2009/09/21
アルテミス女装子マガジン ★第145号★
アルテミス女装子マガジンをご覧下さりありがとうございます。メールマガジンで はアルテミスの最新情報や、女装関係の文章、女装に関する様々な情報などをお届 け致します。 -------------------------------◇ TOPICS ◇------------------------------ ・ショップ : 新・再入荷のご案内 ・女装小説 : L’oiseau bleu 第十六回『遠く輝く夜空の星に』連載16-2 ------------------------------------------------------------------------- ∴∵∴∵∴∵∴∵∴∴∵∴∵∴◆ ショップ ◆∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵ ★9月21~9月25日までに入荷商品♪ ●新入荷商品 商品名:アイラッシュ フィクサーEX 価格:945円 つけまつげ専用の接着剤です。 汗や水に強く「一日中とれない」と評判の人気アイテム。 塗りやすい細筆タイプ、小さめなボディーなので携帯に便利です。 ●新入荷商品 商品名:タータンチェックスカート 価格:2888円 タータンチェックのクラシカルなイメージが漂う上品なスカートです。 長すぎず、それでいて短すぎない着丈なので、外出に重宝します。 しっとりとした色合いなので、トップスはホワイトやブラックなどのモノトーン で合わせると素敵です。 秋・冬ファッションとして活躍するアイテムです。 ●新入荷商品 商品名:セミロングウイッグ:マリンカール 価格:8900円 流行を意識した今風のデザイン、カラーも落ち着いたダークブラウンなので、大変 使い勝手の良いウイッグです。 男性の平均的な顔の大きさに合わせて特別にカットをされているので、前髪の長さ 側面の髪の毛の量などが計算(おでこから眉にかけての長さ、頬をふんわりと包み 込むサイドのボリュームなど)されている優れもの。 頭上の生際も自然に髪の毛が生えているように見えるための加工がされています。 上部から視線を感じてもウイッグと思われる心配を軽減してくれます。 「備考」 男性のお顔の大きさに合わせてカットを施していますが、個人差がありますので全 ての方に適しているというわけではございません。 ∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴◆ 女装小説 ◆∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵ L’oiseau bleu 第十六回『遠く輝く夜空の星に』 作:カゴメ ▼連載16-2 数時間が経過して、部屋の重い鉄扉を少しだけ押し開けた環は首を除かせて二階の 廊下の様子をうかがう。人気は無く、蛍光灯の内部から響く音だけがする。時折迷 い込んできた小さな蛾のような虫が、そこに体当たりを繰り返していた。ドアのチ ェーンをはずして、ゆっくりと外へ歩を進める。シャワー上がりの濡れた髪を撫で る隙間風が心地良い。その量が多いせいか、未だに乾ききらずに床には水滴が刻ま れてゆく。 ナカジの部屋の前に立つと、中からは相変わらずゲームのBGMと、コントローラ ーを乱暴に操作する音が聞こえる。環は静かに、けれど中にいる部屋の主には聞こ えるよう強めにドアをノックした。 「珍しいじゃんか、お前からこっち来るなんて」 ナカジはそう言って、二つあるコントローラーの片方をつきつけてきた。対戦ゲー ムの相手がわざわざ来たので、機嫌がいいのだろうか。 (いい女は、易々と男を部屋に上げないんじゃなかったのか)とはいえ、その上機 嫌ぶりは環にとっても好都合だった。数試合ほど対戦を付き合いながら、テーブル の上のチョコレートクッキーを頂戴する。ヘコミ屋の自家製で、流通しているもの に比べて味がまろやかだった。 「で、何の話だよ。わざわざあたしにぶちのめされに来たわけじゃないだろ」実際、 環はこのゲームでは一度もナカジに勝てたことは無い。普段からTVゲームそのも のに関心が低いので当然といえば当然だが。 ひどい熱帯夜だ。冷房をフルに効かせ、冷蔵庫で霜がまとわりつくほど冷やしたグ ラスに注いだビールでどうにかしのげる暑さのなか、環のミチルに対する疑念と推 察を聞く間にナカジは二本の煙草を吸い終えた。彼女に言わせれば特別チェーンス モーカーというわけではなく、そうすることで思考力が増すらしいのだ。 