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「地球ことば村・世界言語博物館」は、日本語から世界の先住民族の言語まで、様々なことばや文化に親しみ、ことばで人を結んでいくことを目指して活動するNPOです。無料のサロンなどのイベント情報や、書評、エッセイなど、ことばに関する話題が満載です。

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2009/12/01

地球ことば村メールマガジン

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        地球ことば村 メールマガジン
             第 32 号
         2009年12月1日発行
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“ことばの花 咲きみだれる 地球へ”― NPO法人地球ことば村・
世界言語博物館は、“ことばで人を結ぶ”をキーワードに、世界や日本
のことばの多様性を守る活動をしています。
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早いものでもう12月です。皆さまにとって今年はどんな一年だった
でしょうか?今週末には、今年のことば村を締めくくるイベント、
ことば村ミステリー・パーティーを開催します。朗読と音楽で繰り
広げられるミステリーの世界をぜひお楽しみください!!
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【目次】
◆ イベントのお知らせ
 ◇ 地球ことば村ミステリー・パーティー
  「B13号船室」「消えた花嫁」
◆ イベントのご報告
 ◇ 11月のことばのサロン シリーズ「よみがえる ことばたち」6
  「ケルノウ語はいかにして復興したのか」
◆ インタビュー“ことばと私”(2)
 ◇ ことば村の“マドンナ”― 佐野彩
◆ 今月の1冊
 ◇ 小熊英二『<日本人>の境界』

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◆ イベントのお知らせ ◆
◇ 地球ことば村ミステリー・パーティー
 「B13号船室」「消えた花嫁」◇
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本邦初演!
本格ミステリーのキング:ディクスン・カーのラジオドラマを二本
朗読と音楽で!
ことばと音楽が織りなす サスペンスのひととき
今年の最後をドキドキで締めくくる・・・
船の上で始まる ふたつの失踪劇!最後には思いがけない
どんでん返し。さて、犯人は・・・?
ことば村の新訳によるラジオドラマを、朗読劇に脚色して
お届けします。ぜひお楽しみください。

原作:ディクスン・カー
翻訳・脚色:地球ことば村
朗読:演劇集団たつのおとしご会
音楽・ピアノ演奏:早川修司
司会:籏野智紀

日時:12月5日(土)午後3時~4時30分
会場:テッド・アート・スタジオ
(渋谷区恵比寿南2-8-13キョウデンビル7階(恵比寿駅西口徒歩8分))
 地図→ http://tedart-studio.com/41.html
参加費:3000円(ことば村会員2500円)ドリンク付
お申込み・お問い合わせ:地球ことば村事務局
(e-mail: info@chikyukotobamura.org または tel: 03-5798-2828)

 前回のメールマガジンでもお知らせしましたが、いよいよ今週末の
開催になりました。ことば村オリジナルの翻訳、脚色のミステリーを
この機会にぜひお楽しみください。

★ 2010年1月以降のイベントの予定 ★
☆ 1月23日(土)ことばのサロン
  シリーズ「よみがえる ことばたち」7
 「アイヌ語とアイヌ文化を生きる(仮題)」
  話題提供:丸子美記子先生(アイヌ・ウタリ連絡会代表)
  第14回言語学ゼミナールも同日開催。
☆ 2月のことばのサロン:未定
☆ 3月22日(月・祝)シンポジウム「多言語社会 日本」


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◆ イベントのご報告 ◆
◇ 11月のことばのサロン シリーズ「よみがえる ことばたち」6
 「ケルノウ語はいかにして復興したのか」◇
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 11月14日(土)慶應義塾大学で「よみがえる ことばたち」シリー
ズ第6回のサロンが開かれました。講師は上智大学の木村護郎先生、
タイトルは「ケルノウ語はいかにして『復活』したか」でした。

 ケルノウ語とはイギリスの南西部のコーンウォール半島で話されて
いたケルト系のことばのことです。ケルノウ語は18世紀末には最後の
話者を失ってしまったが、近年復活に成功した世界でもまれな言語で
す。

