著作権判例速報 RSSを登録する

最新の著作権判例について行政書士が紹介しています。06年4月開始。著作権情報取得にお役立て下さい。ブログでは不正競争防止法・ライセンス契約(フランチャイズ・FC)事例裁判も掲載中。知的財産権、音楽、イラスト、プログラム、営業秘密情報、業務委託契約書・・

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2008/06/18

[まぐまぐ]著作権判例速報(最高裁判所ウェブサイトより)

この記事を取り寄せる

 著┃作┃権┃判┃例┃速┃報┃
   ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

  こんにちは!行政書士の大塚大です。

  最新著作権判例について速報版でお伝えします。

  *詳細はブログをご覧下さい。
   http://ootsuka.livedoor.biz/

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■


最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

リース建機管理プログラム事件

★大阪地裁平成20.5.20平成16(ワ)1091等
  損害賠償等請求事件PDF
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080616101034.pdf

   --------------------

■事案

建機・仮設レンタル業向けのソフトウェアを巡って、営業誹謗行為性、
営業秘密性、著作権侵害性などが争われた事案です。


第1事件:損害賠償等請求事件(営業誹謗事件) (積極)
第2事件:著作権侵害差止等請求事件     (消極)
第3事件:著作権侵害差止等請求事件     (消極)

第1事件原告、第2事件被告:
建機等レンタル・リース管理ソフト制作販売会社(RBC社)
第1事件被告、第2事件原告、第3事件原告:
建機等レンタル・リース管理ソフト制作販売会社(KCS社)
第1事件被告:KCS取締役Y1
第2、第3事件被告:KCS元従業員Xら


RBC社ソフト:「Mr.レンタル」「Team S」など
KCS社ソフト:「貸出君」「貸出君for win廉価版」「貸出君ASP新版」

   --------------------

■結論

第1事件   :請求一部認容
第2、第3事件:請求棄却

   --------------------

■争点

条文 著作権法21条、
   不正競争防止法2条1項14号、7号、8号、6項

1 「貸出君新版」に対する著作権侵害性(消極)
2 「貸出君」に対する著作権侵害性  (消極)
3 「開発方針」書類等の営業秘密性  (消極)
4 本件文書送付の営業誹謗行為性   (積極)
5 損害論              (積極)
6 信用回復措置の要否        (積極)

   --------------------

■判決内容

<争点>

1 「貸出君新版」に対する著作権侵害性

RBC社のプログラムが、KCS社のプログラム「貸出君新版」を複製
あるいは翻案して作成されたものかどうかがまず検討されています。

結論としては、プログラムの開発時期、オペレーションマニュアル
に関する証拠のねつ造の疑い、盗難届の内容、元従業員によるKCS社
プログラム関連成果物の持ち出し事実が認められないこと、などから、
RBC社のプログラムの「貸出君新版」に対する著作権侵害性は否定さ
れています。
(185頁以下)

   --------------------

2 「貸出君」に対する著作権侵害性

RBC社のプログラムとKCS社のプログラム「貸出君」のソースコード
などの対比から複製あるいは翻案の可能性をKCS社は主張していま
した(236頁以下)。

結論としては、RBC社のプログラムは、貸出君プログラムとは異な
る新しいプログラムであって両者に同一性はなく、著作権侵害性は
認められないとしています。

なお、上記プログラムのほかに開発用書類やオペレーションマニ
ュアルなどの著作物の著作権侵害性も争点となっていますが、い
ずれも侵害性が否定されています。
(248頁以下)

   --------------------

3 「開発方針」書類等の営業秘密性

新製品の開発方針などが記載された書類等の営業秘密性が争点と
なっています(不正競争防止法2条6項)。

結論としては、従業員に営業秘密であると認識させるような措置
がとられていないなどとして秘密管理性を欠くものと判断。
営業秘密性が否定されています。
(251頁以下)

   --------------------

4 本件文書送付の営業誹謗行為性

KCS社による文書1〜3の取引先への送付行為やY1、KCS社従業員の
取引先に対する発言について、虚偽事実告知として営業誹謗行為性
(不正競争防止法2条1項14号)が肯定されています。
(254頁以下)

   --------------------

5 損害論

RBC社の被った損害として、信用毀損(無形損害)部分として200万
円、弁護士費用相当額として20万円が認められています。
(266頁以下)

   --------------------

6 信用回復措置の要否

虚偽事実告知によってRBC社の信用が毀損されたわけですが、損害
賠償のほかに不正競争防止法14条に基づく信用回復措置(謝罪文送
付)の要否が検討されていますが、謝罪文送付の必要性が認められ
ています。
(268頁以下)


   --------------------

■コメント

経営者の次男坊が会社にかかわるようになってから
社内がぎくしゃくしてしまったようです(176頁)。

不正経理問題などもあって幹部社員と経営者が対立、
幹部社員らが新会社を設立し、競合するソフトを開発
・販売したことから、営業秘密の持ち出しなどが争わ
れる事態となりました。

裁判では、経営者側の主張がことごとく退けられる
(しかも、取引先への通知書が14号に該当してしまう)
結果となっています。

判決文が270頁もあって、読むのが一苦労ですが、その分
紛争の背景も詳しくわかります。

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

執筆者:行政書士 大塚 大(おおつか だい)

大塚法務行政書士事務所
〒154-0012
東京都世田谷区駒沢5-12-7
TEL:03-3703-7076
FAX: 03-3703-5809
Skype:大塚法務行政書士事務所(表示名)
E-mail:houmu@pc.nifty.jp
HP:http://ootsuka-houmu.com
Blog:駒沢公園行政書士事務所日記
http://ootsuka.livedoor.biz/

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

この記事を取り寄せる
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る