2009/09/25
アルテミス女装子マガジン ★第146号★
アルテミス女装子マガジンをご覧下さりありがとうございます。メールマガジンで はアルテミスの最新情報や、女装関係の文章、女装に関する様々な情報などをお届 け致します。 -------------------------------◇ TOPICS ◇------------------------------ ・ショップ : 新・再入荷のご案内 ・女装小説 : L’oiseau bleu 第十六回『遠く輝く夜空の星に』連載16-3 ------------------------------------------------------------------------- ∴∵∴∵∴∵∴∵∴∴∵∴∵∴◆ ショップ ◆∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵ ★9月26~9月30日までに入荷商品♪ ●新入荷商品 商品名:デュアルアイカラー 価格:819円 つけたての色が長持ちする2色セットのアイカラーです。 目元のくすみを綺麗に隠します。 きらめきパールが入っているので光沢があり、立体的でセクシーな目元を演出しま す。 ピンク・ブルー・ベージュ・パープルの4色をご用意しました。 ●新入荷商品 商品名:定番☆グレースカート 価格:2887円 大変シンプルなグレーのスカートです。 ウエスト部分2箇所にゴム使用なので、ウエスト周りに負担をかけにくいデザイン。 もっともポピュラーな定番デザインなので、フォーマル使用でも普段使いでも楽し めます。 1着あると何かと便利です。 ●新入荷商品 商品名:シフォンレーススカート 価格:3857円 さらさら&ふんわりとした優しい肌触りのシフォンスカートです。 全体的にシンプルなデザインですが、裾部分に同色のレースが組み合わされ、足元 を華やかに演出します。 歩くたびに足元を掠める布の軽やかさを楽しめる女性らしい定番のスカートです。 上品なスカートですから、フォーマル使用としても活躍します。 裏地付き、同生地のウエストリボンも付いています。 ●新入荷商品 商品名:ロングコットンシャツ 価格:3095円 着丈が長くゆったりとした胸周りのコットンシャツです。 フロント部分に同色の刺繍レースが縦に施され女らしさをアピールします。 ベーシックなクリーム色ですから柄物のボトムと合わせてお召しになるとステキで す。 袖中央にボタンがあり、袖をおって半袖風にアレンジをすることも可能です。 長袖・半袖と2パターンのデザインで楽しめます。 ∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴◆ 女装小説 ◆∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵ L’oiseau bleu 第十六回『遠く輝く夜空の星に』 作:カゴメ ▼連載16-3 環の補習。 ミチルの買出し。 梓の町内会の手伝い。 ナカジのゲームと映画鑑賞と昼寝明け。 それらが一致する時間帯は丁度夕刻すぎとなった。 木々の間から差し込む日差しも次第に弱くなり始め、薄暗い闇をまとい始める公園 に四人は集まっていた。そのうちひとりが少年だと言っても、誰も信じはしないだ ろう。 「環ちゃん、いくら学校帰りだからって。着替えてくればいいのに。せっかくのお 祭りじゃない」梓はそう言うものの、彼女自身も日中の作業で長袖のカットソーが 汗ばんでいる。主な作業は『街』の観光組合が作っている水路を通っている小船形 のクッキーの販売だった。 「ねえナカジさん、ここは二手に分かれて廻らない?」突然、梓が提案をした。ナ カジもまたその意図を瞬時に理解する。 「オッケー、じゃああたしとあんたで廻るか。環、ミチルのこと頼むぜ」 「ごめん、それなら私あずと一緒がいいんだけど」そのミチルは、梓の右腕を寄り 添うように掴んだ。環にとってもそれは内心安堵させられることで、昨日の今日で は二人で一緒にいるのは気まずいだけだろう。 結局ミチルの意見を飲んで、環とナカジ、ミチルと梓のグループに分かれて行動す ることとなった。 「それじゃ、これから二時間後にここで待ち合わせ。オッケー?」 「いや、あのさ」それまで無言だった環がおずおずと口を挟んだ。「このグループ 分けは何か意味があるのか? 普通にみんなで行けばいいんじゃない」 「ふうん、お嬢様は私めのエスコートがお嫌とおっしゃる」不機嫌そうに言うナカ ジの背後で、強い風に木々が揺れた。 