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2009/09/24

【Logi-SP】なるほど物流効率化 Vol.80 「ヤマト運輸の突き抜けた物流サービス開発力」

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■■■  ロジスティクス・キーワード~ なるほど物流効率化
■■■  No.080 ヤマト運輸の突き抜けた物流サービス開発力
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シルバーウィークの今週、みなさんはどのようにお過ごしでしたでしょうか?
道路はお盆を超える渋滞、海外に至っては正月・GWを超える勢いだったと
ニュースで聞いておりますが、私は半分家で泥のように眠り、半分は大型店
めぐりをしてみました。
話題だった「ららぽーと新三郷」にも行ってみたのですが、時間も夜だった
せいか、意外と普通のにぎわいでした。
でも、わずか車で15分程度の距離に日本最大のイオン「越谷レイクタウン」、
1時間圏内には「佐野プレミアムアウトレット」「あみプレミアムアウトレット」と
広大なショッピングタウンが林立するのを見ると、そんなに店建てて大丈夫?
と心配になります。
昔は鉄道が自社の沿線に街を創り、乗客を増やしましたが、今はこのような
ショッピングモールが街を創る、公共インフラの役目をはたしているのかも
しれません。
そのように突き抜けた企業が市場をけん引する現象が物流業界にも起こり
そうな予感をヤマト運輸の最近の動きから感じました。今回はこの話を。

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【JLOが行う「物流実務管理者認定講座(3級)」開講間近】

JLO(日本物流実務教育協会)は、物流アウトソーシング企業及び物流関連
企業が、同業界の経営者、管理者並びに従事者に必要な物流実務教育、
福利厚生等の向上のため設立した公益法人です。
実務を行う企業だから提供できる実践的な内容と、業務をしながら受講できる
カリキュラム構成で、現場で活躍する皆様のキャリアアップを応援します。
また、厚生労働省の「キャリア形成促進助成金制度」で、社員様の受講に助成
金が支給されます。
受講締切間近です!この機会にぜひご参加ください。
詳しくはこちら→ http://www.jlo.or.jp/index.shtml
講座詳細 http://www.jlo.or.jp/news_topic/news_topics_img/090909205822.pdf

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<今週気になった記事>

荷物の取り置き開始~ヤマト運輸 直営店で法人向け

ヤマト運輸は全国で約3,900ある直営店で、荷物の取り置きなどができる
法人向けサービス「クロネコBizステーション」を始めた。顧客企業の社員が
出張先などで希望するヤマトの直営店から荷物を受け取れる「営業所
止め置きサービス」を無料提供し、ヤマトの直営店を自社の営業拠点の
ように活用してもらう狙い。
Bizステーションでは顧客企業の社員が全国の直営店で荷物を出す際、
その場で代金を支払わなくても荷物を受け取れる。後日、本社に一括して
配送料を請求する「法人一括精算サービス」も無料で行う。
「商材発注サービス」などの有料サービスもある。

出典:日経産業新聞 9月24日号10面
関連情報:
クロネコBizステーション
http://www.kuronekoyamato.co.jp/kuroneko_biz_station/kuroneko_biz_station.html
ヤマトパッキングサービス
http://www.y-logi.com/ypc/
ヤマト・スタッフ・サプライ
http://www.y-staff-supply.co.jp/
ヤマトダイアログ&メディア
http://www.yamato-dm.co.jp/

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☆何気に充実してきたヤマト運輸の物流サービス

私たちLogi-SPでは、お客様の物流志向に「3PL(DCM)*1志向」と「SCM*2
志向」がある、と考えております。
3PL(DCM)志向とは、最終消費者の要望(ニーズ)や願望を具現化するため
の物流サービスを希望する流れのことで、具体的には「顧客が現在実施して
いる作業を物流企業がなりかわって提供する」ことを目指すものです。
例えば付帯作業の充実や、あたかも自社内の物流部門のように(場合によって
はそれ以上に)ワンストップで複数のサービスを提供するような、ビジネス
パートナーとしての物流企業を求める流れを指します。

片やSCM志向とは、発荷主(主にはメーカー)の要望や願望を具現化するための
機能を希望する流れのことで、具体的には「自社にない資産や技術、ノウハウ
を活かして、求める物流機能を提供する」ことを目指すものです。
例えば工場内のライン作業に同期したJIT納品の仕組みや、人手では対応
できないような重さ、量、スピードに対応できる機器、資産を使った荷役、
外国のような遠方や、訓練を受けた人間でしか立ち入れない特殊な環境で対応
できるような物流企業を求める流れを指します。

物流企業を前述のような2つのグループに分けるとすると、ヤマト運輸は
明らかに前者の代表的企業であり、従来よりサービス開発力は突出したものが
ありましたが、昨今の動きを見ていると、更にサービス開発力に磨きがかかった
なあ、と強く感じます。

最近は機密文書保管・廃棄サービスやリコールサポートサービスのPRが
多いヤマト運輸グループですが、どっこいすごいサービスがまだまだ他にも
多数控えていました。
今回紹介しました「クロネコBizステーション」もその一つです。

