2007/11/26
ロジスティクス・キーワード~なるほど物流効率化 No.062【「内化」「見切り」の道】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■◇ ■■■ ロジスティクス・キーワード〜 なるほど物流効率化 ■■■ No.062 値上げと偽装の次は〜「内化」「見切り」への道 ■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 一気に寒くなりました。風が寒い!夏から冬へ一足飛びの印象です。 昨日某タイヤメーカーの方とお話する機会があったのですが、スタッドレス タイヤは「冬のボーナス前の天気」に売れ行きが大変左右されるそうです。 この「冬のボーナス前」に大雪が降ると、その年は飛ぶようにタイヤが 売れるそうで、逆にボーナスどきに雪が降らないと振るわないとのこと。 でも、風や天気に売れ行きが左右されるなんて、これだけ高度化した社会・ 経済の中でも、自然の力は偉大です。 同じ風でも「風評」というものも経営に大打撃を与え、実体経済を大きく ねじ曲げていきます。今回はこの話を。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◇◇ 「ロジスティクス手帳2008」発売!売れてます! ◇◇◇ 物流に携わる人必携!より使いやすく改良、中見も更に充実! ◇◇◇ 詳しくは http://logi-sp.com/part/event/tecyo/event08.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <今週の気になるニュース> 失墜:船場吉兆偽装 「もう吉兆名乗るな」 グループ他社に影響〜 「もう吉兆の名前を使わないでほしい」−−。さまざまな食品偽装が噴出し、 16日に大阪府警の強制捜査を受けた老舗料亭の「船場吉兆」(大阪市)。 日本料理を芸術の域に高め、文化功労者にも選ばれた故湯木貞一氏の 「吉兆」は、91年に5人の親族にのれん分けされ、各店舗はそれぞれの 道を歩み始めた。しかし、日増しに強まる消費者の批判に、他のグループ 会社にも大きな動揺が広がっている。 …「船場吉兆とは経営も考え方も仕入れも全部違うのに……。どうしたら ええのか」。「神戸吉兆」の湯木喜和社長は、途方に暮れた様子を見せた。 (出典:毎日jp 11月17日配信 http://mainichi.jp/seibu/seikei/news/20071117ddp041040026000c.html ) 突然、4割以上のアップを要求 オフィスビルを所有する投資ファンドが賃料をめぐって入居者企業を次々と 訴える…。日本ではきわめて珍しい訴訟が今年上旬から夏ごろにかけて起きた。 …争いの発端は、たった一枚の紙だった。 オフィスの賃料アップに同意していただきたい…。そこには40%を超える 大幅な値上げ要求が記されていた。 「こんな要求、受けられるわけがないだろう」「同意頂けない場合は最後(裁判) までいくかも知れませんよ。」 (出典:日経ビジネス11月12日号特集 ”戦うオフィス”) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆当事者は自業自得と思うが 「2007年はあらゆる「嘘」が暴かれ、世の中の仕組みすべてが変わった…」と 将来教科書に載るような1年となることでしょう。 それほど、今年はこの手の話が多かった。しかもこれまで圧倒的な経営規模 や歴史、名声をもって君臨していた企業が軒並み摘発されるという年でした。 そのほとんどは内部告発という話もあり、今後もおそらく続々と出てくることで しょう。 個人的には当事者は自業自得とも思いますが、取り上げたニュースにもある ように、その周辺にいる無関係の潔白な人たちも風評により甚大な影響を受けて いることを聞くと、いったいどうしたらいいものか…と感じざるを得ません。 特に、このような企業に原料や資材を入れていた中小企業は相当期間売上の 空白が生じます。当然物流にもその影響は計り知れません。 このようなリスクは当事者にとり天災にも匹敵するものです。 ほんとうの地震や台風などの天災に遭えば、国として支援をしていただけたり しますが、経営のリスクにはほとんど場合そのような支援は現れません。 結果として当事者に関連した人たちも「自己責任でしょ」とされてしまいます。 NOVAなどの事件も典型でしょう。 ☆値上げも理屈にあってない 日々の取引先が故意に行っている事象に対して、私たちは限りなく無力です。 金返せ!と怒鳴ったとしても、真の悪人はすでに巻き上げた金を使っている 事がほとんどです。結局泣き寝入りするしかありません。 昨今の様々な商品、サービスの値上げについても納得がいきません。本当に 資源が枯渇してしまった、などの話であれば需給バランスの話で納得しますが、 昨今の原油の高騰も、トウモロコシの値上げも、投資家やファンドといった 金融サービスのせいだという話です。