2008/11/26
映画のなかの人生…Vol.842「ブタがいた教室」★★★★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆ ★ ☆ 映画のなかの人生、映画のような人生。 ★ ☆ ★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【映画とは、人生を2時間で切りとるもの】 映画が魅せる、人間のやさしさ、弱さ、強さを、いっそう鮮烈に、 そしてもっと映画を観たくなる、ひと味違うメールマガジン。 _ ___________ Vol.842「ブタがいた教室」★★★★ 2008.11.26(水)  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【1】STORY まじめに食育を考えようと、ブタを飼う小学校のクラス。 しかしブタはすっかり、子どもたちになついてしまい…。 【2】Michelin 豊洲や池袋などで上映中。週末はちょっとだけ混むかも。 【3】Review 命の重みを考えるとともに、小学校生活も思い出す良作。 【4】Column 世の中は、教科書と違って、とても理不尽にできている。 _____________________________________School Days with a Pig 妻夫木聡が担任教師のクラスで、ブタを飼うことになりました。 ところがこの先生、最後にはこのブタを食べてしまうという。 確かに、みんないつもは豚肉を食べていますが、自分の目の前で 飼っているブタを殺すだなんて、小学生にできるんでしょうか? <オフィシャルサイト> http://www.butaita.jp/ ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃1┃ STORY (観ていないあなたへ) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 小学生たちに、命と食事を間近に考えてもらおうと、担任教師は 子ブタを飼って、最後には食べてしまおうとクラスに提案した。 しかし子どもたちは食育以前に、見たこともないブタの様子に 興味津々。やがてすっかりなついてしまい…本当に食べられる? ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃2┃ 上映館ミシュラン (観ていないあなたへ) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ユナイテッドシネマ豊洲ほか、池袋とかでやってます。 意外と週末になると、それなりに人が入っているようで。 まあ、とはいえ公開から1ヶ月経とうとしているので、 今週末は、もう大丈夫でしょうか。 ▼豊洲 ユナイテッド・シネマ豊洲 11/27(木) 10:15/12:30/14:45/17:00〜18:59(終) 11/28(金) 10:15/12:30/14:45〜16:44(終) 11/29(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい ▼池袋 シネ・リーブル池袋 〜11/28(金) 11:20/13:35/15:50/18:20〜20:20(終) 11/29(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい ▼新宿 新宿武蔵野館 〜11/28(金) 10:50/13:20/15:50/18:20/20:45〜22:45(終) 11/29(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい ▼東武練馬 ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 〜11/28(金) 14:30/16:55〜19:00(終) 11/29(土)〜 時間は直接劇場へお問い合わせ下さい ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃3┃ Review (観おわったあなたへ) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ポイント】★★★★ <内訳> テーマ :★★★★ ストーリー :★★★★ キャスト :★★★★ スタッフ :★★★★ >テーマ ★★★★ 肉食について考えるだけではなく、現在の学校教育のあり方、 自然教育、保護者の存在など、いろんな周縁をはらんで深い。 >ストーリー ★★★★< 単純な内容なので、物語として成立するのか危惧していたが、 いろんな周辺人物をきちんと描き、結末まできちんと興味を惹く。 >キャスト ★★★★< 妻夫木聡も子どもたちも、まるで本当のクラスのようだった。 脇を固める先生や保護者らを演じる、意外なメンバーも面白い。 >スタッフ ★★★★< とにかくリアリティを出そうと、余計な演出を徹底して排し、 子どもたちのありのままの感情とセリフが、クラスに溢れている。 >総評 ★★★★< とても感心しました。 本当にリアルな小学校のようで。 自分の小学校時代を思い出しました。 あんなブタを飼ってたら、確かに驚いたでしょう。 ただそれだけではなく、食育はもちろんのこと、 現代の学校教育がはらんでいるいろんな問題が、 周縁に見えてくるあたりが、実に深くて考えさせられる。 確かに、東京で子どもを学校に通わせると、 生き物を育てるなんて、考えないだろうなあ。 ひとりひとりが、小学生の気持ちに戻って、 教育と、命について、考えるきっかけを与えてくれる良作。 ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃4┃ Column (観おわったあなたへ) ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この映画を観ていると、 自分もこのクラスにいるような気になる。 そして、ふと自分の小学校時代を思い出す。 先生方には申し訳ないのだが、 授業の内容は、ほとんど覚えていない。 分数も円周率も、使えるようになってしまえば、 どうやって覚えたかなんて、忘れてしまうのだろう。 一方で、怒られたことはよく覚えている。 とりわけ、理由もなく怒られたり。 「それがルールだ」と、押しつけられたり。 もともと、自由奔放に育ってきたせいか、 そういう根拠のない押しつけが大嫌いだった。 結局、理にかなった教科書の内容よりも、 理不尽な出来事ばかりを、今でも思い出す。 しかし、それが教育なのかもしれない。 小学校のクラスでブタを飼う。 人間がブタを飼うのは、だいたい、 最後には食べてしまうためである。 しかし、不格好な子ブタの動きや、 耳障りな鳴き声は、それはそれで、 都会では見かけない、ユーモラスなものだ。 案の定、子どもたちはこの新しい生き物を、 すっかり「友だち」だと解釈してしまう。 登校日も、夏休みも、晴れの日も、雨の日も、 きちんと世話をして、一緒に育っていく。 そのブタを、最後には殺してしまうなんて。 あんなに可愛がっていたのに、 どうして最後に食べてしまうの? 人間は、理不尽なことをする。 子どもたちに、初めて突きつけられる不可解。 愛するものを、奪われるかもしれない悲しみ。 「最後まで一緒に生きよう」という想い。 「でも、もう育てられない」という現実。 そして、ブタは殺すものだという、最初の約束。 確かに、小学生には酷な課題かもしれない。 育てたい側は、「残酷だ」と徹底して抵抗する。 食べるという側は、「じゃあどうするんだ」と問い詰める。 侃侃諤諤の議論があって。 小学生たちの議論は、やがて口論になり、 男たちはつかみ合い、女の子は泣き始める。 教室には、例の不穏な空気が漂っている。 でも、議論を尽くせば分かるのだ。 ブタを守りたい側の気持ちも。 現実を受け入れる側の気持ちも。 最後の先生の結論に、 子どもたちは文句を言わない。 世の中には、理不尽なことがある。 でも、それには理由があると分かったから。 教科書には、わかりやすい正義しか書いていない。 でも、現実は教科書よりも、はるかに理不尽だ。 それをどうやって受け入れるのかが、 本当の教育なのかと、最近の事件とともに考えさせられた。 2008/11/24 シネリーブル池袋にて。 ┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃6┃ 次回予告 ほか ┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ その他、筆者からのお知らせなどなど。 ★次回予告「BOY A」…………………………………………… 「ダブリン上等!」で知られるジョン・クローリー監督の新作は、 本国イギリスでは絶賛を受け、いろいろと受賞もしたようです。 外国でも「少年A」って言うんですよねえ。タイトルのとおり、 内容は少年犯罪をめぐる、シリアスな人間再生の物語らしい。 で、次回もお楽しみに。次回は金曜の予定。 たぶん。すみません。 http://boy-a.jp/ ★今後の予定など……………………………………………………… なんだか、今年は期待できるような映画が、 あまり年末のカレンダーに載っていないような…。 本誌の発行状況に連動している(汗)??? とはいえ、ピクサーの新作アニメも出ることだし。 そして今週は、ショーン・エリス監督の新作もある。 「ブロークン」http://www.broken-movie.jp/ 「ブラインドネス」http://blindness.gyao.jp/ 「1408号室」http://room1408.jp/ 「WALL・E」http://wall-e.jp/ 「アラトリステ」http://www.alatriste.jp/ というわけで、これからもお楽しみに。 ★最新情報はブログにて!!………………………………………… ブログには過去掲載作などがまとめて載っています。 http://filmandlife.seesaa.net/ ※ 実はケータイからも同じアドレスでみられます。要Check! ブログなら、かしこまったメールをすることもなく、 小さなコメントや、筆者へのリクエストを書き込めます。 また、筆者が映画を見終わった直後の感想や、休刊情報、 映画とは全く関係ない筆者の近況まで、いろいろ掲載中。 ぜひぜひアクセスしてください!! ★これまでのバックナンバー………………………………………… バックナンバー、メルマガの紹介や登録関係などについては、 それぞれ以下のページをご参照くださいませ。 http://www.mag2.com/m/0000197069.html(まぐまぐ) http://www.melma.com/backnumber_33635/(メルマ) メルマのバックナンバーは、第1号から掲載されています。 ただし検索機能がついておりませんので、 ここ2年については、ブログの方が探しやすいと思います。 http://filmandlife.seesaa.net/(筆者のブログ) ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【映画のなかの人生、映画のような人生。】 Vol.842 2008年11月26日 発行者:Ak. http://filmandlife.seesaa.net/ (C)2001-2008 Ak. All rights reserved. ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


