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劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、ジャンルを越えた1万本の映画の中から、マニアックすぎず、軽すぎず、とっておきをご紹介!!

  • 発行周期 週刊
  • 最新号 2009/11/12
  • 部数 297部
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2009/04/25

『だれでもハズレは観たくない』#146 重力ピエロ

劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、
日本映画・アジア映画・洋画とジャンルにとらわれません。
1万本の映画の中から、とっておきをご紹介!!

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    週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』 
            〜新旧映画紹介〜
                       
        #146 2009.4.25号 主宰・発行者 slow             
                                 
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●本日のラインナップ●

■1■『重力ピエロ』

■2■『山のあなた 徳一の恋』(レンタル中)



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『重力ピエロ』


■ストーリー

遺伝子を研究する兄の泉水(加瀬亮)と壁の落書きを消す仕事をする
弟の春(岡田将生)は、街を騒がす連続放火事件の事件現場の法則を
探り当て、犯人を見つけようとしていた。しかし、事件の裏には、昔彼ら
家族を襲ったある悲劇とつながっていた。

『アヒルと鴨のコインロッカー』『死神の精度』『フィッシュストーリー』
『チルドレン』『陽気なギャングが地球を回す』など、
その著作が次々と映像化される人気作家・伊坂幸太郎原作。
宮城県先行ロードショー。



■レビュー


原作を読まずに映画で初めてこの物語を味わいましたが、なかなか深い話ですねえ。
伊坂作品お得意の、「犯罪の裏の絆」がとても鮮烈に描かれています。
なんでも、スタッフたちの原作に対する愛情が非常に強く、脚本については
初稿完成から最終稿までに1年を要したと聞きました。その甲斐あってか、
連続放火犯が誰なのかという謎解きと、家族を襲ったある事件の真相、
そしてその後の家族の生活や変化と、さまざまな興味が絡み合い、
ものすごく集中して観ることができました。

ストーリーについては、前知識なしで観ればそれだけのめりこむこと間違いなし
でしょう。ミステリとしても家族の絆を描くドラマとしても成功しています。
今回のメルマガではあえて話の内容には触れないでおきます。

これだけの世界観を支えているのは、原作の巧みな構成力はもちろんでしょうが、
役者陣の力によるところも大きいでしょう。小日向文世さん演じる父親の、
達観したような演技が印象的です。どんなにつらいことが起こっても決して
くじけず落ち込まず、ただただ自分の決断を信じて家族を守る。
ふつうではなかなかありえない行動ですが、それを小日向さんだからこそ、
うそくさくなく自然な形で演じられているのでしょう。

また、加瀬亮さんの抑えた演技と、途中でこみ上げる感情の表し方もよかった
ですねえ。『それでもボクはやってない』での青年役も印象的でしたが、
今回は春という弟と対照的な面や弟を守る兄としての気概が見え、
新たな魅力に映りました。

音楽も効果的でした。
決して劇的な派手な使い方ではなく、あくまで家族を包み込むように、
優しい音楽が流れます。

事件の真相や、彼らの“行為”は決して正当化されるものではありませんが、
そういった面以上に、家族の再生の物語として心を揺さぶるものがありました。
タイトルにもつながっている家族でサーカスを観にいった場面での父の一言が、
この作品のすべてを物語っています。

「楽しそうにしていれば、重力なんて消えてしまうんだ」



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『山のあなた 徳一の恋』



今回この作品を取り上げてみたのには
3つの理由があります。

ひとつ、『カフーを待ちわびて』で、
キュートで印象的な役を演じていた
マイコさんの出演作であり、どんな
役柄か興味があったためです。
結果的には、役柄的にあまり好きな
感じではありませんでしたが、
今後の活躍は期待しております。

つぎに、『重力ピエロ』の加瀬亮さんが
登場しているからです。
普通の青年を演じたらピカイチの
加瀬さんですが、本作では按摩役を
演じており、その演技がとてもリアルで、
すごかったんです。

そして最後の理由は、衝撃的なニュースで
波紋を呼んでいる草なぎ剛さんの主演
であるということでしょうか。
加瀬さん同様盲目の按摩さんを演じて
いますが、正直彼の演技は、完全に
なりきっており、もはや演技とは
思えない天才っぷりです。
いいひと役が多かった中で、
本作でもたしかにいいひとを演じている
のですが、表情の作り方といい、
行動の仕方といい、話し方といい、
なにかが憑いていると見まがうほどの
熱演であります。

断言しましょう。

ジャニーズであの役を演じられるのは、
草なぎさんしかいません。

昔の作品の完全リメイクだけあって、
ストーリーは前置きが長く唐突な
終わり方をしますし、昔の旅館街を
再現している画面がCGくさく
ういているなど、作品の完成度としては
今一歩ですが、なにより決してテレビでは
目にすることがないであろう、
衝撃の演技にご注目ください。







次回は 『GOEMON』 をお送りします。






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