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2008/07/18

[まぐまぐ]著作権判例速報(最高裁判所ウェブサイトより)

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   著┃作┃権┃判┃例┃速┃報┃
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  こんにちは!行政書士の大塚大です。

  最新著作権判例について速報版でお伝えします。

  *詳細はブログをご覧下さい。
   http://ootsuka.livedoor.biz/

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    裁判傍聴記事件

★知財高裁平成20.7.17平成20(ネ)10009
発信者情報開示等請求控訴事件PDF
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080718104623.pdf


■キーワード

著作物性、事実の伝達

   --------------------

■事案

原告作成の裁判傍聴記が無断転載され、その記事がヤフー
ブログに掲載されていたことから、ヤフーに対して発信者
情報開示、ブログ記事の削除を求めた事案です。(否定)

原告:サイト運営者
被告:ヤフー

   --------------------

■結論

控訴棄却

   --------------------

■争点

条文 著作権法2条1項1号、10条2項
   プロバイダー責任制限法4条1項


1 裁判傍聴記の著作物性(否定)

   --------------------

■判決内容

<争点>

1 裁判傍聴記の著作物性

原告がライブドア堀江貴文被告の証券取引法違反被告事
件の第4回公判期日を傍聴しその内容の一部をメモした
うえ傍聴記を作成、それをウェブサイトに掲載していま
した。

この原告傍聴記を無断転載した者がいたことから、ブロ
グの発信者情報開示とブログ記事の削除を求め、その前
提として原告傍聴記の著作物性が争点となりました。

裁判所は、著作物性の判断について、表現が平凡かつあ
りふれたものである場合は記述者の個性が現れていない
ものとして、「創作的に表現されたもの」(2条1項1号)
であるとすることはできず、また、もっぱら事実を叙述
する場合は、「思想又は感情」を表現したことにならな
い(10条2項)との一般論を説示。

そのうえで、原告傍聴記の内容について、

(1)証人が実際に証言した内容を原告が聴取した通りの記述
(2)要約したものであってもありふれた方法である
(3)大項目や中項目などもごくありふれたもの、短いもの
(4)証言の順序の入替えなどに創意工夫があるとはいえない

結論として、原告傍聴記について著作物性を否定しまし
た。(7頁以下)

著作権侵害性が否定されたことから、プロバイダー責任
制限法4条1項「自己の権利を侵害された」者に原告が当
たらない(侵害の明白性もない)ことになります。

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■コメント


原審でも裁判傍聴記の著作物性が否定されていましたが
控訴審でも否定された結果となっています。

原告は裁判傍聴記を短いセンテンスで箇条書きのメモの
ような体裁でブログに掲載していました。

過去に記事見出しに著作物性を認めなかった事例として
ヨミウリオンライン事件がありますが、今回の裁判傍聴
記に創作性を認めず、無断転載をしても著作権侵害性と
はならないとの判断を知財高裁が下したことは、ブログ
などサイト利用、運営の際の転載や引用を考えるうえで
先例として重要です。

ところで、10条2項の規定が著作権による保護の例外規
定であるとして適用範囲を限定的に解釈する立場(内田
晋「日刊情報事件」『著作権判例百選第二版』(1994)
11頁参照)に立った場合、本件のような内容のブログ記
事が「事実の伝達」にあたるかどうか、判断が微妙なと
ころですが、もしかしたら来年5月には裁判員制度も始
まりますし裁判官の政策的価値判断として、「裁判での
証言内容などの表現はできるかぎり自由に利用させるべ
き」との考えが働いたのかもしれません。

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■参考判例

10条2項「事実の伝達」にかかわる裁判例として以下の
ようなものがあります。
(1)〜(7)のうち(7)だけが著作物性否定の事案で
す。

(1)民青の告白事件
  東京地裁昭和47.10.11判決昭和44(ワ)9353
(2)日刊情報事件
  福岡地裁大牟田支部昭和59.9.28判決昭和58(ヨ)51
(3)ウォール・ストリート・ジャーナル記事事件
  東京地裁平成3.9.24決定平成2(ヨ)2550
(4)コムライン・デイリー・ニュース事件
  東京地裁平成6.2.18判決平成4(ワ)2085
(5)SMAP大研究事件
  東京地裁平成10.10.29判決平成7(ワ)19455
(6)ホテルジャンキーズ事件
  知財高裁平成14.10.29判決平成14(ネ)2887
(7)ヨミウリオンライン事件
  知財高裁平成17.10.6判決平成17(ネ)10049

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そのほか、歴史的事実の叙述について、

(8)井深大葬儀事件
  東京高裁平成14.9.19判決平成13(ネ)602

葬儀という歴史的事実の客観的記述として創作性が否
定された事案です。

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 後記: 

21日は海の日ですから、あすから3連休のかたも多い
のではないでしょうか。
車検整備から車が戻って来たので、すこしドライブで
もしたい感じです。

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執筆者:行政書士 大塚 大(おおつか だい)

大塚法務行政書士事務所
〒154-0012
東京都世田谷区駒沢5-12-7
TEL:03-3703-7076
FAX: 03-3703-5809
Skype:大塚法務行政書士事務所(表示名)
E-mail:houmu@pc.nifty.jp
HP:http://ootsuka-houmu.com
Blog:駒沢公園行政書士事務所日記
http://ootsuka.livedoor.biz/

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