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2007/05/15

人を活かし、企業を伸ばす「企業文化創造運動」 第20号

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 顧客様満足と従業員満足を同時に実現する「企業文化創造運動」その20

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本文中の図はコチラ ↓
http://www.katsujin-consul.com/modules/doc5/index.php?id=92

■賃金総研の賃金体系をスタートとする人事制度は、人を活かし企業を活性化
します。

■今回は、顧客様満足と従業員満足を同時に実現する「企業文化創造運動」
その20です。


☆★年間報酬の考え方★☆
 
■前号では、評価制度をもとにした「報酬」の決め方その第2回目として、賞
与に続き年間報酬の考え方について、とくに会社の人事政策とのかかわりにつ
いて、そのポイントを述べましたが、今回はさらに具体的に「人財育成型」の
年間報酬の考え方に踏み込みたいと思います。


☆★ローコストで人を雇いたい?★☆

◆前回は、雇用してしまえば、あとも勤務を続けてくれるだろうと考えるので
はなく、将来にわたって生活の見通しがつくように設計されている明確な人事
政策が、とくに中小企業では必要であることを強調し、具体的な年間報酬テー
ブルをデザインしてみました。

◆しかし、会社の経営者は、ややもすると資材や仕入れ商品同様にローコスト
で人を雇いたい気持をもちます。

◆さらに、仕事をまだしていない人間になぜ高い給料を用意しなければならな
いのかという気持ちが残るものです。

◆私は、この疑問に答えるために、人財育成型報酬システムと人材消費型報酬
システムとの比較(図表1)から違いを解説し、とくに中小企業の場合では前
者が結果としてローコストにつながることを説明しています。

◆「人財」と「人材」の違いについてはこれまで幾度か説明してきました。

◆従業員を、なくなれば補充できる「人材」としてとらえるのではなく、事業
体の資産であり育成する対象としての「人財」としてとらえる考え方の違いで
す。

◆「人、モノ、カネ」と、経営資源を表現する中で、順序からすれば「人」が
最初に登場します。

◆しかし、これまでは「モノ」をつくったり、売ったりするだけの「人」とし
か位置づけられず、さらに意地悪くいえば、「カネ」を与えて働かせる「人」
として、モノとカネの下に位置づけられていました。

◆モノが需要に対して供給が不足した時代、すなわちモノの供給不足に対して
需要に追いつくように会社を経営していればよかった高度成長の時代は、モノ
(商品)とカネ(資金繰り)だけを見ていれば良かったといえます。

◆そんな時代とは違って今は、モノの余る時代です。

◆モノの余る時代だからこそ、モノの需要を力強く切り拓く「人財」が必要で
す。

◆また、その「人財」こそがカネを生み出す源泉なのです。


☆★従業員の定着と経験曲線★☆

◆そこで私は、資産としての「人財」価値を高める報酬のシステムを人財育成
型人事・報酬システムと呼んでいます。

◆資産としての「人財」価値を高めることによって、その事業体に付加価値を
残すロイヤリティ(=帰属意識)の高い従業員が育ち、そして、その事業体は
どのような変化にも強い活性化された組織となります。

◆それに対して、採用しても早期に中途退社してしまうことが繰り返されるタ
イプの報酬システムを人材消費型人事・報酬システムと呼んで対比させていま
す。

◆結果として採用コストすら吸収できない人材の浪費タイプです。

◆しかし、一部の大手企業の間では、人材ハンティングのマーケットがやや充
実してきたことから、人材浪費ではない流動型と呼べる高報酬の人事・報酬シ
ステムができあがりつつあることは事実ですが、まだまだ中小企業では手が届
きません。

◆さらに、この流動型は企業ノウハウの定着において課題が残ります。

◆また、人材派遣の業態も拡大し、人材派遣会社に依頼し、派遣社員を活用す
る機会が増えています。

◆派遣社員と正社員との比較では、たしかに経験のある派遣社員が即戦力にな
るかもしれませんが、2、3年経過すると、正社員が付加価値を伸ばしていく
「経験曲線効果」があらわれます。「経験曲線効果」とは、累積での生産量が
増えれば増えるほど、経験による学習効果が表れ、生産コストが低下すること
です。

◆一般的に生産現場などでは累積生産量が2倍になるとコストは75%になる
とされています。


☆★付加価値人財をつくるシステム★☆

◆この「経験曲線効果」を派遣社員と正社員との比較に当てはめてみると、す
なわち3年から4年のスパンで正社員と派遣社員との付加価値量(生産量×品
質)および経費を比較した場合、最初の1年までは、正社員に比べて派遣社員
が付加価値量は高いものの、定期的に人財育成教育を施すことにより、1年半
後には正社員が逆転する結果となっています。

◆さらに経費との対比では、派遣社員は3年から4年後には付加価値量を経費
が上回り、一方正社員は付加価値量を経費の2、3倍にまで伸ばすことができ
ます。(図表2)

◆したがって、良い人財を雇用し、定着させ教育することによって付加価値人
財をつくる、いわば人を囲い込む人財育成型人事・報酬システムが結果として
ローコストを実現することになります。

◆しかし、人財育成型人事・報酬システムは、評価制度との連動が大切です。

◆短期間の成果を評価する仕組み、すなわち単年度での「成果主義」は、人財
育成型人事・報酬システムとは考え方に相違があります。

◆短期間での成果によって評価する仕組みではなく、雇った社員を大事にして、
長い期間にわたって高い付加価値を身に付けさせるように人財育成を図ってい
くことが大切です。

(以下次号)

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