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劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、ジャンルを越えた1万本の映画の中から、マニアックすぎず、軽すぎず、とっておきをご紹介!!

  • 発行周期 週刊
  • 最新号 2009/12/20
  • 部数 301部
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2009/04/19

『だれでもハズレは観たくない』#144 スラムドッグ$ミリオネア

劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、
日本映画・アジア映画・洋画とジャンルにとらわれません。
1万本の映画の中から、とっておきをご紹介!!

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    週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』 
            〜新旧映画紹介〜
                       
        #144 2009.4.19号 主宰・発行者 slow             
                                 
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『スラムドッグ$ミリオネア』


■ストーリー


インド・ムンバイの最貧困街スラムで育った青年ジャマール(デーヴ・パテル)。
彼は世界最大のクイズショウ『クイズ$ミリオネア』で次々と正解を連発し、
番組史上賞金最高額の2000万ルピー獲得まであと一問というところで警察に逮捕
された。無学の青年がイカサマをしているとの嫌疑からだった。
果たして彼は、本当に不正を犯していたのか。真実は、あまりに壮絶で運命的な、
彼の人生にあった。


■レビュー


作品賞・監督賞・脚色賞などアカデミー賞8冠に輝いた本作、
見所は、なんといってもインドのあらゆる風景を映し出したリアルな空気感です。

トタン屋根の並ぶスラムの街並み、日常と隣り合わせの暴動や暴力、
そんな中でも笑顔を絶やさないこどもたち。彼らの成長とともに変化してゆく
街の景色。富裕と貧困のごった返した国の光と闇をたしかに映し出します。

みのさん司会でおなじみの『ミリオネア』が題材ということで、非常にとっつき
やすかったですね。日本の『ミリオネア』は本場のクイズショウとスタジオセット、
音響などすべてを完全コピーしていました。
この映画で初めて知りました(・・・・・・)。
また、司会者の狡猾さ、エンターテイナーっぷりが夢見る人々の願望をあざ笑うか
のように見える中、ジャマールの純粋さとまっすぐな心にとても共感できたのが
大きいですね。

少年時代の悲惨な体験のひとつひとつが彼に知識と勇気を与えていきますが、
中でも、初恋の少女・ラティカの存在が彼を支えます。
ゴミ溜めのような薄汚れた街と、ごったがえす原色の街並み。
こどもたちの汚らしい風貌と、純真な笑顔。
死と隣あわせの生活と、ラティカとの絆。
クイズショウの作りこまれた世界と、インドの空の下で必死に生きる少年たち。
大切な人たちを失う悲しみと、躍動する音楽。

さまざまなギャップが一気に押し寄せ魂を揺さぶってきます。
個人的には、ジャマールの兄がラストで見せる、男気あふれる表情も印象的でした。
若かりし頃のサミュエル・L・ジャクソンのような瞳。
兄と弟の生き様の違いは、あくまで紙一重。

どちらも必死に、真剣に人生を見つめていました。

エンドロールの踊りが、あの街で生きてきた彼らの未来を、
明るいものでありますようにと願って作られたように感じました。


重厚感のある、映画らしい映画です。
目標を見失いつつある方、困難に直面している方、
人生に楽しみを見出せない方、“世界”を知りたい方、
映画が大好きな方、ぜひご覧ください。

あの風景とあの音楽は、この作品でしか出会えません。






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■あとがき


先日salyu(サリュー)のライブに行ってきました。
以前から聴きこんでいたベスト盤の充実度と、
それをベースにした楽曲ラインナップに、
彼女のコンサートとしては初めての参加でした。

稀代の歌姫のその声は、本気でしびれました。
小柄の体のいったいどこから、あそこまで躍動する
魂のこもった声がでるのでしょう。
音響や映像の作りこまれた深い演出もあいまって、
幻想世界にいざなわれたようでした。

真の歌い手は、やはりライブにかぎります。
CD音源をはるかに超えた「凄み」に酔いしれました。






週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』
since July.8 2006
主宰・発行者 slow
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