2009/02/13
映画のなかの人生…Vol.859「悲夢」★★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】 映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、 そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。 _ __________________ Vol.859「悲夢」★★ 2009.2.13(金)  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【1】STORY 失恋した男が夢を見ると、その夢の通りに動く女がいた。 奇妙な事態を前にして、二人は眠ることすらままならない。 【2】Michelin 渋谷、新宿での2館上映。空いてるので、いつでも。 【3】Review 設定はわかるが、展開は常識を超越し、さすがに意味不明。 【4】Column 人が人を愛することは、2人の自分を認めることだ。 _______________________________________________________ひむ 天才キム・ギドク監督の新作は、なんとオダギリ・ジョーが主演。 確かに、あのワイルドな雰囲気は、ギドク映画の粗野な部分には 通じるものがあるような。今回もギドク作品はファンタジー路線、 たとえ話で真実をわかりやすく…とは、今回は行かないようで。 <オフィシャルサイト> http://www.hi-mu.jp/ ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃1┃ STORY (観ていないあなたへ) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 失恋した男が夢を見ると、その夢のとおりに動く見知らぬ女が。 ひき逃げや、押しかけなど、無茶な夢ばかり見る男に対して、 女は激怒。2人は事態の悪化を防ぐため、できるだけ寝ないよう 努力するのだが、もちろんそんなことはできず、事件は深刻に…。 ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館での2館上映。 もう空いているので、いつでも大丈夫でしょう。 もちろん、スクリーンは渋谷の方がずっといい。 ▼渋谷 ヒューマントラストシネマ渋谷 10:15/12:30/14:45/17:00/19:15〜21:05(終) ▼新宿 新宿武蔵野館 〜2/20(金) 10:30/12:40/14:50/17:00/19:10/21:15〜23:00(終) 2/21(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃3┃ Review (観おわったあなたへ) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ポイント】★★ <内訳> テーマ :★★ ストーリー :★ キャスト :★★★ スタッフ :★★★ >テーマ ★★ 最初の設定は、ゾンカの「天使が見た夢」と同じだと分かるが、 後半にかけて、これは誰にも分からない内容になったような…。 >ストーリー ★< 前半は設定もわかりやすく、コミカルな場面も目立つのだが、 後半になって、もはや脈絡を無視した展開になって眠くなる。 >キャスト ★★★< オダギリは、いつも通りだし、女優さんはキレイなのだが、 2人ともギドク映画特有の、鬼気迫る逼迫感は感じなかったなあ。 >スタッフ ★★★< 今回は白と黒、夜の青など、色づかいにだいぶ工夫をしたりと、 実験作のような印象を受ける。きっと次は新しいギドクの誕生か。 >総評 ★★< うーん。ギドクの映画はいつも謎解きですが、 今回は、決して解けない謎を描いてしまったような…。 それくらい、後半は支離滅裂。 筆者が首をかしげるくらいなので、 多くの人々は、怒りすら覚えるのでは。 実際キム・ギドクは、今回は勝手に解釈すればいい、 と、かなり大胆な発言をしているようで、 他にも古い建物や(あそこに一人暮らしの女性はいないだろ)、 さまざまな色づかいなど、実験的な要素が多い印象。 そのなかで、役者たちも戸惑ったのか、 ギドク映画らしい、痛々しいひたむきさが、 この映画では、ちと弱い気がします。 まあ、そういう映画を撮るときもあるでしょう。 なんて、たまにしか映画を観ない人は、 決して言わないだろうから、怒るわな、そりゃ…。 ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃4┃ Column (観おわったあなたへ) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この映画を観て、最初に思い出したのは、 エリック・ゾンカの「天使が見た夢」である。 何もかも正反対の2人の少女が、 病気で寝たきりの少女の家に勝手に住み着き、 ケンカを繰り返して、仲良くなれない。 それは、病気の少女の心のなかを描く、 まさに胡蝶の夢のような映画であって、 彼女が目覚めると同時に、物語は終わるのだ。 どちらが事実で、どちらが夢か、分からずに。 ところが、困ったことにこの映画では、 出てくる2人の男女が、ともに実体を持つ。 第三者がいないので、これは2人の物語である。 2人は同一人物のようだが、同一ではないのだ。 2人は眠っている時だけ、行動をともにするが、 起きているときは、いつもケンカをしている。 お互いに、忘れられない失恋を通して、 昔の恋人とつながったり、憎んだりしている。 眠っている時は、こんなに幸せなのに。 どうして、目覚めなければならないのか? 夢のなかでは、人はいくらでも幸せになれる。 恋人と、いくらでも抱き合うことができる。 でも、それはあくまで夢のなかでの出来事。 自分勝手な妄想から目覚めると、 代償には、手痛い恋人からの仕返しが。 どうして、彼女の思い通りにしないのか? どうして、自分勝手に人を動かそうとするのか? では、ずっと目覚めていれば良いのか? 何の夢も見ず、妄想も抱くことなく、 ただひたすらに、恋人を眺めるのか? 彼女に自由を与えるために。 彼女を自分の見ている夢で、 勝手に動かさないために? 人が人を愛することは、 相手を見つめることと、 相手に夢見ることとを、 いつも合わせ持っているのだろう。 好きな人を、思い通りにしたい欲望と、 好きな人に、自由でいてほしい欲望と。 その夢と現実を、交互に行き来しながら、 あるときは夢のなかの蝶として楽しみ、 あるときは現実の人間として人を愛する。 どちらか片方でいられるなんて、 きっと、誰にもできないことだ。 恋人を支配し、恋人を傷つけ、 恋人を放置し、自分に傷つく。 そんな関係を、何度も繰り返しながら、 人はそれでも、誰かを愛そうと努力する。 人は本当の自分を、誰でも2人抱えているのだ。 そうか、それはゾンカの映画も、同じだったな。 2009/2/13 ヒューマントラストシネマ渋谷にて。 ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃5┃ 次回予告 ほか ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ その他、筆者からのお知らせなどなど。 ★次回予告「ベンジャミン・バトン」……………………………… ブラピとブランシェット、ブラブラコンビの映画は大人向けの ファンタジー映画のようなもの。年老いて生まれた主人公が、 次第に若返っていくという奇妙な設定から、人生の悲哀や、 素直な感動が読み取られていく…というものらしい。長そう…。 で、次回もお楽しみに。次回は来週火曜の予定。 http://wwws.warnerbros.co.jp/benjaminbutton/ ★今後の予定など……………………………………………………… とりあえず、目についているものを観てきます。 以下のものはどれも全部観たい…なんとしても。 「誰も守ってくれない」http://www.dare-mamo.jp/ 「チェ 39歳別れの手紙」http://che.gyao.jp/ 「チェンジリング」http://www.changeling.jp/ というわけで、これからもお楽しみに。 ★最新情報はブログにて!!………………………………………… ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。 http://filmandlife.seesaa.net/ ※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check! ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、 小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。 また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、 映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。 ぜひぜひアクセスしてください!! ★これまでのバックナンバー………………………………………… バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、 それぞれ以下のページをご参照くださいませ。 http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ) http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ) メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。 ただし検索機能がついておりませんので、 ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。 http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ) ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【映画のなかの人生、映画のような人生。】 Vol.859 2009年2月13日 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/ (C)2001-2009 Ak. All rights reserved. ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