「ふむ。やっぱりそそる奴だねえ。あのミチルって子は」 「本当のところ、よくわからないんです。姉さんが見つけたあの本が、本当はどこ にでもあるようなものなのかどうか」痺れを感じて正座を崩した環だったが、すぐ に胡坐(あぐら)の姿勢でも身体全体に立ち上ってくる痛みを感じて畳の上へと両足 を伸ばすことにした。 「『世界に一冊だけの、本当のことが書かれた本』か。でもあたしや梓は、そこに 書かれてることを知ってるんだぜ。お前から聞いて。例えばもし、その話を以前に あたしらがミチルに話したとすれば、知ってたとしても何もおかしい事はないだろ? ま、あたしは何も言ってないけど」 「それは、そうですけど」 「情報なんて、どんな形で広がるかわからないってことさ。 その一点をもってし てあいつが記憶を取り戻してるって決め付けるのは早すぎだろ。でもな」 ナカジはそこで、飲み残しのビールに喉を鳴らした。「確かに、解せないところも あるんだよな」 「何ですか、それ」 「上手く言えないんだけどさあ。あいつはどうして、この場所……っていうより、 環。お前のそばにいようとするのかってこと」 自分のそばに? そう言われても環には何のことだか見当もつかない。 「考えられるのは、よっぽど深い恨みがあるのか。あるいは惚れられたかだな」 ナカジは冗談めかして大声で笑う。そんな単純な理由だったらどんなに楽か。肩透 かしを食ったような状態の環が思わず前のめりになった瞬間、背中から衝撃が走り、 畳の上にカエルのような姿勢ではいつくばった。 「痛てててっ……な、なんだいきなり」振り返るとそこには、烈火のような怒りを その小さな身体全体から立ち上らせる梓の姿があった。 「このドアホがぁ!」開口一番、怒鳴りつける。どうやら環は、背中を蹴りつけら れていたようだ。「部屋にいないからどこに消えたかと思いきや。全部ミチルちゃ んに聞いた! あんた、デリカシー無さ過ぎる!」 ドアは開け放されていて、慌ててナカジがそれを閉めにゆく。 「せっかく冷房効かせてるのに。あんまり人の部屋で暴れてくれるなよ、床が抜け る」言い終わらないナカジを、梓は鋭い目線でにらみつけた。もちろんその程度で ひるむナカジでもないが、肩をすくめて息をつく。 「いい、環ちゃん。これから下の部屋来て、ちゃんとミチルちゃんに謝りなさい。 出来ないなら前の道から海に放り投げてやるから!」 「ちょ、ちょっと待てよ。少しは僕の話も」 「問答無用! ……ミチルちゃんの気も知らないで」反論はあっさり切り捨てられ、 ブラウスの首根っこをつかまれた環はそのまま廊下へと引きずり出されてゆく。 取り残されたナカジは再びビールを濡れたグラスに注ぐ。 あてずっぽうも、結構言ってみるもんだ。梓の最後の言葉を聞いて、そんなことを 考えていた。(それにしても)彼女の所有する、どんなミステリー小説よりも深い 秘密を抱えているのがミチルだ。目の前でデモムービーが繰り返されるTVゲーム をぼんやりと眺めてみる。環には完勝したものの、いまだにたまに対戦するミチル には勝てたことが無い。 そしてもう一人、ナカジが一度たりともゲームに勝てなかった相手がいる。 (久遠のやつも、強かったな。ポーカー)こちらの考えが筒抜けのように、彼女に は連戦連敗だった。 二人の少女に共通するふたつの要素。それは果たして、なにかの偶然なのだろうか? 管理人室のなかへと乱暴に背中を押された環は、テーブルに肘をついたミチルの姿 を見つけた。まだシャワーを済ませていないのか、日中と同じ服装だった。 「環クン」小さくこちらの名を呼ぶ声は弱弱しく、目の周りがやけに赤い。 「さっきは、ごめん。言い過ぎた」背後で鋭い視線を送る梓をほんの少しだけ振り 返り、頭を下げた。 「言い過ぎた、ってことはほんの少しは本音だったんだ。こんな悪い人間はさっさ と警察にでも突き出したら?」 「そ、そんな言い方ないだろ」わき腹を梓の肘が小突く。謝りに来たんでしょ、と いう意味だ。 「まあ、もういいよ。私には環クンに反論できるものがあるわけじゃないし、何言 われても仕方ない――」 その時、すぐ隣の部屋だろう。すさまじい絶叫が壁越しに響き渡った。 「な、何なの? 今の」狼狽して裏返った声で、ミチルはふたりに問いかける。そ の環と梓は顔を見合わせた。どちらも蒼白な表情だ。 「いまの、弟くんの声だよね」 「やっぱり……! こうなったか」環は廊下に飛び出して、すぐ隣の部屋のドアを 乱暴にノックする。 「ミチルちゃん、ごめん! 話は後でするから、ナカジさん呼んできて!」 