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2009/02/02

【Logi-SP】なるほど物流効率化 Vol.76 「不況」が進化を加速する

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■■■  ロジスティクス・キーワード〜 なるほど物流効率化
■■■  No.076 「不況」が進化を加速する
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金融不況が激しく実態経済をむしばみ始めています。
複数社のメーカーさんとお話をしたところ、「億単位で受注がキャンセルに
なっている」「2月は週休3日だ」など、激しく失速する状況が身近に迫って
来ていることを感じます。
しかしながら、小売りや製薬など、消費財や生活必需品を扱う企業はむしろ
非常に底堅く推移しており、全く別世界のようなお話を聞くこともあります。
しかし、物流の立場から見ると、課題が収斂され、改革前夜の予感を感じる
今日この頃でもあります。
今回は最近感じることを少々。

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<今週の気になるニュース> 

トヨタの改善についても知らない人はいませんが、どうもその改善の中身
についてはかなり各企業が勝手に解釈しているようです。社員が自由に
集まりそれぞれ自分の改善を自慢する会社が多いと思いますが、トヨタの
改善は作業の改善ではなく「標準」の改善だそうです。

トヨタ式においてはどんな作業にも必ず標準があり、どんな社員も必ず
その標準に沿って仕事をするのです。改善とはその標準への改善であり、
標準が変わった以上、誰が作業してもその標準を保証しなければなりま
せん。
作業毎、工程毎の標準が保証される仕組みがあるから、最終的な直行率が
自然に保証されるのです。
日本語の「標準」はなんとなく「マニュアル」、「不変」というイメージが
ありますが、若松さんの話を聞くとトヨタの標準とは時間軸において常に
変化するものだと気付きます。

「営業、総務、サービス業など生産現場以外の経営においては標準化への
理解と取り込みはもっと遅れている。開発、生産と営業が連携して標準化と
改善を進めないと企業の競争力がますます落ちる」と若松さんは警告して
います。

「宋文洲のメールマガジン」1月23日配信分より引用
(原文はこちら) http://www.softbrain.co.jp/mailmaga/index.html
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☆不況は物流を変えるのか?

1月に入ってから新聞各社の紙面に「物流」の記事が大幅に増えています。
大きくは大企業、特にメーカーの取り組みとして、以下のような取り組みを
取り組む企業の事例が紹介されています。

1月15日 カルビー、委託配送業者にTMS導入し分析、輸送効率向上(日経)
1月19日 パナソニック・住友電工、異業種と物流連携(日経産業)
1月20日 JFEスチール、ジャトコと業種超え相互輸送(日経産業)
1月21日 新日石、東ガス、自前のLNG船購入し輸送費削減(日経産業)
1月22日 エア・ウォーター 得意先付近に物流拠点設置し輸送費削減(日経産業)
1月23日 帝人・東洋紡、松山⇔大阪間で同業者共配(日経産業)
1月24日 レンゴー、1mm薄い段ボールで積載率25%向上(日経産業)

物流は輸送コストの削減を中心に、従来は物流会社の独壇場であった
輸送分野でのコスト削減に大きく切り込んでいます。
特に目立つのは「共配」。国内市場で、売上で競争していた頃は、効果的
と言われながらなかなか実現できなかった手法です。

不況期になると、目標とすべきターゲットは大変明確になり、多くの場合
単純なスキームを、最大限のスピードで徹底してやりきることで効果を
出すように求められます。
そして昨日までのこだわりは、まるで憑き物がとれたかのようになくなり、
皆がある種「吹っ切れて」目標に向けて走り出します。
目線が一段上がる、というのでしょうか。今がそんな時期に差し掛かって
いるように思います。

その意味では、不況・経済的逆境は、間違いなく現場業務や営業の先入
観を変えるほどのインパクトがあります。
その意味では、変化を望む人にとって、チャンスが来たと言えるでしょう。

☆実際のところ、これらは効果が上がるのか?

ここで素朴な疑問が浮かびます。
今の時代、物流を効率化して、本当に儲かるのでしょうか?売上が上がら
ない中の物流改革は効果があるのでしょうか。
結果から先に言うと、物事の本質をつかめば、十分に効果が上がります。

私が現在着手している複数の企業のデータを見ると、どの企業も例外なく
困っている「部分」があります。
それは、生産拠点から最も効率のよい幹線に乗せるまでの「集荷、及び
主要都市までの幹線輸送」です。
電車に例えれば、東京−新大阪間はとても効率がいいのですが、東京
から大宮、大宮から高崎、と進むごとにぐっと効率が落ちていきます。
そして、もう一つは「距離にして20km前後、重量にして1t程度の”超近距
離・中ロット重量”の物流」が高コストになっています。

倉庫はある程度効率化にも頭打ち感が出てきました。
あえて言えば、従業員が働きたい時間と、物流が忙しい時間とのずれ、と
いうものがより顕著になってきています。
例えば、優秀なパートさんが働きたい時間は10時 - 14時の時間帯だが、
出荷のピークは16時 - 18時と、このずれがばかにできないほど重い課題
になっています。

この時間のずれ、距離と採算のずれをつかまえられる企業は、おそらく
大きく成長するでしょう。
個人的な予想ですが、これらの課題に応えていく上でキーになるのは、
やはり受け皿となる物流企業の体制構築にあるのではないかと思っています。

要するに、物流企業がこれらの動きの本質をつかんで、時機を得て共配
の受け皿を作れたら、また、倉庫で働く人員のコントロールを外食並みに
コントロールできる企業ができたら、非常に伸びると考えます。
物流企業がここで受け皿になりきれなかったら、多くの企業は物流子会社
の設置や、内製化を加速することでしょう。

☆待望される物流企業側の進化を革新

経営における物流改善、改革は、ある程度のところまでは皆が到達した
感があり、高コストの原因はほぼどの企業でも共通したものに収斂され
つつあります。
つまり、ニーズが固定された状況であり、これらに対応できる新サービス
を誰かが出すべき時期に来ているのです。
ここで冒頭に引用した記事に戻るのですが、トヨタの改善的にいえば、今
が「物流業界の常識」「儲け方」「作業・標準の見直し」の好機になって
いるのです。

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