『だれでもハズレは観たくない』#157 ディア・ドクター
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1万本の映画の中から、とっておきをご紹介!!
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週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』
〜新旧映画紹介〜
#157 2009.6.30号 主宰・発行者 slow
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『ディア・ドクター』
■ストーリー
人口1500人、老人ばかりの村で唯一の医師だった伊野(笑福亭鶴瓶)が突然村から
いなくなった。
遡ること2ヶ月。東京の医大を卒業後、研修医としてやってきた相馬(瑛太)は、
村人たちに全幅の信頼を寄せられている伊野のもとで働き始める。
伊野が診療していた一人暮らしのかづ子(八千草薫)の病気から、少しずつ
なにかが狂い始めた。
■レビュー
無医村だった僻地で3年半、村の人々の健康を一手に引き受けている伊野という
医者を、鶴瓶が味わい深く好演していた。研修医役の瑛太も実に自然体で好青年。
伊野の失踪後、事件の謎を追う刑事役の松谷豊も相変わらずすばらしい。
八千草薫さんは、もう当然のごとく卓越している。
そしてもっとも印象深かったのは、伊野の診療所で働く看護師・大竹役の余貴美子。
要所要所で光る迫真の演技。
この作品、ここまで粒ぞろいの役者たちが揃っていること自体がまず奇跡です。
ドラマでは描けない、人間のとらえどころのない心理描写。それを山間の自然を
擬人化させるように映して伝える術は西川監督ならではだ。
人の持つ善意と悪意ははっきりとしない。良かれと思ってしたことがとんでもない
結果を招いたり、たいした感情をもっていなかったのにいつの間にかその空間に
溶け込んでいたり、ただ相手を思いやるばかりにその相手を傷つけてしまったり。
そんな白黒はっきりできない、生きていればよくあることを、見事に描ききっている。
前作『ゆれる』は独特のシリアスな重さが耐えられなかったが、この作品はすうっと
気持ちが入っていけて、それでいてしみじみと考えさせられた。
伊野の失踪後の展開は、大胆にカットしてもよいかとは思ったし、ラストカットも
蛇足かと感じたが、それにしても、「人間を描く」ということは、実に興味深い。
伊野の真意も知りたいところだが、最後まで大竹の心が気になった。
彼女の気持ちを直接的にセリフにしなかったあたりが上手い。
僻地医療の現実を描きながら、人間の複雑な心理を全力で体現している。
誰かと観にいって、互いの価値観を確かめ合うのがいい。
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7月3日までシステム停止で配信できないため、
今号は予定を前倒して配信いたしました。
今年もいよいよ上半期を終え、折り返しに入ります。
次回は特別編としまして、上半期公開された映画の中から
グランプリを決定します。
近日上映作品には、
『MW−ムウ−』
『蟹工船』
『ノウイング』
『モンスターVSエイリアン』
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
『ボルト』
『サマーウォーズ』
などがあります。楽しみです。
週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』
since July.8 2006
主宰・発行者 slow


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