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2008/01/16

ロジスティクス・キーワード~なるほど物流効率化 No.065【日雇い派遣は今後どうなるか】

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■■■ ロジスティクス・キーワード〜 なるほど物流効率化
■■■ No.065 日雇い派遣は今後どうなるか
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昨年末から本年は日雇い派遣に関する話題が多かったです。
グッドウィルは1月11日から2−4ヶ月の事業停止になり、年度末の引越や
小売の繁忙期をどう乗り切るか、不安を抱える企業も少なくありません。
昨年夏に同じく事業停止になったフルキャストは、再開後の1日当り派遣数
が2万人から1万人に半減したそうです。
グッドウィルも同様の経過をたどると見られており、派遣のなかでも
「ノンスキル、日雇い」という分野は今後間違いなく衰退するであろうと
思われます。
今後はどうなっていくのでしょうか。今回はこの話を。

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<今週の気になるニュース>

副作用なき賃上げ

2008年の日本経済について慎重な見方が広がっている。日本経済新聞社が
昨年末に実施した「経営者100人アンケート」でも、景気減速への警戒感を
にじませる経営者が多かった。ただ、海外の視点はやや異なる。サブ
プライムローン問題の影響が比較的軽微な日本企業の業績は先行き明るい
との観測が少なからず目に付く。
先陣を切ったのは米週間経済紙「バロンズ」。07年10月22日号の「円はまた
上昇する」と題した記事で、円高が日本企業の業績を引き上げ、海外からの
日本株投資を膨らませるとの見方を紹介した。このタイトルは英エコノ
ミスト誌ビル・エモット前編集長の著書「日はまた沈む(1990年)」
「日はまた昇る(06年)」 をもじったもの。そのエモット氏は最近の講演
やコラムで、日本経済の課題として「最低賃金の大幅引き上げ」を唱えている。
円高に伴う輸出減退の対抗策としてエモット氏は賃上げによる消費拡大を
唱えている。少子化で労働需給の逼迫が続く日本は失業増加など副作用が
予想されにくく消費拡大を促し景気を刺激する賃上げが望ましいという。
経団連は春季労使交渉の留意点に「家計の購買力への配慮」との項目を盛り
込み、賃上げ容認の姿勢をにじませ始めた。
08年の日本経済のキーワードは「賃上げ」になるだろう。

(2007年1月1日 日経産業新聞24面「眼光紙背」 全文を引用)

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☆派遣の得失

「派遣を使う仕事は絶対取るな、それなら交通費をかけてでも自社員で対応
しろ」と厳命している企業があります。
日雇い派遣人材は「給料5割増、生産性5割引」だ、そのような仕事は派遣
される人間も、雇う側も不幸だ、と社員に何度も何度も伝えています。
これはこの会社の苦い体験からきていました。

昨年の春、この会社は業績が絶好調で、営業をかければ仕事がどんどん
取れ、客先からも引く手あまたの状況でした。
新しいサービスは好調で、市場の評判も非常によく、また3月決算の最終四
半期ということもあり、営業にはより一層馬力がかかりました。
しかし、物流現場ではキャパシティを超えた仕事に対応できず、毎日の残業、
管理職の休日出勤が半年以上も常態化していました。
そのうち体調を壊す社員も出始め、納期遅延も起こり始めました。

このような「うれしい悲鳴」の中、はじめて「派遣を使ってみようか」と
いう話が社内で湧き上がり、早速大手派遣会社に人の確保を依頼しました。
1日に10人を超える派遣を雇い、さあこれで出荷も大丈夫、と安心したのも
つかの間、全く作業ははかどらず、かえって現場が混乱してしまい、結果と
してこの企業は売上大幅増、利益大幅減の決算を余儀なくされたのです。

「もう二度と使わない。」この企業の社長はいいました。
派遣活用の感想は「給料5割増、生産性5割引。10人雇えば当たりは3人。
7人は挨拶もできない。教える手間を考えればほぼ赤字だ。そんな仕事なら
受けないほうがましだ。」

☆なぜ二重派遣やワーキングプアが起こるのか

このようなお話に納得される方は大手の方に多いのではないでしょうか。
実は日雇い派遣業務にさせる仕事の多くは入荷検品といった短期間に
多くの人手が要る業務か、アッセンブリのような単純作業が多く、機械化
できない労働集約型の仕事が大半です。
出荷業務などは定型化されていますが、業務の中に意識的に(多くは経験に
基づいて自然と)品質チェックの業務が入るため、出荷・梱包業務に派遣
をすえるケースは少ないのです。
中小零細企業は派遣を使うぐらいなら、同業者にある程度固まった仕事に
仕立てて応援を頼みます。

