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  • 発行周期 週刊
  • 最新号 2009/12/13
  • 部数 302部
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2009/10/15

だれでもハズレは観たくない#174 さまよう刃

劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、
日本映画・アジア映画・洋画とジャンルにとらわれません。
1万本の映画の中から、とっておきをご紹介!!

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  週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』 
          ~新旧映画紹介~
                       
         #174 2009.10.15号 主宰・発行者 slow             
                                 
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『さまよう刃』


■ ストーリー 

大切な娘を辱められ無残に殺された長峰(寺尾聰)は、ある日娘を殺した
犯人の名前と居場所を匿名の何者かに知らされる。相手は2人の少年だった。
長峰は彼らの一人の元を訪れ、殺害し、逃亡。長峰を追う刑事の織部
(竹野内豊)は、法と正義のはざまで自分のとるべき行動を決めあぐねていた。
そんなとき、長峰から捜査本部に、犯行の自供と少年法への憤慨をつづった
手紙が届く。


■ レビュー

この作品は、心にガツンと衝撃がきます。
家族や恋人とは一緒に観ないほうがいいでしょう。
あまりにむごく、凄惨な映像を目の当たりにします。
娘を愛してやまない父の無念を考えるにつれ
いたたまれなくなります。

寺尾聰は渋いですねえ。
もう、予告編を一目見たときから、その世界観というか
オーラに引き込まれていました。
物語の前半、犯人の一人である少年のアパートで
娘の姿を収めたビデオテープを目にしたときの
動揺のしかたと行動は、おそらく現実でもそうなるんだろうと
思える迫真の演技でした。

ストーリーは途中、警察の捜査の詰めの甘さなど、一部で
白々しいシーンもあります。しかしながら、それよりなにより、
寺尾聰演じる長峰が、最後にどんな決断をし、どんな判断を
下すのかという最大の興味に牽引されて、緊張感が途切れる
ことなくラストまでいけました。

長峰の決断には共感できます。
原作者・東野圭吾の少年法に対する考えかたも理解できます。
ただ、犯罪被害者の本当の気持ちは、そうなった者にしか
わかりません。裁判員裁判がスタートしましたが、
市民が法に携わる中で、それが法で定められているからと
いって理不尽な決断をくださなくてもよいという点では、
画期的な制度ではないかと思います。

刺激の強い作品ですが、久しぶりに魂を揺さぶられました。
それぞれのシーンをどう感じるか、最後の長峰の行動を
どう思うか、観る人によって捉え方は異なるでしょう。
ただ、深く考えさせられること、まちがいありません。


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●あとがき

以前本屋大賞を受賞作『告白』も復讐モノですが、
少しドラマ的な展開にもなっており、
一気に読破したくなります。こちらは、現実離れした
キャラクターのため、重くはありません。
ただ、こういう作品が一般書店の店員に受けがいいと
いうのはふしぎですね。もっと毒のない作品が好まれる
ものだと思っていたのですが。
みなどこかで、自分のこうむった悲しみのやり場に対して、
作中の人物がとる行動に共感する気持ちを少なからず
もっているのかもしれません。






週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』
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