引き立てようとする黒幕ロイ・コーンは彼を司法省に送り込み、 自らが過去の不行跡により査問にかけられるのを防ごうとしている。 プライアーとロイはそれぞれ長年の同性愛により重いエイズを発症してい る。96年の「発病させない」という治療法確立以前のHIVのため、劇中にも 「ペスト」と比されるように、まだ一般的には「死病」という認識の時代の話 である。 ピット夫妻は、ハーパーがDV家庭出身であることと、隠しとおしてきたジ ョーの同性愛傾向により、夫婦関係がうまくいっていない。ハーパーは重い精 神的病を起こし、夫の「出世」を喜べない状況にある。更に二人ともモルモン 教徒として、厳格な規律に背反しているという認識から、ハーパーは薬物中毒 に陥り、ジョーも心因的な胃病をおこしてもいる。 ルイスはユダヤ系のインテリで、自分の同性愛的傾向から共和党的な「正し さ」に対して敵意すら抱いているが、パートナーのエイズ発症の恐怖から、瀕 死のプライアーを見捨て、自暴自棄になっていく。 ロイは自らの「強者」としての権力への固執から、自らが同性愛者であるこ とも、エイズであることも認めぬ強弁を貫く。 そこにユダヤ教のラビが現世代ユダヤ人への嘆きを吐露し、宗教観に基づく ジョーの母の厳格さがジョーの家庭的不幸を示唆し、名門ウォルター家の先祖 がもたらす歴史観に基づき人の生のはかなさを述べ、と要素が複雑に絡み合っ ていく。 そしてラストには、冒頭に紹介したように「至福千年紀」を告げる天使が現 れる。 混迷の坩堝となった世界、混沌と一切の希望が失われた結末はまさに絶望の 極みで集結される。(ただ、その後のあらすじをみると、天使が告知したよう に、第2部ではある一つの和解や赦し、「平穏」といったものにたどりつくよ うであるが) それを杉原演出は実にスタイリッシュにまとめ上げた。 会場に入ると両面舞台の舞台上は、ぼろぼろに色褪せた星条旗で覆われてい る。杉原お得意のモニターには風にはためく星条旗が映っている。 同じ旗が小さい画面の中では雄々しくはためいているが、巨大な方は汚れて 地面にうち捨てられている。この対比による暗喩が世紀末アメリカの一つの象 徴になりえている。モニターが変わると、ロイの躍進、出世の元となったマッ カーシズムの紹介と「赤狩り」のメルクマールであるエセル・ローゼンバーグ 事件の概要が流れる。 開演とともに役者とスタッフにより、舞台上の星条旗がはがされる。そこに 現れるのは畳まれた装置。それが仏壇開きのように両サイドに立ち上がると、 そこにピンクの部屋が現れ、その壁にはドア2つとその間に大きめの両開きの 戸がある。役者たちは数多い場面転換のたびにスタッフとともに机椅子、ベッ ド、ベンチなどの装置を手際よく戸から運びこみ、持ち出す。実に小劇場であ る。 また、2部最後に吊られていた星条旗の綱が切り落とされたり、ハーパーの 妄想・幻覚の中に登場し、彼女を逃避する場所に誘い、導く旅行業者のミスタ ー・ライズ(嘘)が舞台中央に切られた「スッポン」のような穴から出入りし たりする、演出上の工夫もある。 図体の大きい装置を組み立てたり、すばやく舞台転換を施したり、吊りもの を落としたり、最後に屋台崩ししたり、小劇場のハンデを感じさせずに、大振 りに舞台を動かしていく。その手練は鮮やかである。 これらの演出によって、重厚かつ長大な戯曲世界がテンポ良くすすんでいく。 この極めてアメリカ的な「大」舞台が、見事に小劇場に落とし込まれているの だ。 今回の会場はもと明倫小学校講堂であった、京都芸術センター・フリースペ ースであるが、小劇場空間、装置の制約から「はしょ(省略)」ったり、「ご まかし(韜晦)」したりせず、戯曲が要求する世界の広がり、その伸びやかさ を闊達に構築している。 杉原の空間構築は、三次元的に解析し、幅、奥行き、高さという要素に還元 して、効率を考え、演劇的効果を導きだすという分析的な思考方法をしない。 彼はその空間に積み込める空気量を把握しているのだと思う。 空間を容積・容量として把握し、それを立体として捕らえた上で、「劇場空 間」を「建築」していく明確な意志を持っている。だから舞台美術も自らイメ ージできるし、魅力的な演出も可能になる。あのようなラストのスペクタクル が実現できるのはそういう杉原の能力によるのだ。 また、戯曲世界の立ち上げのためセリフを分析的にとらえることにこだわり、 説明が十分かどうかに注意をはらえば、舞台は冗長になることが避けられない。 杉原は、セリフの可能性を信じ、それ自身に十分な「力」を込めていく。それ により舞台が冗漫な空間にならず、クリアに見通せるものになっていく。 