2008/12/12
映画のなかの人生…Vol.846「ブラインドネス」★★☆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】 映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、 そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。 _ ____________ Vol.846「ブラインドネス」★★☆ 2008.12.12(金)  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【1】STORY 視力を失う人々が街に溢れ、政府は彼らを隔離施設に移送。 食料以外の介護が全くなく、人々には何の希望もなかった。 【2】Michelin 丸の内ピカデリーほかで来週いっぱい。空いています。 【3】Review テーマの設定は秀逸だが、何せ物語として面白くない…。 【4】Column 知らなかったはずはない。我々には、見えていたのだから。 __________________________________________________Blindness 「シティオブゴッド」「ナイロビの蜂」と、傑作を生み出してきた フェルナンド・メイレレス監督の最新作は、SF風サスペンス。 みんなの目が見えなくなっちゃう、ってどういうこと?なぜか 日本人俳優も出演、って、そんなことは内容に無縁とは思いますが。 <オフィシャルサイト> http://blindness.gyao.jp/ ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃1┃ STORY (観ていないあなたへ) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 突然、視力を失う人々が街に溢れ、未知の感染症の疑いが浮上。 政府は彼らを隔離施設に移送するが、そこでは食糧配給以外に、 何の介護もなく、盲目の人々はトイレや移動にも困るありさま。 希望を見いだせない人々は、やがて施設を恐ろしい状況に…。 ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 丸の内ピカデリー他、各地のシネコンで、 おそらく来週いっぱい、ということですね。 もう空いています。メイレレス監督のファンはお早めに。 ▼有楽町 丸の内ピカデリー 〜12/19(金) 10:10/12:35〜14:45(終) ▼新宿 新宿バルト9 〜12/14(日) 18:20/20:50/0:55〜3:05(終) 12/15(月)〜12/18(木) 10:20/18:20/20:50〜23:00(終) 12/19(金) 18:20/20:50/1:50〜4:00(終) ▼新宿ピカデリー 〜12/14(日) 9:30/12:00/18:40/21:10〜23:15(終) 12/15(月) 9:30/12:00/21:10〜23:15(終) 12/16(火)〜12/18(木) 9:30/12:00/18:40/21:10〜23:15(終) ▼品川 品川プリンスシネマ 〜12/19(金) 15:20/18:05/20:45〜22:55(終) ▼豊洲 ユナイテッド・シネマ豊洲 12/13(土) 18:00/20:30/23:15〜1:26(終) 12/14(日)〜12/17(水) 13:15/18:00/20:30〜22:41(終) 12/18(木) 13:15/18:00〜20:11(終) 12/19(金) 13:15〜15:26(終) ▼六本木TOHOシネマズ 六本木ヒルズ 〜12/18(木) 10:30/13:15/16:00〜18:15(終) ▼お台場 シネマメディアージュ 〜12/17(水) 11:20〜13:35(終) 12/18(木) 11:40〜13:55(終) 12/19(金) 19:00〜21:15(終) ▼渋谷 渋谷シネパレス 〜12/19(金) 10:00/12:35/15:10/17:45/20:20〜22:30(終) ▼東武練馬 ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 〜12/19(金) 21:15〜23:30(終) ▼豊島園 ユナイテッド・シネマとしまえん 〜12/17(水) 21:45〜23:55(終) 12/18(木)〜12/19(金) 22:15〜0:25(終) ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃3┃ Review (観おわったあなたへ) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ポイント】★★☆ <内訳> テーマ :★★★★ ストーリー :★ キャスト :★★★★ スタッフ :★★★ >テーマ ★★★★ 人々の他人への無関心を、盲目というカタチで表現した構図は、 金融危機に揺れる現代の情勢にも、恐ろしく符合している。 >ストーリー ★< 現実世界を忠実に物語化することに主眼をおいたためか、 娯楽映画としては全く面白くない。病の意味も、不明だろう。 >キャスト ★★★★< 混沌とした状況の中で、キリッと闘うジュリアン・ムーアの姿が この映画の全て。一方で日本人俳優の実力不足が余計に際だつ…。 >スタッフ ★★★< 密室状態の狂気と恐怖を描く意味では、「es」の方が数段上か。 後半の都市描写には驚いたが…。前作のような美しさはない。 >総評 ★★☆< 個人的には、考えさせられましたが。 エンターテイメントとしては、難しいなあ。 きっと、「シティオブゴッド」と「ナイロビの蜂」を、 この映画は、掛け合わせたような内容なんです。 この施設は、社会から切り離されたスラムなのです。 そこでたった一人、闘う女は「ナイロビ…」の、 あのレイチェル・ワイズと全く同じわけです。 世界を救うために、身を挺するその姿自体が。 この設定さえ飲み込めてしまえば、 別に、何が視力を奪ったのか、 政府や兵士の態度は何なのか、といった、 周辺の話が、どうでもいいことに気づくのですが。 そうでなければ、特に謎解きでもないし、 サスペンスでもないから、つまらないだろうな…。 同じように密室の社会がおかしくなっていく、 という意味では「es」の方が、出来が良かったし。 でも、この設定はとても有意義なものだと思います。 この監督は、やっぱりスラムと貧困について、 いまでも向き合ってるんだなあ、と考えました。 それは決して、異国だけの話ではないと思いつつ。 ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃4┃ Column (観おわったあなたへ) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ サブプライムローンに端を発する金融危機が、 実生活に影響を及ぼし始めて久しい。 海外旅行はしやすくなったが、 倒産が増え、雇用情勢は悪化し、 明日は我が身かと思うことも多くなった。 しかし、それは本当に最近の話だろうか。 不当な解雇や、派遣労働者の扱いは、 本当に最近の出来事なのだろうか。 人間は、都合の良いニュースだけを覚え、 都合の悪い出来事は、忘れるようにできている。 知っているのに、まるで目が見えていないように。 実際、目が見えなくなったとしよう。 周囲は、あなたを施設に放り込んで終わりだ。 都合の悪い出来事は、人々から忘れられてしまう。 例え、それが大勢になったとしても。 社会は、そういう出来事を覆いかくし、 現実から切り離して処理しようとする。 切り離された人々にとっては、 それは、まさに死活問題なのに。 目も見えないのに、誰も助けてくれない。 ただ食料だけが与えられ、逃げ出すこともできない。 人々は飢え、やがて実力行使が始まり、 支配と、抵抗と、戦争が日常になる。 力のない者は搾取され、権力者もやがて殺される。 「シティオブゴッド」で観たようなスラムと抗争が、 簡単に、あなたのそばの現実にも訪れる。 社会からは、すっかり切り離されたままに。 しかし、あんまりにも悲劇が多くなると。 いよいよ、社会は不都合を隠せなくなり、 人々は自分のことしか考えなくなり、 手当たり次第に食料をつかみ、飢えを癒す。 飼い犬が飼い主の骸を食いちぎるように。 人間も、愛すべき隣人たちといがみ合う。 やがてこの世界中が、スラムのようになり、 人々は自分勝手になり、他人を振り返らない。 いま、現実の身の回りを確かめると。 まさに、同じような状態になっている。 最初は、一握りの人々でしかなかった。 不当な解雇や、労働をさせられていて、 働けど働けど、幸せになれなかった人々は。 でも、いまや何千、何万という単位で、 人々が失業し、同じような状態になった。 カネを持つ者は、自分のことしか考えず、 資金を借りられない会社が、次々と斃れていく。 こんなことになるとは、本当に思わなかった? サブプライム問題は、対岸の火事だった? そんなことはないはずだ。 私たちが、知らなかったはずはないのだ。 我々には、見えていたのだから。 ただ、そのことを長い間、 ずっと忘れてきただけなのではないだろうか。 2008/12/12 新宿バルト9にて。 ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃6┃ 次回予告 ほか ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ その他、筆者からのお知らせなどなど。 ★次回予告「バンクジョブ」………………………………………… イングランドのクライムアクションには、もはや欠かせない? ジェイソン・ステイサムの銀行強盗は、今回は実話がベース。 いまじゃ、銀行強盗よりも儲かる犯罪があるから、流行らない? でもまあ、ルパン三世は未だに人気があったりしますからね…。 で、次回もお楽しみに。次回は来週火曜の予定。 http://www.bankjob.jp/ ★今後の予定など……………………………………………………… さて、ようやく年末の注目作が出そろいました。 しかし、観にいきたいと思う映画が少ないな…。 大作がそろって、期待薄な雰囲気なんだよなあ。 面白そうなのは、「ワールドオブライズ」ですかね。 レオ様とラッセル・クロウ、監督はリドリーですか…ふうむ。 スコセッシがオスカーを獲ってしまった今、 自力でオスカーを狙うレオを、常連組が強力サポート?! 「1408号室」http://room1408.jp/ 「ワールドオブライズ」http://wwws.warnerbros.co.jp/bodyoflies/ 「ブロークンイングリッシュ」http://broken-english.jp/ 「悪夢探偵2」http://www.akumu-tantei.com/ 「ノン子36歳(家事手伝い)」http://nonko36.jp/ 「アンダーカヴァー」http://www.undercover-movie.jp/ というわけで、これからもお楽しみに。 ★最新情報はブログにて!!………………………………………… ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。 http://filmandlife.seesaa.net/ ※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check! ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、 小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。 また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、 映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。 ぜひぜひアクセスしてください!! ★これまでのバックナンバー………………………………………… バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、 それぞれ以下のページをご参照くださいませ。 http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ) http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ) メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。 ただし検索機能がついておりませんので、 ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。 http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ) ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【映画のなかの人生、映画のような人生。】 Vol.846 2008年12月12日 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/ (C)2001-2008 Ak. 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