2009/08/18
著作権判例速報-姿三四郎」格安DVD事件(対東宝 損害賠償)事件-
著┃作┃権┃判┃例┃速┃報┃ ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ こんにちは!駒沢公園行政書士事務所日記メルマガです。 最新著作権判例について簡易版でお伝えします。 *事案の詳細はブログをご覧下さい。 Blog:駒沢公園行政書士事務所日記 http://ootsuka.livedoor.biz/ *この事案の裁判所ウェブサイト掲載日09/8/17 (謝意:裁判所判例Watch) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「姿三四郎」格安DVD事件(対東宝 損害賠償)事件 東京地裁平成21.7.31平成20(ワ)6849損害賠償請求事件 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090817094253.pdf *キーワード:保護期間、著作者、ロイヤリティ料率 -------------------- ■事案 「姿三四郎」「生きる」などの映画作品の保護期間をめぐり 各映画の著作者が監督なのか映画会社であるのかが争われた 事案です(損害賠償請求事案)。 原告:東宝株式会社 被告:格安DVD製造販売会社 映画目録: 「姿三四郎」「虎の尾を踏む男達」「續姿三四郎」 「わが青春に悔なし」「素晴らしき日曜日」「酔いどれ天使」 「野良犬」「生きる」 -------------------- ■結論 請求一部認容 -------------------- ■争点 条文 著作権法2条1項2号、21条、113条1項1号、114条3項、旧法6条 1 本件各映画の著作者及び原告の著作権の取得原因 (肯定) 2 存続期間満了による本件各映画の著作権の消滅の有無(否定) 3 被告の故意又は過失による侵害行為の有無 (肯定) 4 原告の損害額 (肯定) -------------------- ■判決内容 <争点> 1 本件各映画の著作者及び原告の著作権の取得原因 旧著作権法下で制作された映画の著作者の意義について、本件 各映画の差止請求事件となる知財高裁平成20.7.30判決(後掲P DF参照)の判断を前提に黒澤明監督が本件各映画の著作者であ ると判断されています(16頁以下)。 また、本件各映画の著作権については、原告が承継取得してい ると認定されています(20頁以下)。 -------------------- 2 存続期間満了による本件各映画の著作権の消滅の有無 黒澤明監督が本件各映画の著作者であること、本件各映画が旧 著作権法6条の団体の著作名義をもって興行された著作物に当た らないことから、本件各映画の著作権の存続期間は、旧著作権 法23条の3、3条、52条1項、民法141条によりいずれも黒澤明監 督が死亡した平成10年の翌年から起算して38年が経過する平成 48年12月31日までとなるとして、被告が本件各DVDを輸入してい た平成19年1月以降よりも前に存続期間の満了により消滅してい るわけではないと認定されています(22頁以下)。 -------------------- 3 被告の故意又は過失による侵害行為の有無 被告による本件DVDの輸入行為が著作権法113条1項1号(侵害と みなす行為)により原告の本件各映画の著作権(複製権)を侵 害する行為とみなされる点について、被告に少なくとも過失が あったと認められています(26頁以下)。 -------------------- 4 原告の損害額 原告の損害額に関し、著作権使用料相当額として 販売価格(1800円)×ロイヤリティ料率(30%)×輸入数量(13600枚) 合計734万4000円と認定されています(著作権法114条3項 27頁以下)。 -------------------- ■コメント 本訴訟は「姿三四郎」「生きる」など黒澤明監督8作品に 関する格安DVD事件の対東宝訴訟のうち、損害賠償請求に かかわるものとなります。 同8作品についての差止請求訴訟はすでに昨年控訴審(後 掲)の判断が出ています。 損害論としてロイヤリティ料率が高めに認定されている 点が注目されます。 -------------------- ■過去のブログ記事 2009年7月21日記事 「暁の脱走」格安DVD事件(対東宝) http://ootsuka.livedoor.biz/archives/51900275.html -------------------- ■参考判例 【差止請求訴訟】 東京地裁平成19.9.14平成19(ワ)8141著作権侵害差止請求事件 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070919115951.pdf 知財高裁平成20.7.30平成19(ネ)10083著作権侵害差止請求控訴事件 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080825160410.pdf ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 後記:みなさまお盆休みはいかがお過ごしでしたでしょ うか。昨夜はクーラーを切って寝ることができま した。今朝の東京は秋風で鈴虫の音が聞こえます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼企業内イントラネット配信、業務資料、勉強会資料に ご自由にお使い下さい。お一人でも多くの方と著作権 問題について認識を共有できれば私としても幸甚です。 執筆者:行政書士 大塚 大 大塚法務行政書士事務所 東京都世田谷区駒沢5-12-7 TEL:03-3703-7076 E-mail:houmu@pc.nifty.jp HP:http://ootsuka-houmu.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


