映画のなかの人生、映画のような人生。  RSSを登録する

「映画とは人生を2時間で切り取るもの」。映画を評価するだけではなく、映画から感じとった生き様や感動を伝える1000文字のコラム。ありふれた日常のなかで、何かを考えてみたいアナタに、ぜひ。

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2009/01/09

映画のなかの人生…Vol.854「PARIS」★★★

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


_              ______________
  Vol.854「PARIS」★★★       2009.1.9(金)
 ̄               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  【1】STORY
   心臓病に犯された男とその姉を軸に、パリに住む人々の
   日常的な生活や、恋愛模様を次々と描いていく群像劇。

  【2】Michelin
   渋谷ル・シネマでの単館上映。恐ろしく混んでいて大変。

  【3】Review
   群像劇としての完成度は高い。あとはメッセージの中身か。

  【4】Column
   大都市の美しい夜景には、足下のひとりひとりが映らない。

______________________________________________________PARIS

「スパニッシュアパートメント」で知られるクラピッシュ監督の
新作は、パリを舞台にした得意の群像劇。それにしても、まあ、
本当にパリは映画の舞台、群像劇の舞台として使われますねえ。
キャストはビノシュの他、けっこう豪華メンバーが集結している。

<オフィシャルサイト>
http://www.alcine-terran.com/paris/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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心臓病に冒された若い男。その姉は弟を看護する決意をする。
その街の界隈では、八百屋や魚屋があり、それぞれの事情で、
出逢いと別れを繰り返している。ある場所では、大学教授が
自分の教え子に惚れ込むが、彼は奇妙な考えの持ち主で…。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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渋谷ル・シネマでの単館上映。
連日混雑しているようです。
できれば1時間前には整理番号を確保したいところ。
サイトも参考にしてください。
http://www.bunkamura.co.jp/cinema/time/

そういえばル・シネマは20周年だからなのか、
火曜日は男女ともに1000円になったそうで。
こりゃあ火曜日に行くしかない?!

▼渋谷 ル・シネマ
〜1/23(金)10:30/11:00/13:40/16:20/19:00
1/24(土)〜11:00/13:40/16:20/19:00


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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
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【ポイント】★★★

<内訳>
テーマ   :★★
ストーリー :★★★
キャスト  :★★★
スタッフ  :★★★

>テーマ ★★
群像劇としては楽しいのだが、最後にまとめた段階として、
どのように受け止めるかは、完全に観客にゆだねられてしまう。

>ストーリー ★★★<
これだけ多くの人物の物語を、きちんと整理して、テンポ良く、
しかも楽しく収める技術は秀逸。さすがは群像劇のプロ、かな。

>キャスト ★★★<
ビノシュほか、フランス映画を観る人なら、観たことあるような
キャストばかり。どの場面を観ても、安心して観ていられる。

>スタッフ ★★★<
この人の室内を撮る技術には驚かされる。狭い空間のなかで、
人間と人間とのつながりが暖かく映る。パリの風景も美しい。

>総評 ★★★<
典型的な群像劇で、きちんと最後まで楽しめます。
いかにもフランス風な恋愛劇もありますが、
時にはアフリカ系移民や、人生について、
きちんと語る社会派の場面も映ります。

コミカルな場面も、ちゃんと面白く。
ファブリス・ルキーニが精神科医をこき下ろす場面は、
「親密すぎる打ち明け話」を観ていれば、笑えるはず。

ただ、だから最後にどうなるの?
と言われると、ちょっと困ってしまいます。
そういう作り方もあるとはわかっていますが、
やはり、筆者はそこに何かを期待してしまうので。

ま、美しいパリ、フレンチな男女関係、
そんなものを楽しめるだけでいい、
というのであれば、それでいいのでは。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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たまに、東京の夜景を眺めていると、
本当にこの街は広いと、感慨に浸るときがある。

この街では、これだけ多くの人が、暮らし、働き、
どこかで笑ったり、泣いたりして、生きているのだ。
長い歴史の末に、人類がたどり着いた結末だと思えば、
この生き物は、とんでもない進化を遂げたものだと思う。

しかし、そんな外観にとらわれていては、
足下に潜む、ひとりひとりの暮らしぶりを、
理解することは、きっとできないだろう。

同じように、パリも美しい都市で、
都市そのものが、世界に誇るべき文化財であり、
数多くの人、数多くの人種、民族が住んでいて、
それぞれの事情を抱えて、それぞれに生きている。

口べたな教授や、魚屋のオジサンさえ、
そこでは逢ったその日に女性と関係を持つ。
だってここはフランスだから。
本当かどうかは知らないが。

人を生まれで差別するようなオバサンもいるし、
全く気にしない金持ちのマドモアゼルもいるし、
美人なのに、再婚しないでいる子持ちのマダムも、
幸せな家庭を築いている建築士も、いたりする。

みんな、仕事がないとか、命が危ないとか、
ダンナと別れたとか、再婚したいだとか、
それぞれの事情で悩んでいたり、いなかったり。

でも、そんなことで悩んでいられるのは、
きっと、それでもここが平和な街だからだろう。

大都市は、世界中から人々を惹きつけている。
たくさんの移民が、今日もパリを探している。
たくさんの人々が、今日もパリに根を下ろす。

ここは魅力的だから、たとえ不満があっても、
パリの人々の暮らしに、誰もが憧れるのだから、
次々と人々を引き寄せ、厳しい現実をも突きつける。

最後のセリフは、ちょっと突き放してもいるようだ。
大都市は、その大きさのあまり、足下に問題を隠してしまう。
東京の夜景を、もう一度振り返って眺めてみても、
やはり足下に生きる人間の姿は、夜景のなかに入らない。

大都市で生きるということは、周りが見えなくなる。
ひょっとしたら、そういうことなのかもしれない。
自分がそこから、追い出されることのないかぎり…。

2009/1/9 渋谷ル・シネマにて。


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┃5┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「チェ 28歳の革命」……………………………………

チェ・ゲバラの映画が多くなりましたねえ。「モーターサイクル
ダイアリーズ」の影響は大きいんだろうなあ。本当の彼の姿、
いったい皆さんはどう考えているんだろう。今回はベニチオ・
デル・トロ主演。でも監督はソダーバーグなのが不安だな…。

で、次回もお楽しみに。次回は来週火曜の予定。
http://che.gyao.jp/


★今後の予定など………………………………………………………

今月は、だいたい以下のような予定。
「レボリューショナリーロード」から、
いよいよ今年のアカデミー賞候補作が、
日本でも公開されていく季節でしょうか。

レオ様とウィンスレットの再共演ですが、
どちらかというと、サム・メンデス監督の、
「アメリカンビューティー」のマジメ版、
のようなイメージが、予告編からはしました。

ちなみに「エレジー」でもペネロペ・クルスが、
オスカーに出てくるのでは、との噂ですが。
ペネロペ…「オープンユアアイズ」が一番だったな…。
レオ様も「ギルバートグレイプ」が一番だったか。。。

「禅」http://www.zen.sh/
「きつねと私の12か月」http://kitsune12.jp/
「ワンダーラスト」http://wonder-lust.jp/
「007 慰めの報酬」
http://www.sonypictures.jp/movies/quantumofsolace/
「エレジー」http://elegy-movie.jp/
「誰も守ってくれない」http://www.dare-mamo.jp/
「レボリューショナリーロード」http://www.r-road.jp/

というわけで、これからもお楽しみに。


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映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
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ただし検索機能がついておりませんので、
ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。
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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.854 2009年1月9日
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