腕力まかせでなくそんなことが可能なのは、彼が一人一人の役者が役をどう 理解しているかとか、それをどういう表現で立ちあがらせているかということ に、細かくこだわっていないところにあるように思う。 物語を理解する際には、人間や社会がどう変化していくかという過程にこだ わりがちである。そのため、「解決・和解」や「成長」といった変化量を測定す るという微分的な解析に陥りやすくなる。 一人一人の心の軌跡も重要であるが、物語には、ストーリーの結果として現 れる、ダイナミズムというものがある。そのダイナミズムによってのみ、個の 人生を越えて、集団の「意識」や「関係性」が変質していく、変化する世界の 「総体」を提示できると思う。 だから彼は、個々の役者の表現力の問題に還元してしまうような、その瞬間 の感情表現へのこだわりや、ストーリーを支える知識の説明には、力も、時間 も割かない。 彼が集中するのは、一つ一つの場面を「力の集積」としてとらえることであ る。「個」とその運動のベクトルが、幾つもぶつかりあることによって生じる 「場の力」である。 セリフのことばだけでも、セリフを十二分に働かせられれば、その瞬間の役 の感情の爆発や、過去の総体としての役の人生も表せるはずである。杉原はセ リフの中にある、一人一人のベクトルを把握するのが巧みで、更に場に生じる 場の力を次々と途切れなく複合的、連続的に掛け合わせ、たたみ込んでいくこ とをする。 それにより、舞台上に世界のダイナミズムが大きく立ちあがってくるのだ。 その時には、アメリカ史が、とか、宗教が、とか、そういう知識は一切不要 になる。そこに立ち現れたまさに「演劇的世界」としかいいようのないものが、 観客を圧倒する。観客は、「世界」が力強く現れる現場に居合わせることがで きるのだ。 これこそが演劇のもたらす大いなる幸福なのだと思う。 【筆者略歴】 カトリヒデトシ(香取英敏) 1960年、神奈川県川崎市生まれ。大学卒業後、公立高校勤務の後、家業を継 ぐため独立。現在は、企画制作(株)エムマッティーナを設立し、代表取締役。 ウェブログ「地下鉄道に乗って-エムマッティーナ雑録」を主宰。 http://plaza.rakuten.co.jp/ksh21c/ ワンダーランド寄稿一覧: http://www.wonderlands.jp/index.php?catid=3&subcatid=63 【上演記録】 KUNIO06『エンジェルス・イン・アメリカ-第1部 至福千年紀が近づく』 http://www.kunio.vis.ne.jp/KUNIO06.html 作=トニー・クシュナー 翻訳=吉田美枝 演出・美術=杉原邦生 出演=田中遊 澤村喜一郎(ニットキャップシアター) 坂原わかこ 田中佑 弥 松田卓三(尼崎ロマンポルノ) 池浦さだ夢(男肉 du Soleil) 藤代敬 弘 森田真和(尼崎ロマンポルノ) 舞台監督=清水忠史 照明=魚森理恵 音響=齋藤学 映像=竹崎博人 衣裳=清川敦子 衣裳助手=友野美奈子 小道具=アナコンダちゃん 美術部=泉沙央里 坂田奈美子 演出素助手=三ツ井秋 制作=土屋和歌子 協力=尼崎ロマンポルノ 男肉 du Soleil 京都造形芸術大学 シバイエン ジン ニットキャップシアター 京都芸術センター制作支援事業 ○共催=京都芸術センター ◎主催=KUNIO 2009年9月19日(土)13:00・18:00 / 20日(日)15:00 *上演時間は休憩を含め約3時間30分を予定 会場 京都芸術センター フリースペース(HP) 全席自由・日時指定 一般前売=2,700円 学生&ユース(25歳以下)前売=2,200円 *当日券は300円増 =================================================================== 連載【レクチャー三昧】第63回 異化効果 -------------------------------------------------------------------- 数年前初めて「異化効果」なる言葉を教わった時、すべての舞台をこれで片 付けるのが仲間うちで流行りました。 「あの芝居、アイドル上がりの娘が一人でレベル下げてた」 「『異化効果』じゃない?」 「なんであそこであんな映像入れるかなぁ。がっくりきたよ」 「『異化効果』なんじゃない?」 「台詞回しはそこそこなんだけどさあ、いきなり下手っぴな歌と踊りが入って きて引いたのなんのって」 「『異化効果』だったんじゃない?」 ・・・批評が殆ど成立しなくなる、オソロシク便利な用語でした。 (高橋楓) *無料でも予約が必要なことがございます。必ずウェブサイトでご確認下さい。 *各情報の真偽・変更・取消・思想信条背景等につき一切の責任を負いません。 各自ご確認の上お越しください。 *【レクチャー三昧】カレンダー版(ウェブサイト)もご活用下さい。 ただし、当「マガジン・ワンダーランド」でお知らせした催しが全て転載され ているわけではありません。 http://www.wonderlands.jp/info/lectures.html ▽映画におけるジャポニズムとオリエンタリズム 2009年11月 9日(月) 10:00~17:00、11月10日(火) 10:00~17:30 早稲田大学小野記念講堂 無料、予約不要、定員206名 講演と映画上映 http://www.enpaku.jp/event/host/event20091109_10.html ▽演劇・政治・ユーモア・・・ -ドイツのパフォーマンス集団〈リミニ・プロトコル〉の最新の動向- 2009年11月10日(火) 16:30~18:30 早稲田大学早稲田キャンパス26号館(大隈タワー)地下多目的講義室 日本語 無料、予約不要 講師はベアーデ・ヴォンデ氏(ベルリン・フンボルト大学日本学科付属 森鴎外記念館副館長) http://www.enpaku.jp/event/host/event20091110.html ▽21世紀におけるベケットのテレビ作品 2009年11月14日(土) 17:00~18:30 早稲田大学早稲田キャンパス14号館5階515教室 英語 無料、予約不要 講師はリンダ・ベン-ツヴィ氏(テルアビブ大学、コロラド州立大学名名誉教 授) http://www.enpaku.jp/event/host/event20091114.html ▽シェイクスピア劇のオリジナル・スティジングの研究について 2009年11月14日(土) 15:00~17:00 早稲田大学早稲田キャンパス26号館(大隈記念タワー)3階302会議室 無料、予約不要 講師は市川真理子氏(東北大学大学院国際文化研究科教授) http://www.enpaku.jp/event/host/event20091114_2.html ▽『嗚呼 満蒙開拓団』上映と講演会 2009年10月31日(土)14:00~17:10 神奈川大学横浜キャンパス10号館41教室 無料 講師は羽田澄子氏(『嗚呼 満蒙開拓団』監督) http://www.kanagawa-u.ac.jp/06/kouenkai/ ▽ドイツの政治風刺漫画家 - ハイコ・サクライ来日トーク 2009年10月29日 18:00~ ドイツ文化センター(東京)図書館 無料、要申込 http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ver/ja5112744v.htm ▽私の翻訳論 2009年10月29日(木)16:30 ~ 18:30 早稲田大学戸山キャンパス31-208教室 無料、予約不要 講師は 池内紀氏(ドイツ文学者) http://waseda-events.jp/ ▽ギターコンサート:マルコス・ソシアス 2009年10月29日(木)19:00~ セルバンテス文化センター東京 無料、要申込 http://www.tokio.cervantes.es/jp/default.shtm ▽中国における詩人の運命 2009年10月30日(金)14:45 ~ 16:15 早稲田大学戸山キャンパス32号館229教室 無料、予約不要 講師は呉承学氏(中山大学中文系教授) http://waseda-events.jp/ ▽中国文学の現状と未来-わたしの創作から- 2009年10月30日(金)16:45 ~ 19:45 早稲田大学戸山キャンパス39号館第5会議室 講師は 曹乃謙、温亜軍、朱文穎、郭建華 (作家)の諸氏 http://waseda-events.jp/ ▽そなえを問う 「まつりのそなえ―御食たてまつるもの―」関連講座 國學院大學 無料、要申込(各回可)、先着順30名 ▽▽第1回「古い神饌を考えること」 2009年11月7日(土)14時~15時30分 國學院大學学術メディアセンター棟地下1階伝統文化リサーチセンター研究 本部(予定) ▽▽第2回「考古学からそなえを問う」 2009年11月21日(土)14時~15時30分 学術メディアセンター棟5階会議室06 ▽▽第3回「近代の特殊神事と神饌」 2009年12月12日(土)14時~15時30分 学術メディアセンター棟5階会議室06 