意地の張り合いをしているようなときでないことは、その緊迫した声からも容易に わかる。梓はアパートの管理人らしく、入り口の壁に据え付けられた合鍵を手にし て環のあとに続いた。 その背後を不安そうに、ミチルは二階へと上がっていった。 ナカジを同伴して戻ってきた彼女が目にしたものは、がらんとした部屋の中央に大 の字で倒れている少年の姿だった。白目が半開きになっていて、指先がぴくぴくと 震えている。環がしきりにその頬を叩いているが、反応が無い。医学の知識がある わけでもないミチルが見ても、ただごとでない事態なのは理解できる。 「ちょっと、病院に連絡したほうがいいんじゃない?」 「やっぱり……見たってのか」すぐ隣でナカジが声を震わせる。心なしか表情が硬 い。 「何が、ですか?」 「言葉の通りだよ。前にこの部屋に住んでた奴も、同じような目にあったことがあ る。それが原因で出て行っちまったんだけどな。こいつも貧乏くじひくタイプっぽ いから、心配はしてたんだが」 「わあああああ!」突如悲鳴とともに飛び跳ねるように、少年は意識を取り戻した。 「知らないよ……僕、まだ中学だし……二次関数がやっとなのに、三次方程式なん て」 唇を震わせながら、言葉をしぼりだしているというふうだった。 それ以上の話は、聞かなくても見当がついた。 数分後、目覚めたナカジの弟はとてつもなく悪い夢を見た、と言葉を濁していたが、 それがえも言われぬ恐怖であったことは間違いないし、梓も管理人の立場から何も 語ろうとはしなかった。 結果、少年はナカジが渋々泊めることとなり遅い時間まで鳴り響いていた花火を眺 める余裕もなくその晩は暮れていった。 …つづく ■L’oiseau bleu http://www.arutemisu.com/2005/Column/novel/L-oiseau-bleu/0.html ■その他の女装小説はこちらのページにございます。 http://www.arutemisu.com/2005/Column/novel/top.html ------------------------------------------------------------------------- [楓のちょこっとコラム] 音ちゃんからイベントのお誘いを頂きました。以前アルテミスのイベントを開催 する際にお世話になったBar「ダイアモニア」にて落語のイベントがあるそうです。 当日は私もちょこっと参加予定です(*^_^*) ご興味のある方は、下記をチェック!! ご都合のよいゲスト様、ぜひご一緒しませんか?? ~秋の落語~ ☆日時:10月17日(土)開場18:30 開演19:00-20:00 Bar time ~24:00 ☆入場料:前売り1500円 + 1drink別 当日2000円 + 1drink別 ※要予約 ※問い合わせ先 DIAMONIA ヨシさんまで。 Tel/ 045-324-8511 E-mail/info@diamonia.com 〈注意〉 こちらのイベントはアルテミス主催ではございません。お問い合わせ・前売り券の 予約等は、DIAMONIAまでお願い致します。 ☆落語:柳家ほたる 柳家権太樓門下。前座名「ごん坊」。2008年3月二ツ目昇進。 ☆音楽:DJ zukky ☆場所:Bar DIAMONIA 〒220-0073 横浜市西区岡野1-6-30 SANKOビル4F TEL&FAX 045-324-8511 http://www.diamonia.com/ 【道順】 横浜駅西口を出て、東急ハンズ方面へ左側を直進。そのまま岡野交差点を渡り、ラ ーメン屋とコンビニの間の道を進みます。右手に焼肉屋さんのはす向かいにある白 いビル4Fがゴールです。ちなみに階段のみ、エレベーターはございません。 ------------------------------------------------------------------------- ■女装フォトスタジオ★アルテミス★ http://www.arutemisu.com/2005/Salon/salon%20top.html ■女装用品販売★アルテミスショップ★ http://www.arutemisu.com/2005/shop/hp/index.html 発行者:美寿羽 楓 All rights reserved,copyright (C) ARTEMIS -------------------------------------------------------------------------


