2009/06/04
『だれでもハズレは観たくない』#153 ラスト・ブラッド
劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、 日本映画・アジア映画・洋画とジャンルにとらわれません。 1万本の映画の中から、とっておきをご紹介!! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』 〜新旧映画紹介〜 #153 2009.6.4号 主宰・発行者 slow ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◆◆◆ ●本日のラインナップ● ■1■ 『ラスト・ブラッド』 (劇場公開中) ■2■ 『火山高』 (2002年・韓国) ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 『ラスト・ブラッド』 ■ストーリー 朝鮮戦争時の日本。セーラー服に身に包むサヤ(チョン・ジヒョン/本作では Gianna名義)は、日本刀を操り「オニ」と呼ばれるバンパイアを倒していく。 彼女の目的は、父親を殺したオニの首領・オニゲン打倒だった。 フルデジタルアニメ『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の実写化。 ■レビュー 『猟奇的な彼女』など、韓国映画界の恋愛名手、チョン・ジヒョンがサバイバル アクションに挑むということで、彼女の繰り出すスタイリッシュな殺陣がどれほど のものになるか興味がありました。 しかしながらしかしながら。 いやあ、こりゃあ、やられました。 つまらなすぎです。 チョン・ジヒョンの表情や動きはとても好きなんですが、 脚本がつまらない。 そう、ストーリーがダメすぎて、1時間半ほどの上映時間なのに、 ものすごく長く感じてしまいました。 まず、オニたちの潜伏状況や目的が不明。 サヤとオニゲンの距離感が不明。どちらがどちらを探していたのかわからない。 サヤの過去がありきたり。 米軍基地で出会ったアリスに関するエピソードが中でもつまらない。 アリスの父親についても、組織についても、結局みんななにやってるんだという感じ。 サヤが重症を負った時に、アリスは自分の血を彼女に飲ませるのですが、 え、え、え、なんでそういう行動を思いつくの??? とびっくりでした。 全体的に伏線の張り方とか物語の盛り上げ方がヘタすぎます。 最後の小雪演じるオニゲンとの戦いがもっともしょぼかったです。 むしろ中盤の、アリスをかくまいながら戦うワイヤーアクション満載のシーンが メインだったのではないかという感じです。 せっかく体を張って、28歳なのに16歳役を演じたチョン・ジヒョンのがんばりが まったく持って報われません。 R-15だけあって、血しぶきと体の切断も半端なくでてきますが、そうする意味も 感じられず、誰に向けて何を目的で作ったのかが不明でした。 チョン・ジヒョンには、またいつかどこか別の映画で、華麗なる殺陣さばきを 見せてもらいたいものです。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 『火山高』 (2002年・韓国) ■ストーリー 17年にわたって生徒たちの覇権争いが続いている“火山高”。そこへ、強大なパワー を持ちながらトラブルに巻き込まれてきた転校生・ギョンス(チャン・ヒョク)が やってきた。彼は転校早々またしても、究極の武術の極意を記した秘伝書をめぐる 争いに巻き込まれる。 ■レビュー ちょっと古い作品ですが、学園バトルロワイアルアクションの決定版として、 DVDも持っております。 当時、アジアでこのようなデジタル技術とワイヤーアクションを駆使した作品という のは珍しく、1999年に大ヒットした『マトリックス』の系譜を継ぐ作品です。 しかも世界観がおもしろい。マンガでいえば「魁!男塾」的というんでしょうか。 転校生を待ち受けていたのは無敵の一匹狼だったり、重量挙げ部主将だったり、 途中剣道部主将であり火山高一のスーパークール美少女とのロマンスがあったり。 まじめなアクションと劇画チックな設定のギャップが、ともするとおチャラケに なるところをうまくまとめています。 後半には恐怖の術を駆使する学園の掃除人、“学園鎮圧教師五人衆”なるものが 登場します。生徒と教師たちの戦いに発展し、気分は最高潮!! 戦い方は「ドラゴンボール」見たいな感じで、“気”の応酬です。 こういうのをまじめにやった映画ってないんじゃないですかね。 「DRAGON BALL EVOLUTION」みたいなチープな“気”でなく、 アジア人ならではの演出なのがいいですよ。 弾丸のように飛び交うチョーク、龍のように舞う茶葉、“気”に操られた雨粒。 壮大なドラマってほどではありませんが、 こんなのを作れる韓国の懐の深さはすごい。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 6月は注目映画が盛りだくさんですね。 観たい作品を数えただけでも過去最多かもしれません。 ガンガンご紹介してまいります。 週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』 since July.8 2006 主宰・発行者 slow


