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劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、ジャンルを越えた1万本の映画の中から、マニアックすぎず、軽すぎず、とっておきをご紹介!!

  • 発行周期 週刊
  • 最新号 2009/12/20
  • 部数 301部
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2009/03/21

『だれでもハズレは観たくない』#141 フィッシュストーリー

劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、
日本映画・アジア映画・洋画とジャンルにとらわれません。
1万本の映画の中から、とっておきをご紹介!!

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    週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』 
            〜新旧映画紹介〜
                       
        #141 2009.3.21号 主宰・発行者 slow             
                                 
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●本日のラインナップ●

■1■『フィッシュストーリー』(3月21日より公開)

■2■『ウィークエンド・ブルース』(レンタル中)



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『フィッシュストーリー』



■ストーリー


1975年。パンクバンド「逆鱗」は、楽曲がまったく売れず、“最後”の曲
「FISH STORY」のレコーディングに全力を注ぐ。
1982年。さえない大学生の雅史(濱田岳)は、「FISH STORY」にまつわる
あるうわさをきく。
2009年。修学旅行中に眠り込んでしまい、フェリーに取り残された女子高生の麻美
(多部未華子)は、シージャックにあってしまう。
2012年。5時間後、地球に彗星が衝突しようとしていた。そんな中、あるレコード店の
店員たち(大森南朋ら)は逆鱗のレコードをかける。


■レビュー


伊坂幸太郎の小説が原作ということで大変期待していましたが、小説の微妙な

バランスと各エピソードの印象は、映画では少し薄れてしまっていました。

昨年『死神の精度』が映画化されましたが、連作短編だったあの作品は、映画化に

あたってエピソードを6から3に絞りました。

たしかに、すべて描こうとすると、詰め込みすぎて全体的には逆に淡白になって

しまう恐れがあったので、賢明な選択だったと思います。

『フィッシュストーリー』の場合、4つの時代+1999年は、最後の2012年の結末に

つなぐためにどれか一つの時代も欠かすことができないので、

すべて描かざるを得ないのですが、そこがこの作品の、映画化の難しさだったの

でしょう。


原作を知らない人が見た場合、そもそもの興味は、

《 4つのバラバラなエピソードが、ラストでどうピタッとハマるか 》

に向きます。

しかしながら、あまりにエピソードの関連性がなさそうに見えるため、

鑑賞しながら混乱します。

“本当に最後につながるのか”、と。


先日レビューに載せましたウィル・スミスの『7つの贈り物』の前半に感じた

気持ちと同じです。それが今作では最後まで続きます。

なので、そこばかり気になり、一つ一つのエピソードに感情移入しづらい

かもしれません。

1つずつをじっくり魅せるというよりは、各エピソードを断片的に細かく

つないでいるのも原因でしょう。

原作のテーマである「運命は自分で切り開くもの」という隠れたメッセージが、

ちょっと消化不良で終わった気がします。


最後5分ほどでの、各エピソードパズルのピースのつながり方も、原作を知らずに

オチを期待して観る方には肩透かしで強引に感じられるかもしれません。


だからこそ、あまり結末ばかりに目を向けず、

それぞれのストーリーや会話を楽しむ映画だと割り切ったほうがよいでしょう。

「FISH STORY」の本当の「訳(やく)」を知らない方はなおさらです。





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『ウィークエンド・ブルース』



■ストーリー


失恋しさびしい日々を送っていたサラリーマンの山本は、友人から謎の薬をもらう。
それを飲んだ彼は、帰り道に気を失い、気がつくと見知らぬ場所にいた。
しかも記憶を失い自分のこともまわりのこともわからない。
さらに、金曜の夜に気を失い、目覚めたのは日曜だった・・・・・・。


■レビュー


昨年、大泉洋主演で全国公開した『アフタースクール』の内田けんじ監督。

時系列の複雑な入れ替えや、観る者を欺く卓越したストーリーセンスが

この監督の真骨頂であります。

本メルマガ第99号(2008.7.6号)では、『アフタースクール』の前に製作された

『運命じゃない人』をご紹介しました。

こちらも、2005年カンヌ国際映画祭でフランス作家協会賞(脚本賞)や

最優秀ヤング批評家賞など4冠を獲得するおもしろさでした。

そして、これら2作品の原点が、『ウィークエンド・ブルース』です。

監督がアマチュア時代に「ぴあフィルムフェスティバル」出品のため、

友人たちに役者をお願いして、まさに週末の旅に集まって撮ったという作品のため、

映像は粗く、まさに自主制作な感じではあります。

しかしながら、空白の土曜日に何が起こったのかという興味と、

主演を務める監督の友人・中桐さん(この方、素人とは思えない!!)の

すごい演技で最後まで集中して観ることができます。

監督もかなりの主要人物として役者として出ています。

よさそうな人間が悪かったり、うさんくさそうな人間が善人だったり、

『運命じゃない人』『アフタースクール』にも通じる魅せ方のテクニックを

存分に楽しめます。

さらに、3作品とも「男の友情」が裏テーマになっていることも見逃せません。











週刊映画レビュー『だれでもハズレは観たくない』
since July.8 2006
主宰・発行者 slow
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