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裁判員制度への展望! 実際の「刑事事件」を題材に、裁判所の見解を明らかにしながら、事件の背景にも考察を加えます。法律的な問題点は何か?などを検証します。事実は、小説より奇なり! 人間の「生きざま」が見えてきます。

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2007/06/15

樋口正登の「犯罪・Watch!」第35号

☆☆☆樋口正登の「犯罪・Watch!」第35号☆☆☆
                            2007.06.15発行

 皆さん、今日は。
 皆さんは、警察官に、「職務質問」をされたり、「尾行」をされたことはあ
りますか? 普通の人は、ないですよね。私も、残念ながら?(笑)ありませ
んが、職務質問をされている場面には複数回出くわしたことがあります。たと
えば、夜遅い時間帯に車で信号待ちをしていると、車体の色が黒で、ウインド
ーにはフィルムが張られており、運転している方がかなりラフ!な格好で・・
・というと、見事につかまって?トランクまで開けられています。「お薬とか、
銃刀法のこととかあるので!」などと説明を受けながら、結構たいへんそうで
す。
 どうも、私の場合には、乗っている車は決して地味ではないのですが、ネク
タイをしていることと、髪型が7:3分けなので、まったく気にしてくれませ
ん。たまには、スルーしないで、職務質問してみてよ!などと思ったりもしま
す。
 第35号は、警察官に対する暴行に関する事案です。

★★★尾行中の警察官に水を浴びせても無罪!★★★

大阪地裁昭50.2.25、昭47(わ)3618号

■事件の概要■
 本事例は、職務で尾行中の警察官に対して、尾行に逆切れ!した被告人が、
水桶の中の水を「思いっきりぶちまけた!」ものです。暴行罪や公務執行妨害
罪の適否が問題となりました。

■考察■
 今回の事例では、そもそもの背景として、日雇い労働者と手配師との対立が
ありました。仕事をもらう側と発注する側とのトラブル・・・今でもありそう
ですね。一部の手配師が労働者に不当な取扱いをしたことから、「対立が激化
!」しました。
 夏祭りの時期でもあったことから、地元警察は警戒感を強め、予防と鎮圧の
ために5〜6名を検挙しましたが、他の者を尾行中に、水をかけられるという
事態に・・・。
 被告人は、公務執行妨害罪で逮捕されることになりましたが、裁判所の判断
は冷静でした。

■判決■
 今回の判決では、被告人は無罪となりましたが、裁判所の認定には特長があ
ります。もともと、執拗な尾行に対して、被告人は口頭では抗議をしていまし
た。それでも、露骨に尾行を続けたことから、逆切れをされましたが、これは、
口頭による抗議の一環に過ぎず、軽度の実力行使と認定されました。警察官の
衣服も、短時間で乾いており、処罰する必要性がないと判断されました。

■編集後記■
 警察というと、頻繁に不祥事があったりしますが、ノンキャリアで採用され
た者を、法律的な知識があるところまで教育するのは大変なのでは?と思いま
す。
 個人的には、資格の学校で法律科目を教えておりますが、受講生さんで、元
警察官という方や、現警察官という方がいらっしゃったことがあります。その
方に聞いたところによれば、警察学校では、「憲法」は教わるものの「刑法」
はやらない!そうです。あとは、現場に出てから「勘」で勝負!だそうです。
 危なくないの? いろいろな意味で。

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■発行者プロフィール■ 
 90年司法書士試験合格、東京司法書士会会員。資格の学校で、法律科目を
教えております。

 発行者サイト  http://blog.goo.ne.jp/goo747-400dom/
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