2009/10/02
著作権判例速報-「真説猟奇の檻」アドベンチャーゲーム事件(控訴審)-
著┃作┃権┃判┃例┃速┃報┃ ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ こんにちは!駒沢公園行政書士事務所日記メルマガです。 *事案の詳細はブログをご覧下さい。 「駒沢公園行政書士事務所日記」http://ootsuka.livedoor.biz/ *この事案の裁判所ウェブサイト掲載日09/10/1 (謝意:裁判所判例Watch) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「真説猟奇の檻」アドベンチャーゲーム事件(控訴審) 知財高裁平成21.9.30平成21(ネ)10014損害賠償請求控訴事件 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20091001130316.pdf *キーワード:映画の著作物、複合的著作物、創作性、翻案 -------------------- ■事案 アダルト向けアドベンチャーゲーム(AVG)の映画の著作物性 や翻案権侵害性が争われた事案の控訴審です。 原告(控訴人) :コンピュータソフトウェア開発販売会社 被告(被控訴人):アニメーション作画、ゲーム企画制作会社 -------------------- ■結論 控訴棄却 -------------------- ■争点 条文 著作権法2条3項、10条1項7号、27条 1 映画の著作物該当性及びその著作権の帰属(否定) 2 複合的著作物該当性及びその著作権の帰属(否定) 3 翻案の有無 (否定) -------------------- ■判決内容 <争点> 1 映画の著作物該当性及びその著作権の帰属(否定) 本件ゲームソフト「猟奇の檻」のリメーク版として被告(被控 訴人)ゲームソフト「真説猟奇の檻」が被告により製作、販売 されたことから、原告(控訴人)が製作した本件ゲームソフト 又は著作権譲渡を受けたとする本件ゲームソフトの脚本(シナ リオ)の翻案権侵害を理由として損害賠償を被告に対して請求 していました(原審では請求棄却判決)。 まず、原告は、本件ゲームソフトは原告が著作権を有する映画 の著作物であると主張していました。 しかし、控訴審は本件ゲームソフトの映画の著作物性について、 原審同様これを否定。 控訴審も本件ゲームソフトに動きのある連続影像があるとは認 めていません(4頁以下)。 ------------------ 2 複合的著作物該当性及びその著作権の帰属(否定) 次に、本件ゲームソフトは画像、音楽、プログラム、シナリオ 等が組み合わされた新たな著作物(複合的著作物)であり、そ の著作権が統合作業を行った原告に帰属すると原告は主張して いました。 しかし、原告の統合作業はシナリオに従って行われたプログラ ムの創作行為そのものであって、本件ゲームソフトの影像の著 作物の創作行為であるとは認められないこと、またイラストの 補正調整作業は機械的作業であって格別の創作性はないとして、 原審同様、控訴審は原告の主張を容れていません(5頁以下)。 ------------------ 3 翻案の有無(否定) 原告に本件ゲームソフトの著作権が帰属せず、またそのシナリ オに係る著作権を取得することはないとして、控訴審は翻案の 有無の判断に踏み込むことなく原告の主張を容れていません (9頁以下)。 結論として、本件ゲームソフトの映画の著作物、複合的著作物 としての著作権の帰属性、契約による著作権譲渡合意性、シナ リオの著作権の帰属性について何れも原告の主張を否定してい ます。 -------------------- ■コメント 控訴審でも原審の判断を維持する内容となっています。 原審での争点に新たな争点は加えられていません。 なお、契約関係について「猟奇の檻」シリーズ5作品中、3作品 目の「猟奇の檻 第3章」のゲームソフトの著作権については 日本プランテック社との間で控訴人に帰属するとの合意があっ たと認定されていますが(7頁)、初代の本件ゲームソフト「猟 奇の檻」の著作権は被控訴人へ譲渡する、といった取扱いに違 いがあっても不合理ではない(8頁)として、控訴人の主張を 容れていません。 -------------------- ■過去のブログ記事 2009年1月9日記事 東京地裁平成20.12.25平成19(ワ)18724損害賠償請求事件 http://ootsuka.livedoor.biz/archives/51772851.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 後記:あっという間に10月に入りました。今年ももうあと 3ヶ月。東京は朝からあいにくの雨模様です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼企業内イントラネット配信、業務資料、勉強会資料に ご自由にお使い下さい。お一人でも多くの方と著作権 問題について認識を共有できれば私としても幸甚です。 執筆者:行政書士 大塚 大 大塚法務行政書士事務所 東京都世田谷区駒沢5-12-7 TEL:03-3703-7076 E-mail:houmu@pc.nifty.jp HP:http://ootsuka-houmu.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


