2009/09/10
だれでもハズレは観たくない#168 チョコレート・ファイター
劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、 日本映画・アジア映画・洋画とジャンルにとらわれません。 1万本の映画の中から、とっておきをご紹介!! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』 ~新旧映画紹介~ #168 2009.9.10号 主宰・発行者 slow ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◆◆◆ 『チョコレート・ファイター』 ■ ストーリー タイマフィアのボスの女であるジンは、抗争相手である日本人 大物ヤクザのマサシ(阿部寛)と恋に落ち、一人娘のゼン(ジージャー) を生む。ゼンは自閉症であったが、並外れた身体能力と類まれなる 格闘センスを持ち合わせていた。彼女は格闘に関する記憶力に優れ、 目にした技を真似することができるようになる。 やがてゼンは、病に伏す母の薬代をかせぐため、危ない橋を渡り始める。 ■ レビュー 昨日9月9日水曜にレンタル開始という、キャッチーなタイミングのため、 久しぶりにレンタル作品のご紹介です。 仙台ではフォーラムで現在上映中、スクリーンで観れてよかったと思える一作。 『マッハ!』の監督の作品だけあって、ワイヤーなし、スタントなしの 本物の格闘技が思う存分楽しめます。 本作の主演を務めるのはなんと、84年生まれの女の子、ジージャー。 準備期間や撮影期間の長さを考えても、15歳くらいにしか見えない 顔立ちながら、アクションの切れとスピードは確実に本物です。 ブルース・リーやジャッキーチェン、トニージャーらの系譜を継ぐ、 正統後継者といってもいいでしょう。 見ただけで格闘センスを習得するという役柄ですが、彼女がその お手本に選んだのはブルース・リーとトニー・ジャー。 格闘に目覚める前半のアクションの見せ場では、しぐさも吼え方も 完全にブルース・リー。 初めのドラマ部分が結構長く、『マッハ!』みたいにもっと ストーリーは単純にしてもよいと感じました。 抗争とかロマンスとか、まあどちらでもよかったんですが、 全6パートにわたるアクションシーンの配列というか盛り上げ方が うまかったため、中だるみすることなくいいバランスで観ることができました。 とくに、中盤の精肉店での戦いには、タイならではの生々しい雰囲気が スクリーン全体からひしひしと感じられます。 ジャッキー映画と確実に異なるのは、拳銃がバンバンぶっ放されまして、 かなり多くの死者が出ること。中盤、ヤクザとマフィアが交わるシーンなどは タランティーノ作品さながらのバイオレンス。PG12では甘い。 それでも作品全体のエネルギーの源は、やはり主演のジージャー。 彼女は凄い。ブルース・リーやジャッキー・チェンに勝るとも劣らない アクションの切れやスピードはもちろんですが、 女性ならではの身のこなしやしなやかさが前面に表れています。 テコンドーをベースにしているだけあって、とりわけ足技がハンパない。 女版トニー・ジャーなんていう一言で片付けるのはおこがましく失礼なほど、 将来を期待してしまいます。 終盤、ボスとの対決はこれまでのアクションにはなかなかなかったホテルの外壁。 わずかな足場で華麗に舞う姿はまさに“空中戦”。 クライマックスにしてボルテージ上がりまくりの戦いです。 かつてのジャッキーを思い出し感極まりました。 敵役たちが2階、3階の高さから地面にたたきつけられる姿には、 ワイヤーほんとうに使ってないの!?とその過激さが逆に心配になりましたが、 エンドロール直前の生傷映像を見る限り、アレ、リアルなんですね。 敵役の人、本当に入院してました。まさに命がけの撮影。 こういうの、もはやタイでしかできないでしょうね。 凄い作品です。 DVDレンタルでドラマシ-ン飛ばしても結構ですので、 ぜひ目からウロコのアクションをご堪能ください! 週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』 since July.8 2006 主宰・発行者 slow