☆根強いニーズがある「営業所止め」引き取り

私が知りうる限りでは卸さんに多いのですが、営業所在庫を徹底的に圧縮
するために、余分な在庫を事務所に持たず、受注発注方式に変更した企業
はかなり多いと思います。
そうなりますと、商品を注文後翌日に届けようとすると、翌朝早く、できれば
営業開始時間(9時)前に荷物を受け取りたい、というニーズが出てくるので
すが、物流企業の配達を待っているとどうしても始業時間前には届きません。
このため、営業所止めをして、自ら宅配便の集配店に引き取りに行くことに
なるのですが、今回のサービスはこのニーズをくみ取ったものになります。

特に秀逸なのは、登録企業に対して全国規模で、無料で留め置きを提供する、
という部分で、これまでは特定の集配店が、店長裁量で対応していた業務を
全国に展開させたところがすばらしいです。

実はあまり知られていませんが、これらのサービスは佐川急便でも、日本
通運でも集配店レベルで対応しているはずで、メジャーなものでは郵便局
で「私書箱」「夜間引取」というサービスで従来からあったものです。
ただ、どこも個店レベルであったために、”特別扱い”的な後ろめたさを感
じることもあるような状況でした。
全国レベルで、しっかりと対応します、という話になると、当てにして自社の
業務に組み込む企業も多数出てくるものと思われます。
例えば直行直帰の営業マンの荷物受取りと引き渡し(クロネコメンバーズで
登録しておけば伝票記入も簡単!)、出張先の荷物渡し(お客様に直接届く
荷物には私物や商品以外の荷物は入れにくいですよね)など、かなり便利
に活用できそうです。

あまり大きい声では言えませんが、ヤマト運輸にとってはデメリットばかりで
はありません。何しろこれまでは厳しい時間指定の荷物であったものが、
お客様が自分で引取に来てくれるわけなので、届ける経費と時間が節約
できむしろ採算は改善する可能性が大です。

在庫管理や本人確認、非合法な荷物の取扱など、クリアしなければいけない
課題もありますが、大枠ではウインウインのサービスになると思います。

☆他にもポテンシャルの高いサービス群が

今回の記事を見て改めてヤマト運輸グループのウェブサイトを見たのですが、
かなり充実したサービスが目白押しです。例えば、

-----------------------------------------------------------
ヤマトパッキングサービス http://www.y-logi.com/ypc/

課題のある物流プロセスをヤマト運輸がワンストップで請け負うことで、
大幅なコスト削減、リードタイム圧縮を図る、という提案にあふれたサイト
-----------------------------------------------------------
ヤマト・スタッフ・サプライ http://www.y-staff-supply.co.jp/

物流人材の教育、紹介、派遣をワンストップで行うサービス。
キャリアアップをしたい若者から、物流業界経験のある定年退職後の方の
紹介、社員教育の受け皿としての機能などを網羅したサービス
-----------------------------------------------------------
ヤマトダイアログ&メディア http://www.yamato-dm.co.jp/

DM発送を徹底的に研究したサービス。
自社の配送データベースを駆使したターゲットマーケティングを提案。
-----------------------------------------------------------

などがあります。
他にも定評のある自社以外のシステム連携を改善した送り状作成システム
「B2」や、すでに社会インフラになった、代引きを扱う「ヤマトフィナンシャル」
などのサービスを備えて、まさに物流サービスのモールと化しています。

☆今後は「卒業生」の囲い込みと「海外展開」に注目

ヤマト運輸の強みは、いわゆるtoC(対消費者)の物流で、荷物の単位は
「1個」が主の物流、たとえば通販などに高いブランド力を持っていますが、
彼らが大企業となって多くの荷物を扱うと共に、徐々に「卒業」していって
しまう現象があります。
これは佐川急便でも日本郵政でも同様ですが、ある種最後は「コスト」で
片づけられがちな物流の世界で、果敢に物流周りの新サービス開発に
こだわるヤマト運輸は立派と思います。

おそらくヤマト運輸のブレイクスルーは、宅急便ネットワークがアジア全域に
広がった時と想像されますが、メイドインジャパンのサービスとして飛躍して
欲しいと思います。


*1 DCM(Demand Chain Management)
  小売業系の流通効率化を意味する概念。
  顧客の購買行動から情報を得、ニーズに合った商品開発や生産・流通の
  最適化を図るという流通の仕組み。市場・顧客の需要(デマンド)の変化
  に柔軟に対応することで企業の成長をはかろうとするもの。

*2 SCM(supply chain management)
  製造業系の企業の生産・流通効率化を意味する概念。
  資材の調達・生産・流通・販売という、製品が供給者から最終ユーザーに渡る
  までの一連の流れを「サプライチェーン」と呼び、その流れを供給者の側
  からとらえて経営の効率化を図ろうとする考え方。

(出典:http://www.marketingkeyword.jp/)

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