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劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、ジャンルを越えた1万本の映画の中から、マニアックすぎず、軽すぎず、とっておきをご紹介!!

  • 発行周期 週刊
  • 最新号 2009/12/13
  • 部数 302部
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2009/09/16

だれでもハズレは観たくない#169 しんぼる

劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、
日本映画・アジア映画・洋画とジャンルにとらわれません。
1万本の映画の中から、とっておきをご紹介!!

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    週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』 
            ~新旧映画紹介~
                       
           #169 2009.9.16号 主宰・発行者 slow             
                                 
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『しんぼる』


■ ストーリー 

メキシコのある町で生活するプロレスラー・エスカルゴマンは、

いつものように試合会場へと向かう。

一方、水玉のパジャマの男(松本人志)は、目を覚ますと

四方を白い壁に囲まれた部屋に閉じ込められていた。

出口のないその部屋には、謎の突起物があり、

押してみると意外なことが起こる。


■ レビュー

オープニングからして、魅せてくれます。

荒野を走るトラックが、画面奥の地平線のかなたから、

徐々にこちらへと向かってきて、乗っているのは意外な職業の女性。

彼女の家族はメキシコの片田舎に住むありふれた一家。

ただし父は、覆面プロレスラー。今日もこれから町での試合を控えている。



え、え、え、・・・・・・??

これ、『しんぼる』?劇場を間違えたかな?

と不安になるほどのメキシカンテイスト。

てゆーか、メキシコ映画。

そのメキシコの風景と交互に語られだすのが、

CMでもよく目にする、謎の白い部屋。

『SAW』や『CUBE』といったハコモノ映画だ。

謎の突起物を松本がつつくたびに、いろんなものが出現する。

初めは無関係と思われたそれらには、

実は部屋から脱出するヒントが隠されていた。



いやああ、前半のこのテイスト、すばらしいですね。

観客の心をぎゅっと鷲づかみにして放しません。

メキシコパートの本格映画風と、謎の白い部屋のしかけが

緩急のある構成で好奇心をあおります。

特に素晴らしいのは、松本にほとんどセリフがないこと。

まるで世界の松本人志といわんばかりに、

チャップリンを意識したような、動きと意外性のある展開だけで

事の面白みを観客へと伝えていく。

Mr.ビーンに勝るとも劣らない。

さらに、ひとつひとつの仕掛けがうまい。計算し尽くされている。

『CUBE』を撮った異常天才・ヴィンチェンゾ・ナタリ監督を

越えてるんじゃないかと思わせる展開。

しかも、松本が脱出法をひらめいた時の

アメコミ風なアプローチもユーモアを感じさせる。



はたして、この謎の部屋パートとメキシコパートが

どのように絡み合ってクライマックスを迎えるのか。

期待が最高潮に高まったその時・・・・・・



『大日本人』のクライマックス同様に、

物語は急にわけのわからない展開へと旋回します。



想像と破壊の物語。



前半のすばらしさと後半の意味不明。

どんな感じで意味不明かは、ぜひ実際にみてみてください。

いや、ひょっとしたら、この壮大な世界観に

感銘を受ける人がいるかもしれない。

人の感性を試す作品ともいえます。わたしには肩透かしでしたが。



ラストカット、

森羅万象、すべては運命付けられている。

むりすれば、そんなメッセージを読み取れなくもない。








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