「むしろ環ちゃんが案内することになるんじゃない? 長く住んでる分詳しいんだ から。私たちはレンガ街廻りで行くから、二人は海岸沿いから行ったら?」 梓はミチルの背中を押してその場を後にする。ほんの一瞬だけ環のほうを振り返っ たミチルは終始無言のままで、その表情はこれから祭りに遊びに行くもののそれと は思えない。 普段はこの時間、あまり人気の無い海岸通りにも浴衣姿に綿菓子の袋やたこ焼きな どの食べ物を片手に歩く人々の姿が多く見られる。多分、花火見物の場所取りだろ う。あと一時間も過ぎれば歩いて通り過ぎることも困難になるに違いない。 「しかし何で、屋台のメシは普通に食べるより美味いのかねえ」早速と言わんばか りにナカジは紙に包んだお好み焼きを手にしている。 「露天風呂が普通の風呂より気持ちいいのと同じじゃないんですか」 「気持ちの問題、か。つまらない奴」口の周りについたソースを包み紙で拭き取っ た。足元にぶつかりそうになった子供を避け、少し急ごう、と環を促す。 「まあ梓の奴も、この振り分けになることは織り込み済みだったんだろうな」 「僕があの子とモメたからですか」連なる街灯と街灯の間に吊り下げられた金銀の モールの装飾の下を歩く。長いふたりの影は、次第に辺りを包み始める闇と一体化 してゆく。 ナカジはそれには答えずに、遠く大陸のほうで揺らめく明かりに目をやった。 「おい、環。この祭りって起源があるんだよな。あたしもちゃんと聞いたこと無い けど、昔話を小学校の奴らが劇でやるって」 「ああ、その話ですか。見に行きます? 公民館前でやってますから」 「いや、結構。わざわざ見たいもんじゃないし、解説くらいしてくれよ」 「だから、覚えてないんですってば」環はふと、ミチルとしたばかりの約束を思い 出す。そういえばこの祭り、僕が案内するとか何とか言ったっけ。今では反故にし てしまった、意味のないことだ。考えてみれば自分は、記憶を失って苦しんでいる はずの彼女に未だ何もしてやれていなかった。 「なあ、少し考えたんだけどさ」オイルの切れていたライターをジーンズのポケッ トにしまいこんだナカジがふと、煙草の代わりに口を開く。「あのミチルと久遠っ て、似てると思わない? 見た目とかじゃなく、雰囲気とかそういうのが」 抽象的な表現に、環は即座に反論しようとして考える。久遠は少なくとも、ミチル ほど活発なタイプではない。物静かで控えめだが、存在感が無いとはいえない。た だ、彼女たちを中心に据えた場合の周囲、すなわち環と梓、ナカジの関係はひどく 似通っていることは納得できた。他人と積極的に関わろうとするミチルがいなけれ ばナカジは孤立していただろうし、久遠がいなければ今度は年齢を重ねるごとに環 が幼馴染みの梓と距離をおいていたことだろう。姉が行方不明になったとき、その 親友とも呼べた梓もまた環同様に心を痛めていたものだ。 「でも僕は、そんなこと意識してませんよ」言われればそうかもしれない、と思う。 少なくともミチルの中に、今は記憶の中の人でしかない姉の面影を見たことなどは ないはずだ。 「そうか、そうだよな。他人だよな」ナカジは納得したようにうなずきながらゆっ くりと歩く。 環はそのあとに続かない。立ち止まったまま、何かに得心したような表情をする。 「他人だから」そのつぶやきは、ナカジの耳には届かない。 姉さんとあの子は、他人。僕とあの子も、他人。 世界を認識することは、他人を認識すること。 「ナカジさん!」暗い海上に花火の一発目が上がると同時に、環は叫んだ。 「ん、何だよ」 「僕……一度家に帰って着替えてきます」制服のセーラーをつまみながら、そう告 げた。ナカジの返答も待たずに、既に混みあっている人ごみをかき分けながら海岸 沿いの道を走り抜けてゆく。汚れたりしわになっても替えのききやすい夏服で良か った。 二階の窓から見る花火は、確かに絶景だった。ナカジから部屋のものには絶対触る なと厳命されているため、弟は散乱した衣類や本を踏まないよう慎重に松葉杖で歩 を進めて、窓ガラスを開けた。見下ろすとアパート前の道路にも人の群れがびっし りと並んでいる。 「うん。今のところは……大丈夫。姉さんには、まだ話してないよ。それより、あ いつはどうしてるの」携帯電話での会話の相手は、彼の母親だ。だから部屋の外の 廊下を誰かが駆け抜けてゆく足音にも気がつかなかった。もちろんそれは、わずか 一分にも満たないことだから無理もないのだが。 「ああ、このレンガ路地。