2009/01/20
映画のなかの人生…Vol.856「禅」★★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】 映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、 そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。 _ ___________________ Vol.856「禅」★★ 2009.1.20(火)  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【1】STORY 中国で教えを受けた道元は、日本で新しい禅を始めるが、 その独特の教えは、信者を増やしつつも迫害を受けていた。 【2】Michelin シネカノン有楽町2丁目ほか。けっこう混んでいる模様。 【3】Review テーマはあったはずが、史実に埋もれていった気がする…。 【4】Column ありふれている日常と、ありふれている人間が、最も尊い。 ________________________________________________________ZEN 前作「火火」では、執念の陶芸家を描いた高橋伴明監督の新作。 曹洞宗の開祖、道元が、いかにして座禅を切り開いていったか、 鎌倉時代の世相とともに描くらしい。主演は歌舞伎の中村勘太郎。 最近、映画で活躍する歌舞伎役者の方も多くなりましたね…。 <オフィシャルサイト> http://www.zen.sh/ ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃1┃ STORY (観ていないあなたへ) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 中国で教えを受けた道元は、ただひたすらに座禅を組むという、 新しい禅を日本で始める。地味な仕事もいやがらず、飾らない 道元の姿に、信徒の数は増えていくのだが、新興勢力の台頭を 快く思わない他の宗派は、道元の一派を弾圧しはじめる。 ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シネカノン有楽町2丁目ほか、いくつかでやってます。 この主演の勘太郎さんが人気なのか、 けっこうお客さんが入ってるようです。 初回の10時でも、30人ちょっと入ってました。 週末は少し、混むかもしれませんね。 ▼有楽町 シネカノン有楽町2丁目 10:20/13:00/15:45/18:30〜20:50(終) ▼渋谷 ヒューマントラストシネマ渋谷 10:00/12:50/15:40/18:30〜20:50(終) ▼新宿 角川シネマ新宿 10:30/13:15/16:00/18:45〜21:10(終) ▼東武練馬 ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 〜1/23(金) 10:10/12:55/15:40/18:35〜21:00(終) 1/24(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃3┃ Review (観おわったあなたへ) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ポイント】★★ <内訳> テーマ :★★★ ストーリー :★★ キャスト :★★ スタッフ :★★ >テーマ ★★★ 道元が、どのような過程を経て悟りを開いたかは分かりづらいが、 その人となりを伝えよう、という点は、ちょっと面白かった。 >ストーリー ★★< 詳しく知らない人物なので、次々と続くエピソードは興味深いが、 全体的な物語として、何だったのかは全く分からないまま。 >キャスト ★★< 中国人を演じる日本人キャストも、若い頃の道元の雰囲気も、 道元以外のキャラに、求められるべき多彩さもなくて、困った。 >スタッフ ★★< どこに、この映画の焦点を置いているのかが、分からない点が、 演出を難しくしている。哲学なのか、時代物なのか、うーん。 >総評 ★★< せっかく、興味深い人物を取り上げたのに、 伝記物にありがちな、史実を並べるだけになった点が、 どうにも残念。その一言に尽きると思う。 最初の頃のエピソードから、この道元という人が、 とても飾らない人なのだろう、という部分を描くのか、 と思っていたのだが、なぜ、こんな展開になったのか。 やはり前作は、田中裕子の力演に尽きるのかな。 中村勘太郎は、悟りを開いてからはともかく、 若い頃の演技が、どうもしっくりこなかったな…。 あんまり、映画っぽくない印象でしたが。 ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃4┃ Column (観おわったあなたへ) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 何気ないところで、目を閉じる。 それだけで、気づかなかった音に気づく。 外で吹く風の音。行き交う人々の足音。 見知らぬクルマのエンジン音。誰かの笑い声。 気づかないところに、さまざまなものがある。 それは、昔から何も変わっていない。 まして、大自然のなかで目を閉じたなら。 木々の揺れる音や、草のなびく音や、 川の流れる音や、雨音、虫たちの声は、 きっと何千、何万年も前から変わらない。 私が座禅をしたことがあるのは、 せいぜい小学校の遠足のおまけだった。 只管打坐と言われても、読めなかったし、 もちろん、理解できるはずもなかった。 ひたすらに、座って座りつづける。 悟ることさえ忘れて、座りつづける。 それが道元の目指した、禅の姿だった。 