2009/10/22
だれでもハズレは観たくない#175 カイジ
劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、 日本映画・アジア映画・洋画とジャンルにとらわれません。 1万本の映画の中から、とっておきをご紹介!! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』 ~新旧映画紹介~ #175 2009.10.22号 主宰・発行者 slow ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◆◆◆ 『カイジ』 ■ ストーリー 不毛な日々を送るフリーターのカイジ(藤原竜也)は、 友人の借金の連帯保証人になったため多額の負債を 抱えてしまう。そしてその借金を返すために、一夜逆転の 大勝負が繰り広げられる船「エスポワール」に乗り込んだ。 そこは生ぬるいゲームをする場ではなく、生きるか 死ぬかの戦場だった。 ■ レビュー 『ライアーゲーム』の二番煎じかと思ったら、実は 『カイジ』のほうが漫画原作はかなり古いんですね。 90年代に書かれたにもかかわらず、今の時代感に非常に マッチしています。経済格差、勝ち組と負け組、多額の 負債、などなど、ここ10年以上、実は日本は変わって いないようです。 友人の借金を連帯保証人として一手に背負うことになった カイジが臨むゲームは全部で3つ。限定ジャンケン、 電流鉄骨渡り、そしてファイナルステージのEカード。 限定ジャンケンは原作と比べるとだいぶあっさりしています。 本来は制限時間4時間で登場人物も多かったところを、 主要人物3名、30分の設定で描いているためかなり物足り ませんでした。 もし万が一、映画で初めて『カイジ』を知って、こんなもんか、 なんて思った場合は、ぜひとも原作を読んでみてください。 エスポワール編だけで5巻にわたります。 鉄骨渡りやEカードについても、本来狂気染みた描写に なっているであろうところ、日テレ製作だけあって、 スマートになってます。 主役の藤原竜也がきれいな幼い顔をしているから、 というのもあるかもしれません。 うまい役者さんだとは思います。 しかしながら、泣きのシーンも叫びのシーンも、どうしても 舞台俳優の大げさな表現が過ぎ、また、声も細いため、 地の底から這い出てくるような凄みがありません。 (ただ、Eカードでの睨みには圧倒されました) 完全に自分の感覚ですが、主役をもしも松山ケンイチにしていたら、 この物語の世界観はよりいっそう完成型に近づいていたのでは ないかと思います。日テレ系ドラマ「銭ゲバ」の影響が大ですが。 また、鉄骨渡りでの“おっさん”とのやり取りは、 穿った見方をすれば、負け犬の美化をしているようで、 少し違和感を覚えました。あれらのゲームにチャレンジすることと、 現実世界においてなにか新しいものにチャレンジすることは、 決して同意ではないでしょう。 この作品、『2』ができそうな予感はプンプンしますが、 松山ケンイチと松尾スズキをメインで作ったら、 スゴイのができそうな気がします。 週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』 since July.8 2006 主宰・発行者 slow


