著作権判例速報 RSSを登録する

最新の著作権判例について行政書士が紹介しています。06年4月開始。著作権情報取得にお役立て下さい。ブログでは不正競争防止法・ライセンス契約(フランチャイズ・FC)事例裁判も掲載中。知的財産権、音楽、イラスト、プログラム、営業秘密情報、業務委託契約書・・

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2008/07/14

[まぐまぐ]著作権判例速報(最高裁判所ウェブサイトより)

この記事を取り寄せる

   著┃作┃権┃判┃例┃速┃報┃
    ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

  こんにちは!行政書士の大塚大です。

  最新著作権判例について速報版でお伝えします。

  *詳細はブログをご覧下さい。
   http://ootsuka.livedoor.biz/

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

     幼児向け教育ビデオキャラクター事件


★東京地裁平成20.7.4平成18(ワ)16899
  損害賠償請求事件PDF
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080711092033.pdf

   --------------------

■事案

幼児向け教育用DVD商品に使用された博士キャラクター
イラストの類似性が争われた事案です(否定)

原告:ビデオソフト製作販売会社
被告:CD、DVDソフト販売会社

   --------------------

■結論

請求棄却

   --------------------

■争点

条文 著作権法2条1項1号、21条、27条、
   不正競争防止法2条1項1号

1 原告博士絵柄の創作性   (肯定)
2 原被告博士絵柄の類似性  (否定)
3 原告博士絵柄の商品等表示性、周知性 (否定)

   --------------------

■判決内容

<争点>

1 原告博士絵柄の創作性

被告商品で使用する博士絵柄が、原告商品で使用する博士絵柄に
類似するとして複製権及び翻案権侵害性が争われました。

まず、原告博士絵柄の創作性について、裁判所は、原告博士絵柄
の創作性を肯定しています。
(17頁以下)

   --------------------

2 原被告博士絵柄の類似性

次に、原告博士絵柄と被告博士絵柄の共通点と相違点、それに原
告被告間のライセンス契約上、被告博士絵柄が原告博士絵柄に似
せて3Dモデリングソフトで製作された経緯を踏まえ両者の類否が
検討されています。

(共通点)
・角帽を被ってガウンをまとう二頭身の年配男性の博士
・下ぶくれの台形状の顔のつくり、カイゼル髭

(相違点)
・全体の質感、輝き、縦横の比率
・耳の有無、鼻の形、瞳の色
・角帽の被り方、ガウンのデザイン


裁判所は、共通性のある表現部分は、アイデアあるいは創作性の
認められないありふれた表現部分において同一性を有するに過ぎ
ないとして被告博士絵柄に原告博士絵柄を表現する固有の本質的
特徴を看取することはできないと結論付けています。
(18頁以下)

   --------------------

3 原告博士絵柄の商品等表示性、周知性

不正競争防止法2条1項1号に関する争点(商品・営業主体混同行為
性)について、原告商品が10万本単位で販売されている実績があ
るものの、商品のパッケージや外装に記載されている原告博士絵
柄が、コンテンツの主題となる絵や写真のいわば脇役として描か
れているものにすぎないとして、原告博士絵柄の商品等表示性が
否定されています。

また、仮に原告博士絵柄が商品等表示として周知であったとして
も、被告博士絵柄との類似性がなく商品の混同を生じさせるもの
ではない、と裁判所は判断しています。
(21頁以下)

結論として、原告博士図柄に商品出所表示機能性、営業主体混同
性がなく、被告の不正競争行為性は否定されました。

   --------------------

■コメント

判決文PDF35頁以下に、原被告絵柄が別紙で添付されていますが、
これだけ比較して見る限り、そっくりです。

被告商品の現在のラインナップでは、イラストを差替えている
ようです。

先に原被告間で教育用ソフト販売に関するOEMライセンス契約
(被告ブランドでの販売)があって数年後に同種ソフトで類似
のキャラクターがライセンシー側で無断で使用されることとな
ったことから、一見するとライセンス契約違反、さらには依拠
性もあって著作権侵害の可能性が高そうに思われる事案ですが、
原告絵柄が平板なものであるのに対して、被告絵柄は立体的で
質感があったこと(3Dソフトで製作)、動きのある映像として
見たときの絵柄の違いが「明白」(21頁)だったことなどもあ
って、被告の行為は教育ソフトで「博士のキャラクターを使う」
というアイデアの盗用のレベルにとどまり、著作権侵害性があ
ると判断されるに至りませんでした。
(なお、ライセンス契約違反性は争点とはなっていません。)

創作性の低い著作物においては、デッドコピーででもない限り
保護が難しくなります(本件でも裁判所も「酷似」性を要求。
20頁参照)。

   --------------------

ところで、キャラクター絵柄を二次元から三次元に、静止画から
動画にするなどの場合のクリエイター(原作者、3Dデザイナー)、
代理店、クライアント三者の権利処理をしている実務感覚からす
ると、みなさん、著作権にはそうとう敏感になっていて、契約書
なしで済ませられる状況ではない昨今です。


■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

執筆者:行政書士 大塚 大(おおつか だい)

大塚法務行政書士事務所
〒154-0012
東京都世田谷区駒沢5-12-7
TEL:03-3703-7076
FAX: 03-3703-5809
Skype:大塚法務行政書士事務所(表示名)
E-mail:houmu@pc.nifty.jp
HP:http://ootsuka-houmu.com
Blog:駒沢公園行政書士事務所日記
http://ootsuka.livedoor.biz/

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

この記事を取り寄せる
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る