 木村先生はこの奇跡のようなできごとが、どのようにして起こった
か詳細に検証し、その報告をしてくれました。ケルノウ語はアーサー
王伝説や『トリスタンとイソルデ』などの母体となった歴史のある言
語です。文献は残っているのですが、優勢言語である英語の前にその
話者はいなくなってしまった。

 ケルノウ語がなくなっても英語でコミュニケーションできるのだか
ら、ことばがコミュニケーションの道具だと考えれば復興などしなく
てもいい。しかし、ケルノウの人々は20世紀初頭から自分たちのアイ
デンティティーを再確認するためにもケルノウ語を復興しようと考え
た。まず固有名詞が復活し、ケルノウの儀礼が復活し、それにともな
うケルノウ語が復活した。そして、ケルノウ語による文学や創造的活
動が甦る。そのドラマの展開を木村先生は実に論理的に整理して語っ
てくれた。

 人はなぜ失われた言語を復活しようとするのか。復活とはどういう
ことか。もし、日本人が万葉人のことばを復活して万葉語で話はじめ
たらどんな意味があるのか。木村先生は復活とは復元ではないという。
復活とは古いものに新たな生命を与えることであり、創造を伴うもの
であるという。

 英語はケルノウ語を消滅に追いやった。しかし、英語はまたケルノ
ウ語から恩恵も受けている。英語を話すイギリス人もケルト系の文化
からさまざまなものを受け継いでいるのである。『ハリー・ポッター』
を読んでみてもそのことはよくわかる。ケルノウ語の復活はコーン
ウォール半島のできごとに留まることなく、イギリスの文化全体を豊
かにするという広がりをもっている。

 会場にはケルノウ語の話者も来てくれて、実際にケルノウ語の文章
を読んでくれた。ケルト語も大きく分ければインド・ヨーロッパ語族
に属するそうだが、聴覚印象はだいぶ英語とは違う。

 お互いに顔のみえる会にしようと、事務局では会場の机をあらかじ
めロの字形にしておいたが、それでは坐りきれず満席であった。木村
先生の早口ながら明快な論理、ことばについて考え抜かれた発言が印
象的であった。なおケルノウ語は木村先生の博士論文をなしていて、
その論文の概要はパソコンで検索できる。 (小林昭美)


★ 講演要旨は近日中にことば村サイトに掲載する予定です。


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◆ インタビュー“ことばと私”(2)◆
◇ ことば村の“マドンナ”― 佐野彩(ことば村運営委員)◇
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――ことば村とのそもそものなれ初めは?

修士課程を終わった時これからどうしようかと悩んでいたんです。翻
訳の仕事を本格的に続けようかとか。○○とか。そんなあるときパソ
コンをたたいていたら「ことば村」というのが飛び込んできたんです。
危機言語。滅び行く言語。研究と社会をつなぐ活動。私の求めていた
ものは「これだ!」と思ったんです。

――出会い系サイトの感じですね。

ことばにはもともと興味があったんです。親が海外勤務が長くて、小
さい頃は海外でしたし、その後も親の赴任先に旅行で行っていました
ので。大学ではフランス語を勉強しました。

――この前、ことば村でフランスのイタリア・スイスにまたがる地域
で話されているサヴォワ語について話してくれましたよね。

修士論文がサヴォワ語だったんです。高校生のあるとき田中克彦の
『ことばと国家』を読んで衝撃を受けてしまったんです。私が興味を
持っているフランス語というは、こんなにたくさんの地域語を衰退に
追い込んでしまったのだ、とはじめて気がついたんです。もうフラン
ス語なんかやめてしまおうかな、とも思いました。

――でもフランス語なら食べていけるけど、サヴォワ語じゃ就職口も
ないでしょう。

いいんです。ともかく糊口をしのげれば、あとは自分の志にあった生
き方を選びたいんです。幸いに今は慶応大学で研究補助の仕事をさせ
てもらえていますので。

――ユネスコの仕事もしているんでしょう。

そうです。みんなことばで繋がっているんです。社団法人日本ユネス
コ協会連盟というのがあって、ユネスコの理念に賛同して活動してい
る全国のユネスコ協会の連盟体です。東京にある連盟の事務局でしば
らく働いていたのですが、今は鎌倉のユネスコ協会で活動しています。
これもやりがいのある仕事だと思っています。