実体経済とは違う金持ちの運用の影響 とはどうしたものでしょう。 国も増税とか言い始めていますが、隣にいる同僚は日がなゴルフにいそしみ、 三ツ星料亭で談合に明け暮れています。 こんな理屈に合わない話で天災に近い被害をこうむる今日この頃、まじめに 仕事したり暮らしたりしている人たちから見ればこんな話、とても正気で 聞いていられるものではありません。 ☆正気な人たちの防衛策「内化」と「見切り」 このような現状に対して、今私の身近では今までと変わった動きが出てきて います。一つは「内化(うちか)」。もう一つは「見切り」です。 いくつかの企業はこれまで外部に任せていた様々な仕事を、次々と社内または グループに取り込んできています。 物流子会社の設立も再検討に入った企業が出てきています。倉庫など物件の 取得も自社で、という流れを模索する動きが出てきました。 実際に不動産分野では「資産のオフバランス化(注)」という掛け声のもと、 不動産を売れ売れ、と急かされて売った企業は多いのですが、手元から資産を 手放した瞬間、いきなり値上げ要求をする運用会社も出てきました。 都内のオフィスビルは大変な値上がりで大騒動らしいです。 オフィスですと坪10万円!はあたりまえなのだそうで。 物流の場合は特にアセット(資産)を活用することで利益を得る、典型的な インフラビジネスです。昨今のサブプライムローンの影響で、ここへ来てアセ ットを買い漁り、資金運用やソリューションで生きてきた企業は急速に事業が 不安定になっています。それがいきなりの賃料値上げの言い渡しや、退去勧告 です。 物流不動産はまだその影響は出ていませんが、専業でないファンドなどはどの ように対応するのでしょうか。 この影響は不動産に限らず、値上げの影響を受けている大なり小なりの企業で 発生しているようで、これまでもてはやされた”アウトソーシング”や”ファ ブレス”といった効率経営のキーワードは、一気にリスクの象徴となりつつ あります。 この不安定な状況を回避するために、これまで外注・委託していた業務を、運用 や業務受託を専業とする企業ではなく、同業者・グループ企業へと仕事を移転 させる動きが徐々に出てきているのです。 「系列」や「終身雇用」といった日本的経営が否定されて久しいですが、これ だけ世界規模で、かつ自分の間近で冷酷な経済原則を見せ付けられた中小企業は、 生きるための最善の道=信頼できる「仲間」との取引を模索し始めました。 利益獲得については、笛吹けど踊らない新規顧客を探すより、既存顧客の安定 取引を組み合わせて効率化することで利益を出す、業態、業界に特化する、と いう流れがいっそう鮮明です。 儲からない取引先とは潔く取引を切る。これが「見切り」の流れです。 この流れの行き着く先は「同業界同士のM&Aによる寡占化」であり、その規模 をもって身内ではない世界に打って出る「国際市場競争」への参入なのでしょう。 そうやって日本国を脱出した企業は世界へ羽ばたき、日本国産の商品は、「割 に合わない日本市場では売らないよ」ということで、手にしたり口にしたりでき なくなるかもしれません。 ☆生みの苦しみであることを このような流れを見て「改革が後退している」ということで、世界中の投資家は 日本株を回避し、大いに株が売られているそうですが、投資家でない一般庶民 からみたら、この対応はどのように見えているのでしょうか。 この流れが新旧交代に必要な「生みの苦しみ」の流れであり、強固な経済が出 来るための通過点であることを願っております。 注:オフバランス化 会計上のリスクが存在する取引を貸借対照表(バランスシート)の外に出すこと。 このような処理をすることで、より少ない資産・資金で高い利益を出している、 と会計上評価され、企業価値を高めることができる。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■ ホームページ刷新!!より分かりやすくなったと評価を頂いてます! ■■■ http://logi-sp.com/index.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 意見・感想・質問等 → info@logi-sp.com 購読登録・解除 → http://www.mag2.com/m/0000193800.html ──────────────────────────────── 発行人:株式会社ロジスティクス・サポート&パートナーズ http://logi-sp.com/index.html ──────────────────────────────── このメルマガは『まぐまぐ』を通じて配信しています。 http://www.mag2.com/ ──────────────────────────────── 知人・友人への転送、社内での回覧はご自由にどうぞ。Copyright 2006-2007 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



