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劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、ジャンルを越えた1万本の映画の中から、マニアックすぎず、軽すぎず、とっておきをご紹介!!

  • 周期 週刊
  • 最新号 2008/07/21
  • 発行部数 188
  • マガジンID 0000200909
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2008/02/07

週刊『だれでもハズレは観たくない』第79号

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劇場公開中の新作・話題作からレンタル中の隠れた名作・おすすめ作品まで、
日本映画・アジア映画・洋画とジャンルにとらわれません。
1万本の映画の中から、とっておきをご紹介!!

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◇ 週刊「だれでもハズレは観たくない〜幅広く新旧映画紹介〜」 
◆                              
◇             第79号 2008.2.6                
◆                               
◇              主宰 slow             
◆                                 
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●はじめに●

先日犬歯の隣の歯がかけたため、急遽歯医者へ行ってきました。
どうやら前にも少しかけていて、そこから虫歯が広がり全体を
侵食していたようです。かなり深いということで、麻酔をかけ、
すぐに削りました。ものすごく甲高い機械音が響き渡る中、
麻酔のために痛みを感じないというのは、なにやらおかしな気分でした。
「傷」を「傷」として受け止めることは、人としての尊厳なのかもしれません。


●本日のラインナップ●

■1■『KIDS』(劇場公開中)
■2■『茄子 スーツケースの渡り鳥』(レンタル中)
■3■『ルネッサンス』(レンタル中)


☆    ☆    ☆    ☆    ☆    ☆    ☆

『KIDS』


ある事件を起こしたアサトは、小さな夢をかなえるために、
タケオのいる町へやってきた。二人はやがて親友となるが、
アサトのもつ能力――ひとの傷を自分の体に移動する(あるいはその逆も可能)
――がやがて彼らを翻弄する。乙一・原作。

タイトルとは裏腹に、なんとも悲しい物語です。
傷―KIZ−KIDS、という原作にも象徴されるように、
消すに消せない二つの傷、体に残る傷と、心の傷をめぐる、残酷な青春です。
背負いたくて背負ったわけではない過去の苦悩・忌まわしい記憶、
それをひた隠し、ひっそりと生きる主人公たちに、せつなさとやるせなさと、
そんなどうしようもない運命に憤りを感じました。

タケオ役の玉木宏は、ホントいろんな作品に出ますね。
そして、強い役からスマートな役、なよなよした役など、何でもできてしまう
ところがすばらしい。
ワイルドな『KIDS』、スマートでコミカルな「のだめ」、
ふつうな『ミッドナイト・イーグル』、頼りない「鹿男」、
誠実な『雨鱒』、純朴な『ただ、君を愛してる』。
こんな感じの芸の幅広さ。
小池徹平のアサト役は、女子ファンをさらに増やしそうな超好青年役。
いい役をやりましたね。バケモノと呼ばれた能力に悩みながらも人のために
使おうとする心の優しさ。その分だけ、中盤、2つの残酷な現実に直面する
ときには、彼の「傷」とあいまって、いっそう深い悲しみを誘います。

それでも決して悲しいだけの話ではありません。
ラスト、絶望するアサトに人の優しさが染みていきます。

そのぶんもったいなかったのは、んー、演出でしょうか。
ロケシーンでの俳優への光の当て方が強すぎたり、妙に古臭い映像が
気になったり、店の中への光の入り具合がほかのシーンとテイストが違ったり、
大切なアサトのキスシーンで映像テイストが切り替わったり・・・
もっと自然な映像を重ねてほしかった!


☆    ☆    ☆    ☆    ☆    ☆    ☆


『茄子 スーツケースの渡り鳥』


前作、『茄子 アンダルシアの夏』の続編。
ジブリ作品のスタッフだった監督の作品とあって、テイストはジブリアニメと
非常に似ています。しかしながら、今回は舞台が日本ということで、
景色の目新しさはなく、世界観自体は少ししぼんだ感じでしょうか。
映像はスピード感がありすばらしいです。
ただ、ストーリーもあまり深みがなく、レース中心であったところが残念。
気楽に観られる作品ではあります。


☆    ☆    ☆    ☆    ☆    ☆    ☆


『ルネッサンス』


海外の映画祭で映像革命であると絶賛され、グランプリ受賞したアニメーション作品。
なんでも、構想10年、総制作費25億とか。
近未来のパリを舞台にしたハイテク企業の陰謀とそれを追う刑事の物語。
全編モノクロというのも驚きですが、実写のようななめらかな動きと、
ときに切り絵か版画のような表情。
これいったいどうやって作ったんでしょう。
そういう点ではものすごい映像革命。こんなの観たことありません。

しかしながら、全編モノクロはやっぱりちょっときつかった・・・
そもそも人物の識別が非常にしづらい。
そして、ストーリーはどこかで見たような感じの焼き増し。
構想10年かけている間に古びたとしたら残念です。
これがもし実写だったらどうだったか、
おそらくそれなりの、普通の作品なのでしょう。




週刊『だれでもハズレは観たくない』
主宰 slow

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