――フランスでもイタリア・スイスの国境ではフランス語でないこと
ばを話している人がいたとすれば、コルシカ島出身のナポレオンは正
しいフランス語を話せたんですかね。

コルシカ語訛りのフランス語だったかも知れませんね。でも、フラン
ス語が話せなければ軍隊は指揮できないでしょう。よく調べてみま
しょう。

 いつも控えめなマドンナはわずかに聞きとれるようなしとやかな声
で答えた。ことばは蟻地獄のように人を引き込んでしまう魅力をもっ
ているようだ。

 やがて、あまり遠くない未来に白馬にまたがった騎士があらわれて
「このミステリアスな才女は僕が護らねばならい」とフランス語で、
いやサヴォワ語で宣言する日がくるのではないか。そんな気がした。
(聞き手:小林昭美)


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◆今月の1冊 ◆
◇ 小熊英二『<日本人>の境界』(新曜社、1998年)◇
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小熊英二の本はとにかく厚い。この本も800ページ近くあって、寝
転んで読むには重過ぎる。しかし、この人の本は構想の大きさ、その
言説を支える資料の豊富さと新鮮さに圧倒されて、読んだ後失望する
ことは決してない。

本は副題に「沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮 植民地支配から復帰運動
まで」とある。この本は日本が近代国家になった明治時代からこのか
た、日本人とは何であったかを問うている。そこには歴史によって日
本人にされた人びとがおり、日本から切り捨てられた皇国の民がいる。

アイヌは1997年まで北海道旧土人保護法の対象とされつづけた。敗
戦までに兵士となった朝鮮人だけでも十一万人いる。敗戦にともなっ
て樺太、台湾、朝鮮は日本の領土からきりはなされ、その地に住んで
いた非日系「日本人」は、「日本人」ではなくなった。これらの人びと
が1945年から51年までは「日本人」であって「日本人」でないとい
う位置づけが継続されたのち、52年にサンフランシスコ講和条約が発
効したあと、日本国籍が無条件に一斉剥奪された。

この本の魅力はそうした歴史を現在の視点で告発するのではなく、
その時代に朝鮮の人びとがどのような理想をかかげ、言説をくりひろ
げていったかを丁寧に追っていることである。一視同仁、八紘一宇な
どの大理想が語られ、言語の統一、風俗の改良、尊王愛国の情の育成
などが必要とされた。「朝鮮は帝国の一地方であって植民地ではない」。
植民地支配や人種主義は欧米に存在するものであって、日本には無縁
だという主張が一般に支持されていた。

言語についても「日本語は日本人の精神的血液なり」「国語ハ国民
精神ノ宿ル所」「韓国の言語は、わが大日本帝国と同一系統に属せる
ものにして、わが国語の一分派に過ぎざること、恰も琉球方言のわが
国語におけると同様の関係にある」などである。

こうしたなかで朝鮮では必修だった朝鮮語が1938年には随意科目
に格下げされた。台湾でも1937年には随意科目として残存した漢文
が廃止された。そしてやがては創氏改名にいたるのである。

この本は小熊英二の博士論文をもとにしたものだそうである。小熊
英二は言語学者ではない。重さにして1.2キロある本を読む時間の
ない人には三浦信孝・糟谷啓介編『言語帝国主義とは何か』をお薦め
する。この本のなかに小熊英二は世界の言語学者にまじって11ページ
の論文をよせている。 (小林昭美)


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てみませんか?詳細はことば村事務局までお問い合わせください。
(e-mail: info@chikyukotobamura.org / tel: 03-5798-2828)


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代金の3%程度がことば村に還元されます。機会がありましたらぜひ
ご協力ください。よろしくお願いいたします。

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盛り上げていきましょう。地球ことば村に興味はあるけれど、いきな
り会員には・・・という方のご参加ももちろん大歓迎です。会員募集
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想をお待ちしています。
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