いつ通っても懐かしいな」 覚えているだけで五本目の橋を渡った頃、ミチルはそう言った。「初めてこの街に 来たっていうか、いたときにこの辺を歩いてたの。ここがどこなのかも、どこへ行 こうとしてるのかもわからないままね。でね、その時」 「会ったわけだ。セーラー服の王子様と」梓は橋の手すりについていた装飾の造花 のひとつを軽く撫でた。 「王子様は、割り増ししすぎじゃない?」ミチルが笑うと、つられて梓も肩をすく める。夜空に咲き乱れる花火は、日中でもあまり光の届かない路地裏さえも明るく 照らす。日ごろならこの時間帯は治安の都合でめったに通る人もいないのだが、今 日は警備員も多く配置されているため気にかけることもない。 「ねえ、ミチルちゃん。本当はわかってるよね、環ちゃんのこと」 「……うん。もう、気にしてないから。今度は普通に話せると思う」 商店街はほとんどの店が休業している。町内会の人は当然、『街』のいたるところ に広がる群集へと紛れ込んでいるのだ。そのぶん日中は店を開けていたし、梓も何 かと因縁のヘコミ屋の手伝いをしていたのだった。そのまま大通りに沿って歩くと 信号の向こうに公民館があり、広場には演劇のため集まった観衆がいる。地元の小 学生たちが演じることもあり、だいたいは保護者や学校関係者だ。 「これこれ、『二つ島のヤギ』。環ちゃんから聞かなかった?」 「神様どうしのお話がどうとかってやつ?」 「……なんだ。やっぱりあいつ、本当に忘れてるの」梓の話によればそれは、神様 の乗り移ったヤギの子供が海辺の村の人間たちに育てられて、あるとき大津波が起 きたときその身を犠牲にして人々を助けてあげたというような、本当にどこでもあ りそうな話だった。 「ふうん、あずや環クンもやったことあるんだ? あの劇」 「まあね。ちなみにそのとき神様を演じたのが環ちゃん。そういえばあのときも、 女装してたなあ。女神様だから……可愛いってすごくほめられたんだよ。本人半泣 きだったけど」 「私、環クンのあの格好って……わりと好きだよ。優しそう、な感じがする。お姉 さんにそっくりだったのには驚いたけどね」 「優しそう、か。まあ不器用な奴だけどね、あんな性格だから。それよりせっかく だから、見ていこうよ。劇」 信号を渡って広場の入り口から開いた座席、といっても昼間に職員が総出で並べて いたパイプ椅子なのだが二人分を確保して、腰を下ろす。 「え? あず、今どっこいしょって言った? ねえ、言った?」 「言ってないってば。まだまだ若いつもりです」突然の冗談で笑いあう。知り合っ てからは一月にも満たないのに、こんな風に話が出来るのはミチルにとって意外だ った。記憶のせいでともすればふさぎがちにもなりかねない自分を、ここまで他人 と関わらせてくれたものは何だろう、と思う。 …つづく ■L’oiseau bleu http://www.arutemisu.com/2005/Column/novel/L-oiseau-bleu/0.html ■その他の女装小説はこちらのページにございます。 http://www.arutemisu.com/2005/Column/novel/top.html ------------------------------------------------------------------------- [楓のちょこっとコラム] 9月23日にパシフィコ横浜で開催していた「海のエジプト展」が終了しました。 9月27日にはみなとみらいのY150が閉幕します。 今年は横浜開港150周年記念として、様々な大きなイベントがありました。 一つ一つ終わっていく今日この頃、お祭りが終わってしまうと思うと、ちょっぴり センチメンタル気分の私です。 ------------------------------------------------------------------------- ■女装フォトスタジオ★アルテミス★ http://www.arutemisu.com/2005/Salon/salon%20top.html ■女装用品販売★アルテミスショップ★ http://www.arutemisu.com/2005/shop/hp/index.html 発行者:美寿羽 楓 All rights reserved,copyright (C) ARTEMIS -------------------------------------------------------------------------