その一方で、彼は地味な仕事を大切にした。 食事の用意も、草むしりも、日々の農作業も。 そして、弟子たちの喜びや悲しみに耳を傾け、 信徒たちの嘆きや苦しみに、ともに涙した。 都に近い大きな寺ではなく、 最後まで越前の小さな寺にいた。 偉大な人物であるにもかかわらず、 つねに謙遜を忘れない人物だったと、 この映画では、描こうとしていたのだろう。 一歩間違えば、同じ禅寺でも、 かの「ファンシイダンス」のように、 物欲にまみれた状態になってしまうはず。 しかし道元は、静かに座りつづけているからか、 小さな人々の、小さな嘆きや苦しみにまで、 深く共鳴し、彼らとともに生きようとしている。 目を閉じて座ると、きっとたどりつくのだろう。 ありふれた日常に感謝し、 ありふれた自分に感謝する。 それがいかに難しく、尊いことか。 最も、何が悟りかは、よく分からないし、 道元が実際に、どうして座るのかは、 この映画からだと、よく分からないままだ。 でも、目を閉じれば私も気づく。 そこには変わらない世界があり、 そこで私は生きていて、ぼんやりしていると、 大切なことを、見逃しているかもしれないと。 どんな瞬間にも、学ぶべきことがあり、 忘れていることがあり、驕ってはならない。 大人になってしまうと、誰も戒めてくれない。 座るというのは、大人には良い戒めなのかもしれない。 2009/1/20 ヒューマントラストシネマ渋谷にて。 ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃5┃ 次回予告 ほか ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ その他、筆者からのお知らせなどなど。 ★次回予告「きつねと私の12ヶ月」………………………………… 「皇帝ペンギン」のリュック・ジャケ監督が、再び描く自然映画。 今回はちゃんとした物語があるらしい。しかし、映画館において ドキュメンタリーや自然美などが、これだけ上映されるとは…。 キツネがテーマか。うどん以外には、あんまり見かけませんが…。 で、次回もお楽しみに。次回は金曜の予定。 http://kitsune12.jp/ ★今後の予定など……………………………………………………… 今月は、あと以下の4本の予定。 「レボリューショナリーロード」から、 いよいよ今年のアカデミー賞候補作が、 日本でも公開されていく季節でしょうか。 レオ様とウィンスレットの再共演ですが、 どちらかというと、サム・メンデス監督の、 「アメリカンビューティー」のマジメ版、 のようなイメージが、予告編からはしました。 ちなみに「エレジー」でもペネロペ・クルスが、 オスカーに出てくるのでは、との噂ですが。 ペネロペ…「オープンユアアイズ」が一番だったな…。 レオ様も「ギルバートグレイプ」が一番だったか。。。 「007 慰めの報酬」 http://www.sonypictures.jp/movies/quantumofsolace/ 「エレジー」http://elegy-movie.jp/ 「誰も守ってくれない」http://www.dare-mamo.jp/ 「レボリューショナリーロード」http://www.r-road.jp/ というわけで、これからもお楽しみに。 ★最新情報はブログにて!!………………………………………… ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。 http://filmandlife.seesaa.net/ ※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check! ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、 小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。 また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、 映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。 ぜひぜひアクセスしてください!! ★これまでのバックナンバー………………………………………… バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、 それぞれ以下のページをご参照くださいませ。 http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ) http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ) メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。 ただし検索機能がついておりませんので、 ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。 http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ) ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【映画のなかの人生、映画のような人生。】 Vol.856 2009年1月20日 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/ (C)2001-2009 Ak. All rights reserved. ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



