2009/07/25
瀬戸だより 164号 「釉を掛ける」という話
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 瀬戸だより ~せとものについて話しませんか~ 164号 「釉を掛ける」という話 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ このメールマガジンは毎週つちの日(土曜)にお届けします □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 今週の日食は皆さん、見ましたか?全国的にあまり芳しくな いような天候だったようですね。瀬戸ではやはり曇りの空。そ れでも、雲の切れ間に少しずつ欠けていく太陽を見ることが出 来ました。一番掛け方が大きくなるといわれた11時を回った 頃からは完全に雲の中に入ってしまいました。ちょっと残念で したが、一応見ることは出来たわけです。 せともの作りと言うと思い浮かぶ作業といえば、まずロクロ でしょうか。見る見るうちに職人さんの手の中で土がさまざま な器の形に姿を変えていく様はまるで手品を見ているようです。 あるいは絵付けの作業。繊細な呉須の線、大胆な鉄絵の線。絵 付けの職人さんがいとも簡単そうに引ていく線はなかなかまね ることが出来ません。 または窯焼きの作業。ゴーゴーと響く炎。昔なら薪ですが、今 はガスが主流。窯の形や燃料はさまざまですが、陶器つくりの 最後を締めくくる一番華々しい作業かもしれません。 この窯に入れる前の作業に「釉掛け」というものがあります。 説明するまでもないですが、土から作り出した素地に釉薬を掛 ける作業です。素地に‥‥と言いますが、瀬戸の場合は素焼き をしたものに釉薬を掛けるというのが半分くらい、土を乾燥し たままでという「生」に掛けるというのが半分くらいという感 じでしょうか。 窯元で釉掛けの作業をしているのを見ると、すばやく釉をく ぐらせて網などに伏せていく、ある程度乾いたらもう一度口元 の釉薬をきれいに仕上げていきます。または二人が向かい合わ せで、ひとりが釉薬を掛けるとすぐ次の人が仕上げていくなん ていう場合もありますね。最後に釉が着くべきでない場所の (たとえば高台などの)釉を拭きあげて釉掛け終了となります。 この釉掛けという作業、見た感じではただ大きなバケツに入 れられた釉薬の中にザバッザバッとくぐらせているように見え ますね。でもやってみるとこれがかなり難しい‥‥。感覚や経 験というのがかなり必要な作業です。窯元で釉薬を掛ける職人 さんが替わったりすると、出来上がりもずいぶん違ってきます。 出来る限り均一に釉が掛かるようにしなくてはいけません。 それに均一に掛かればいいというものでもなく、ある程度の厚 みがなくてはきれいな発色をしてくれない、または厚みによっ て印象がずいぶん変わる釉というのも少なくないです(織部な んか特にそう感じます)。しかも釉薬というのは、石や灰が成 分になるので、すぐ沈殿していってしまいます。かき混ぜなが らの作業です。想像以上に神経を使います。 よく湯飲みなどの釉掛けを見ていると(文字で書くとわかり にくいと思いますが)、高台の部分を持って釉に口元を沈めて、 軽く手首を返すように上に引き上げると、「カポッ」という音 とともに器の内側に簡単にきれいに釉が掛かります。簡単そう に見えて、楽しそうなんですよね。これがやってみたくて何度 も挑戦していますが、なかなかうまく出来ません。職人の技な んですね、やっぱり。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 発行者 web-setomono / 加藤兆之助商店 http://web-setomono.com ぜひ、ご感想・ご要望をお寄せください。 ホームページではすべてのバックナンバーを画像入りで見る ことができます。 ****************************** 瀬戸だより~せとものについて話しませんか~ 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000198183.html □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


