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2008/03/29

瀬戸だより 095号 「荷造りと梱包材」という話

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 095号 「荷造りと梱包材」という話 

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  春の引越しのシーズン。陶器の梱包をされている方も多いと
 思います。最近は引越し業者がすべてをやってくれるサービス
 もありますが、結構な費用もかかるようですね。

  せとものというものはガラスと並んで「われもの」の代表で
 す。当たり前ですが落とせば割れます。それを上手に割れない
 ように梱包して(もちろん見た目もよく)発送しなければいけ
 ません。輸送業者も昔と比べれば荷物の扱いはずいぶん丁寧に
 なっているようですが、無事遠くのお客様に品物が届いたこと
 が確認できるとほっとします。
  せともの屋さん、特に問屋さんの仕事で一番重要で手間もか
 かるのはこの「梱包」という作業でしょう。
 陶器そのものをまとめて梱包したり、ギフト用などに個別にき
 れいな箱に詰めたりと、問屋さんの梱包作業にもいろいろあり
 ます。

  今はダンボールであったり、プチプチ(正式には気泡緩衝材
 って言うそうです。エアキャップとかミラパックとかいろいろ
 な商品名があって「プチプチ」もその商品名の一つです)やミ
 ラマットとかの高発泡ポリエチレンシート(やや厚みのある白
 いシートですね)など梱包材料が進歩していますから、ずいぶ
 ん簡単・安全で見た目もよくなっています。

  しかし、昔は陶器の梱包はたいへんな作業でした。昭和30
 年頃にはまだ梱包作業を専門に行なう「荷造り屋」という職業
 が瀬戸にはあったようです。当時の梱包材料は「わら」だった
 ようで、陶器をしばるのもわらの紐、緩衝材もわらを巻きつけ
 るような荷造りだったようです。せとものが割れないように、
 輸送中に梱包が緩むことがないようにするのは、ひとつの「職
 人仕事」だったようです。出荷を準備をしている問屋さんの前
 や駅近くで作業をしている姿が見られたようです。
 こうしてせとものは全国に出荷されていきました。

  個別の箱詰めに使う梱包資材も昔は「木毛」という木を薄く
 糸状にした(うちでは「もくめん」とよんでいましたが、木で
 作った刺身のツマみたいなやつ。今でも高級メロンの箱に入っ
 ていたりしますね)を使っていました。先日、古い木箱を開け
 たところその木毛のカスが出てきました。かつてこれを使って
 ギフトの箱詰めをしていた母には懐かしいものだったようです。
 東京オリンピックの頃はまだこれを使っていたようです。
  その後、その素材がセロハンに換わった「セロメン」(セロ
 ハン紙を細かなシュレッダーにかけて、くしゃくしゃにしたよ
 うなやつです)が使われていました。子どもの頃、うちの店で
 親たちがセロメンを使って梱包していた記憶がありますから、
 昭和40年代半ば過ぎまでは陶器の梱包に使っていたと思いま
 す。木箱にせとものを入れ、隙間をつくらないようにセロメン
 を詰めてフタをするのですが、それはもうせとものが動かない
 ようにとガチガチに押し込んでありました。いったんフタを開
 けるとセロメンがブァーっと広がってしまい、部屋の掃除もた
 いへんだったようです。セロメンも梱包資材として今もあるよ
 うですね。

  そしてその後は、今のようにミラマットなど一枚のシート状
 になった緩衝材が一般的になり、きれいに個別に梱包・包装さ
 れるようになっています。昔のことを考えるとずいぶん便利に
 なりましたね。

  梱包作業はコツとか何かより、ちゃんとした材料があれば楽
 で安全と思います。どの街にも梱包材料を扱っている専門の業
 者がいる思います。引越しなどで大量に梱包・荷造りをすると
 きはそんな専門のところに相談して、ダンボールとかプチプチ
 など用意したほうがいいかもしれませんね(どのくらいの量か
 ら売ってくれるかはわかりませんが‥‥)。


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 発行者 web-setomono / 加藤兆之助商店
 mailto:shopkeeper@web-setomono.com
 http://web-setomono.com

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