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劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、ジャンルを越えた1万本の映画の中から、マニアックすぎず、軽すぎず、とっておきをご紹介!!

  • 発行周期 週刊
  • 最新号 2009/12/13
  • 部数 302部
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2009/08/30

だれでもハズレは観たくない#166 ホッタラケの島/グッド・バッド・ウィアード

劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、
日本映画・アジア映画・洋画とジャンルにとらわれません。
1万本の映画の中から、とっておきをご紹介!!

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    週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』 
            ~新旧映画紹介~
                       
           #166 2009.8.30号 主宰・発行者 slow             
                                 
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●本日のラインナップ●


■1■『ホッタラケの島 遥と魔法の鏡』
■2■『グッド・バッド・ウィアード』
■3■ あとがき



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『ホッタラケの島 遥と魔法の鏡』


■ ストーリー 

小さい頃に母親を亡くした高校生の遥は、大切にしていた母の形見の
手鏡を、いつのまにかなくしていた。そんなある日、彼女は神社で
キツネのお面をかぶったテオを追って、ホッタラケの島へとたどり着く。
そこは、ひとがホッタラケにしてしまったものでできている不思議な島だった。


■ レビュー

ハリウッドの誇る3DCGアニメーションで描いた世界観。
これが非常に斬新です。といえば聞こえはいいですが、
実際のところは違和感ありあり。
予告編でみた、登場人物の造詣の淡白さが、本編では果たしてどうなって
いるかと、期待と疑念入り乱れる状態で観ましたが、正直言って、日本の情景に
3DCGはあまり似合わないですね。
背景が2Dで登場人物が3Dというアンバランスさ。
しかも動きがハリウッドのそれと比べるとあまりにぎこちなく、
観ていてつらいものがありました。

しかしながら、ホッタラケの島の風景や世界観は、なかなかに興味深いものがありました。
原色で彩られた街並みが見えた瞬間のあのワクワク感。
ストーリーはいたってシンプルなため、次にどういう方向に向かうのか考えることなく、
スピーディーな動きに身をゆだねられます。
中盤、テオは男爵の誘惑にのり、遥を裏切ろうとしたりもしますが、
それを悔いて流す滂沱の涙がまた美しい。
テオの冒険譚という目でこの作品を観ると、いっそう感情移入できます。

まあ・・・・・・
厳しい観方をすれば、どのシーンもどこかで観た場面の焼き直しなんですが。

『天空の城ラピュタ』『千と千尋の神隠し』『ゲド戦記』など、
『スカイ・クロラ』のスタジオにもかかわらずジブリっぽさがあり、
『ブレイブストーリー』的な世界観もみえます。
もっともっとオリジナリティを発揮できれば、記憶に残る作品になったでしょう。
中盤から登場の「コットン」という遥のぬいぐるみが、思いのほか大活躍する
異例の展開が面白く、クライマックスの疾走感もまたすばらしかったです。

この作品はある意味、日本に3DCGを根付かせるための実験作です。
これからもっともっとさまざまな作品が登場する中で、
きっとすばらしい一作に出会えることを期待したいですね。



★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 



『グッド・バッド・ウィアード』


■ ストーリー 

日本軍が占領し、混沌を極める1930年代の満州。
ギャングのパク・チャンイ(イ・ビョンホン)ら馬賊の集団は汽車を乗っ取り、
目当ての地図を強奪しようとする。しかしながら、地図は同じ列車に居合わせた
盗賊のテグ(ソン・ガンホ)が奪って逃走。
そんなテグも賞金稼ぎのパク・ドウォン(チョン・ウソン)に狙われて、
さらなる逃避行をするはめになる。


■ レビュー

オープニングから飛ばしてくれます。
映像の見せ方といい、タイトルロールの入れ方といい、期待感全開のスタートです。
いきなり走行中の汽車の強奪シーンでボルテージがあがりまくり。
ギャングが車内で銃を乱射しまくるPG12ではおさまらない冷酷さこそありますが、
俳優たちの演技と研ぎ澄まされた演出力が、そういう非情さを軽くふっ飛ばしてくれます。

タイトルにもなっている3人の男たちがすばらしい。

賞金稼ぎ役のチョン・ウソンは、男の自分から見ても実にかっこいい。
いや、かっこよすぎ。クールで色気があって、めちゃくちゃ強い。
特筆すべきは中盤、闇市でのギャングたちとの銃撃戦。
ロープを片腕でつかみ、宙を舞いながら敵を確実にしとめていく姿は、
撃ち合いというより芸術の域。

次にウィアード(変なヤツ)の役回りのソン・ガンホ。
この役者さんのことは『グエムル 漢江の怪物』で初めて知ったと記憶しています。
さえないおじさんが怪物に立ち向かっていく姿に興奮しましたが、今回の盗賊役も
実にハマっています。他の二人が男の美学を貫く中で、ソン・ガンホはあくまで
親近感を感じさせます。それでいてものすごく強い。
どんなピンチも乗り切っていき、最後まで魅せてくれます。

そして、3人目の男。セクシーナイフ、イ・ビョンホン。
え、セクシーナイフ??
すみません、いまわたしが名づけました。
『G.I.ジョー』での悪役もなかなかにハマっていましたが、
今回のギャング役はすさまじすぎます。
完全に役になりきり。いえ、それ以上です。
話題の腹筋をまたしても拝めるどころか、
イ・ビョンホンの華麗なる悪役PVといっても過言でない魅力が詰まっています。
べつに彼のファンではありませんでしたが、今回の役は本当にバッチリあってました。



監督もおっしゃっているとおり、ストーリーどうこうというものではありません。
感情移入はあまりできません。いいやつ悪いやつ変なヤツのくくりは、
話が進むほどどんどん混沌としていきます。

地図が示す「宝」とはなにか。だれが生き残るのか。
もはや、そんなことすら問題ではありません。

クライマックス、ゴビ砂漠で撮影された馬賊と日本軍のチェイス。
ここまでやるかというくらい長い時間続く怒涛の撃ち合い。
作った本人が「ハチャメチャ」といってるわけですから、
このとてつもない疾走感にただただやられちゃってください。
韓国人のエネルギーはすごい。



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■あとがき 

「マニフェストってこわい」

いよいよ8月30日は総選挙ですね。わたしは一足早く期日前投票を
すましていますが、メディアでは毎日のように、マニフェストの
内容について各党の政策を論評しています。
しかしながら、あまりにマニフェストが先走りしすぎている気がします。
だれでもそうでしょうが、ある政党に投票する際、その党のすべてに
意見があってるわけではありません。
人間でもそうですよね。このひとのこういうとこは直してほしい、
でもこういうとこはとっても好き、全体としてはまあ好きな相手、
なんていうふうに他人を評価しているものです。

なのに、今回の選挙においては、与党になったらマニフェストを
絶対守らなければいけない雰囲気があり、十分な議論がないままに
それを実行に移されそうで、危うさを感じます。
だったら各政党とも、そんな大それた公約を打ち出さなければいい
じゃないかという声も上がってきそうですが、それだと逆に、
なにも判断基準がなくなってしまうという難しさも。

できることなら、議員に当選した人たちが、国会でまた初めから
議論してひとつずつ決めていくのがいいんですけどね。


「この夏もっともおいしかったもの」

ココイチのトンテキ半熟たまごカレー(トッピングチーズ)。
神の領域に達していました。

「最近よく聴く音楽」

森山直太朗の「夏の終わり」(夕方聴くのがベスト)



では。














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