http://www.kokugakuin.ac.jp/oard/ken07_00110.html ▽文化間で書く―多和田葉子、エミネ・セヴギ・エツダマを招いて 2009年11月5日(木)17:00~18:30 立教大学(池袋キャンパス)太刀川記念館3階多目的ホール ドイツ語・日本語、通訳有 無料、予約不要 http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ver/ja5128675v.htm http://www.rikkyo.ac.jp/events/2009/11/6000/ ▽文化講座スペイン音楽紀行 2009年11月4日(水)19:00~ セルバンテス文化センター東京 無料、要申込 旅のDVD上映、プロの演奏家によるライブ演奏 講師は山崎崇氏 http://www.tokio.cervantes.es/jp/default.shtm ▽日本ユダヤ学会 第6回学術大会 2009年10月31日(土)13時~18時 早稲田大学戸山キャンパス第二研究棟6階第7会議室 「『魔術師(chartm)』とは何者か」等 http://www.waseda.jp/bun/activities/lecture/index.html ▽日本のなかの《イタリア》-文化表象にみるイメージの社会構築をめぐって 2009年11月6日(金)10:00~17:30 早稲田大学戸山キャンパス 36号館382AV教室 日本語・イタリア語、同時通訳付 無料、予約不要 「まじめな「チョイ不良(ワル)」・日本男性の憧憬」等多角的な考察 http://www.kikou.waseda.ac.jp/nichioh/uploadfile/oshirase/00037/JPN/web0911WasedaA4_20091016145258_7h6gsoipc980diifupr33e4493.pdf http://www.kikou.waseda.ac.jp/nichioh/uploadfile/oshirase/00037/JPN/web0911WasedaA4ura_20091016145747_7h6gsoipc980diifupr33e4493.pdf ▽「ルネサンス世界―その意義と我々」 「古代ローマと中世ヨーロッパ-学際的な共同研究に向けて」 2009年11月7日(土) 14時~17時 早稲田大学戸山キャンパス39号館6階第7会議室 無料、予約不要 http://www.waseda.jp/bun/activities/lecture/index.html ▽一人ひとりが応える社会-対話が生みだす行動 2009年11月6日(金)13:00 ~16:30 国際文化会館岩崎小彌太記念ホール 日本語・英語、同時通訳付 無料、要申込 http://www.jpf.go.jp/j/intel/exchange/organize/alfp/sympo09.html ▽遺蹟と社会地図から読み解く〈渋谷〉 2009年11月7日(土)(土)14:00~17:00 國學院大學渋谷キャンパス学術メディアセンター(AMC)5階会議室06 http://www.kokugakuin.ac.jp/info/kouho0300068.html ▽「辻の民俗再考」「指を折る―指の伝承―」 2009年11月7日(土)13:30~16:30 國學院大學120周年記念1号館1階1105教室 来聴歓迎 http://www.kokugakuin.ac.jp/letters/bun05_00056.html ▽イスラームとは何か――人類の共存に向けて―― 2009年11月10日(火)14:30 ~ 16:00 桜美林大学町田キャンパス太平館A303教室 フランス語、通訳付 無料、予約不要 講師は シャイフ・ハーレド・ベントゥーネス氏(「イスラームの友」協会 会長、仏ムスリム・スカウト創設者) http://www.obirin.ac.jp/pdf/headline/headline0855.pdf ▽パウル・クレー──絵画の死生学、いや、天使論? 2009年11月14日(土) 14:30-16:30 明治学院大学白金校舎2302教室(2号館3階) 無料 講師は 前田富士男氏(西洋近代美術史・芸術学) http://www.meijigakuin.ac.jp/event/archive/2009-10-20.html ▽亡霊と虚栄:クリスチャン・リゾーの複数に分かれた自画像 プリュスクパルフェ(Plus que parafait):ヴィデオ・アートの夕べ 2009年11月14日 (土) 17時30分 - 19時00分 ヨコハマ・クリエイティブシティ・センター 一般800円 講師はスティーヴン・サラザン氏 http://www.institut.jp/ja/evenements/9255 ▽現代のラテンアメリカ」(ペルー) 2009年11月14日(土)16:30~19: 30 立教大学池袋キャンパス8号館2階8202教室 無料、予約不要 http://www.rikkyo.ac.jp/events/2009/11/5846/ ▽アートの起源 2009年11月14日(土)14:00~16:00 立教大学池袋キャンパス5号館5121教室 無料、予約不要 講師は杉本博司氏(写真家) http://www.rikkyo.ac.jp/events/2009/11/6046/ ▽1939/2009―アメリカ研究の軌跡と展望 2009年11月14日(土)13:00~16:30 立教大学池袋キャンパス14号館D301教室 無料、申込不要 http://www.rikkyo.ac.jp/events/2009/11/5903/ ▽東アジアにおける市民の刑事司法参加 2009年11月7日(土) - 8日(日)9:00~17:00 一橋大学 国立東キャンパス マーキュリータワー7階 日本語への通訳付 無料、要申込 http://www.law.hit-u.ac.jp/home/tabid/252/Default.aspx ▽高齢者の政治参加 2009年11月7日(土)14:00~16:00 立教大学池袋キャンパス14号館D501教室 無料、予約不要 講師は 樋口恵子氏(評論家、東京家政大学名誉教授) http://www.rikkyo.ac.jp/events/2009/11/5966/ ▽日本を変えよう―若者が未来を創る― 2009年11月14日(土)14:00~16:00 立教大学タッカーホール(池袋キャンパス) 無料、要申込、定員1000名(応募者多数の場合抽選)申込締切10月31日(土) 講師は 勝間 和代氏(経済評論家、公認会計士) http://www.rikkyo.ac.jp/feature/sympo/2009/ ====================================================================== 【編集日誌】 ☆ 今週は期せずして英語からの翻訳劇二本となりました。演劇集団 円の 「コネマラの骸骨」を佐々木眞さんに、KUNIO06『エンジェルス・イン・ア メリカ-第1部 至福千年紀が近づく』をカトリヒデトシさんに評していただ きました。「コマネラ」は私も見ましたが、粗削りで強烈な作家性に強い印象 を受けました。こまっしゃくれたコンセプト勝負の芝居ばかり作っているどこ かの作演連中はあの木槌で頭蓋骨を粉砕してもらったらどうでしょうか。 ☆156~158号でお送りした平田オリザ氏のインタビューをweb wonderland に掲載しました。(http://www.wonderlands.jp/interview/010/index.html) 内閣参与として鳩山首相の所信表明演説にもアドバイスした平田氏。期せずし て、国家的キーマンの直近の肉声を伝える特ダネインタビューになりました。 ☆先日、東京芸術劇場で五反田団の「生きているものはいないのか」を見まし た。アフタートークに野田秀樹氏が登場。五反田団の前田司郎氏との対話が面 白かった。野田氏が「今日は前半が不満」「『死』を演じる時に別の演じ方を している役者がいる。統一した方が」(手元のメモより大意。以下同)とずば ずば論評すれば、前田氏は「以前から野田さんに聞きたかった」として、「だ んだん認められて、すごく詰まらないものであっても褒められるようになった ときにどうしたらよいのか」と、聞きようによっては凄まじい言葉で切り返す。 しかし野田氏少しも動じず、「年取って作品が面白くないというのは、ある目 線から見れば当たり前。今の自分は、若いときの作品が詰まらないと思う」と 答えました。聞くも聞いたり、答えるも答えたり。類まれな自信家どうしだか らこそ成り立つ、実に貴重な対話でした。 (水牛健太郎) ====================================================================== 発行 ワンダーランド 〒202-0002 東京都西東京市ひばりが丘北4-1-9 Tel& Fax: 042-422-5219 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