映画のなかの人生、映画のような人生。  RSSを登録する

「映画とは人生を2時間で切り取るもの」。映画を評価するだけではなく、映画から感じとった生き様や感動を伝える1000文字のコラム。ありふれた日常のなかで、何かを考えてみたいアナタに、ぜひ。

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2008/12/04

映画のなかの人生…Vol.842「BOY A」★★★★

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☆ ★ ☆  映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★
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【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】
映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、
そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。


_               _____________
  Vol.842「BOY A」★★★★      2008.12.3(水)
 ̄                ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  【1】STORY
   保釈された少年犯は、過去を捨てて別の人生を始める。
   目に映るモノはすべて新しく、彼は少年のままだった…。

  【2】Michelin
   渋谷シネアミューズでの単館上映。水曜は混んでるはず。

  【3】Review
   予想通りに重いが、その重厚なテーマには胸が痛む。

  【4】Column
   愛されれば、愛されるほどに、彼は孤独に陥っていく。

_____________________________________School Days with a Pig

「ダブリン上等!」で知られるジョン・クローリー監督の新作は、
本国イギリスでは絶賛を受け、いろいろと受賞もしたようです。
外国でも「少年A」って言うんですよねえ。タイトルのとおり、
内容は少年犯罪をめぐる、シリアスな人間再生の物語でした。

<オフィシャルサイト>
http://boy-a.jp/


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┃1┃ STORY (観ていないあなたへ)
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保釈された少年犯は、過去を捨てて全く別の人生を歩み始める。
名前も変え、経歴も変え、違う街で、初めて仕事し、恋もする。
順調に見えた彼の再出発だが、順調であればあるほど、過去を
打ち明けられない自分に彼は悩み、幸せであることに戸惑う…。


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┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ)
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渋谷シネアミューズでの単館上映です。
すでに2週間以上が経過していますが、
けっこう混んでいました。

というのも、水曜日は1000円の日だからですね。
週末と水曜は、ちょっと注意すべきかも。

▼渋谷シネ・アミューズ イースト/ウエスト
〜12/5(金) 11:30/13:55/16:20/18:45〜20:55(終)
12/6(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい


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┃3┃ Review (観おわったあなたへ)
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【ポイント】★★★★

<内訳>
テーマ   :★★★★★
ストーリー :★★★
キャスト  :★★★★
スタッフ  :★★★★

>テーマ ★★★★★
少年犯は、果たしていかにして赦されるのか、そうではないのか。
人間の赦しと軽薄さの裏表を丹念に描写したテーマは胸を打つ。

>ストーリー ★★★<
最初から結末がある程度予想できるので、展開はつねに重く、
中盤から失速したかと思うと、急転したり。かなり疲れる。

>キャスト ★★★★<
主演のガーフィールドは、青年にして少年、善人にして犯罪者、
という2つの背反を見事に実現。恐るべき才能には今後も注目。

>スタッフ ★★★★<
前作でもこの監督は、日常を巧く捉えていた印象があるのだが、
今回は回想や心象風景など、他の点でも地味ながら良い印象。

>総評 ★★★★<
重たい映画でした。予想通りに重かった…。

しかし、それだけの価値がありました。
少年犯と更正について考える内容ですが、
テーマも、登場人物についても、
丹念に掘り下げられていて秀逸。

そこに回想場面や、殺風景な室内が織り込まれ、
主演のガーフィールドが、複雑な立場の主人公として、
見事に立ち居振る舞う。あのラブシーンは圧巻だった。
あんなに哀しい口づけができるとは…。

関係ないけど、ピーター・ミュランが酒を飲み出すと、
とても心配になる人は、もうさすがに少ないかしら…。


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┃4┃ Column (観おわったあなたへ)
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今日もさまざまな事件が報道され、
さまざまな逮捕者と、判決が出て、
関係のない人々が、あれこれとコメントする。

いったい、どれだけの刑を受ければ、
どれだけの罪を、人は償えるのだろう。

幼くして犯罪者となった少年は、
青年となって刑務所から出てくる。

久しぶりに見る世界はまぶしくて、
初めての一人暮らし、初めての仕事、
初めての社会人としての生き方は、
何もかもが目新しく、そして新鮮だ。

そこには同僚がいて、ステキな女性もいる。
彼は与えられたことに、懸命に応えようとする。
困っている友だちを助け。誰かを助け。
誰かを愛し、誰かのためになりたいと願う。

それは、子どもの頃と何も変わらない。
あの事件だって、たった一人のために、
彼が懸命になった結果の出来事だったのだ。

誰にも愛されることのなかった少年は、いま、
誰かに愛される青年になろうとしている。
たったひとつの口づけに、彼は戸惑い、涙する。

こんな自分でも、幸せになれるのだろうか。
こんな自分が、幸せになっていいのだろうか。
そして、こんな自分であるということを、
この人たちに、告げなくてもいいのだろうか。

信頼されれば、されるほどに。
愛されれば、愛されるほどに。
彼の孤独は、むしろ強まっていく。

それでも、口をつぐんでいるのか?
保護官は、世間を信用するなという。
世間は、永遠に彼を赦さないという。
果たして、本当に赦されない罪はあるのか?

個々の事情も、何も知らない人々が、
どうして、テレビや新聞の報道だけで、
簡単に人を裁き、人を赦さないと言えるのか?

確かに被害者たちは、きっと永遠に赦さないだろう。
どんなに厳しい極刑でも、彼らは犯罪者を赦すまい。

しかし、関係のない第三者が、なぜそれほどまでに、
「あれは死刑だ」「還ってくるな」と決められるのか。
罪人に石を投げる人々を、止める誰かはいないのか?

今日もさまざまな事件が報道され、
さまざまな逮捕者と、判決が出て、
関係のない人々が、あれこれとコメントする。

これから裁判員制度が始まれば、誰もが、
細かい事情を知った上で、評決を求められる。

果たして、赦されない罪があるのか。
どれだけの刑が、どれだけの罪を償えるのか。
人は更正できるのか。そうではないのか。
きっと誰もが、この問題に直面することになるだろう。

2008/12/3 渋谷シネアミューズにて。


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┃6┃ 次回予告 ほか
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その他、筆者からのお知らせなどなど。


★次回予告「ブロークン」……………………………………………

前作「フローズンタイム」で注目を浴びたショーン・エリス監督
の待望の新作。今回は、シリアスにサスペンス映画をやるらしい。
きっと今回も美しい映像美をバックにしながら、不思議な空間を
スクリーンに広げてくれるはず。あとは物語の内容次第でしょう。

で、次回もお楽しみに。これから観にいってきます。
http://www.broken-movie.jp/


★今後の予定など………………………………………………………

なんだか、今年は期待できるような映画が、
あまり年末のカレンダーに載っていないような…。
とはいえ、ピクサーの新作アニメも出ることだし。

「ブラインドネス」http://blindness.gyao.jp/
「1408号室」http://room1408.jp/
「WALL・E」http://wall-e.jp/
「アラトリステ」http://www.alatriste.jp/

というわけで、これからもお楽しみに。


★最新情報はブログにて!!…………………………………………

ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。
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小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。

また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、
映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。
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ただし検索機能がついておりませんので、
ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。
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【映画のなかの人生、映画のような人生。】
 Vol.843 2008年12月3日
 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/
 (C)2001-2008 Ak. All rights reserved.
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