大手企業の仕事は1回のロットが大きいことから、派遣の必要性が生じ、
しかもそれらの仕事は単発的で長期にわたらないことから、派遣という
需要がありました。
しかし、このような仕事が長期・恒常的に発生するようになると、仕事の
内容という理由より、雇用上メリットが多くなることに気づきます。
「募集・採用活動をしなくともよい」「雇用保険を払わなくてもよい」と
いった理由です。
現場の長にとっては仕事を円滑に進める責任もさることながら、人を募集
し、定着させる仕事もかなりの重荷になるのです。
二重派遣や、日雇いが長期に渡ることによる「ワーキングプア」といった
弊害は、実は現場リーダーが教育・採用に十分な時間を確保できない
現状と、それを許す経営幹部、助長する派遣会社の三位一体によって
発生するものなのです。

でも、ある種必然性はあります。
現場はどんどん海際、郊外へ移動し、しかも大型化しています。
自社の採用チャネルで雇用できる人数など限りがある中、派遣業務は
非常に便利で、有益なのです。
募集・採用・教育責任をすべて現場リーダーにゆだねるには、今の現場
は大きくなりすぎました。
効率化を追究すると、派遣に頼ることは必然となってくるのです。

では、このような大きい現場を物流企業にアウトソースするとしたらどう
でしょうか?
実際に1つの現場に3〜4社程度の物流企業が入って運営している現場
も存在します。しかし、ご存知の通り、物流企業に業務請負として仕事を
委託すると、荷主企業はこの物流企業が雇用している人員に対して
指揮命令をすることができません。
そうなると場合によっては使いづらい、管理もしにくい状況になります。
これを嫌うと、やはり派遣がいい、という話に行き着くわけです。

しかし、これからはこのような都合のよい話はできなくなります。
「いいとこどり」の手法で人を雇い、働いてもらうことは事実上できなく
なることでしょう。もし使うとしても非常に高くつく話となります。

☆「ポスト派遣」は何になる?

整理すると、今回のグッドウィルの事業停止命令は、次のような影響が
出そうです。

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1.大規模拠点を持つ荷主企業、物流企業により大きな影響が出る。
  拠点の立地によっては、壊滅的な打撃を受ける企業も出る。

2.スポット仕事・終わりじまい(業務終了したらそれで仕事も終了)を
  対応する企業は大幅に減少する。
  輸入品の国内入荷検品などは特に嫌気される。

3.パートアルバイトの募集合戦が勃発し、募集時給が高騰する。
  20-30円程度は確実に上昇し、パートアルバイトはアメニティに優れる
  あるいは働きやすい職場に集中する

4.ケータイで募集しているような「スポット・単発」の仕事は派遣会社が
  それらのサービスをやめる可能性が大。
  派遣を頼んでも断られる企業が出てくる。(既に出ている?)

5.日雇い派遣がなくなる代わりに、特定業務請負のようなサービスが
  出てくる。例えば引越のスキルを身につけたスタッフを数名のチーム
  にして派遣する、小売の売り場の陳列専門サービスなど。
  パートアルバイトの採用・教育サポートサービスが生まれ・発展する。
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本来的な問題は、日雇いや二重派遣によって、労働者が不当に安い給与
を長期間にわたり強いられることが問題の核心で、それらを助長する企業
や事象について厳しい規制がなされた、ということです。
ですので、このような働き方は今後どんどん衰退するでしょう。
しかし、派遣的な働き方が好き、という労働者もいますし、短期・スポット
だからやれる主婦や定年された方もいます。このような労働機会まで奪う
のは国民の支持は得られないでしょう。

このような派遣のメリットを受け止める受け皿となりうるのは、やはり物流
企業ということになるのではないでしょうか。
現場を知らない、営業に長けたブローカー的な会社が人繰りの手数料を
求めてまた跋扈するようになれば、おそらく今回の二の舞です。

請け負った仕事に対する知識や経験、品質を持った企業が契約に基づ
いて業務を請け負うような仕事の形が、きちんと法律に則って行われるよう
になれば、受け皿となる企業も、きちんと人を雇って仕事ができるように
なりますし、労働者のニーズにもかなう形ができるでしょう。
今後は物流企業に対してより採用・教育・品質管理の仕組みやノウハウが
求められるようになるでしょう。

今までは不安定な仕事、経営を強いられていたこれら業界も、今回の事件
をきっかけに是正され、正規雇用が増えることで景気が上がることを期待
しています。今回紹介記事にもあるとおり、外国の方もそれを期待している
という意見もあるわけですので。

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