ロジスティクス・キーワード〜なるほど物流効率化 No.060【巨大なる農業物流の誕生】
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■■■ ロジスティクス・キーワード〜 なるほど物流効率化
■■■ No.060 巨大なる農業物流の誕生
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やっとホームページの更新が大詰めに入っております。
http://logi-sp.com/index.html
思えば現在のホームページは創業直前のほんの3週間程度で作成してしまい、
その後ほとんど手を加えていなかったので、おおよそ3年ぶりの全面刷新と
なります。
問題なければ今日から見れるのですが、最終のシステム確認がまだです
ので、若干遅れるかもしれません。
皆さんからのご意見、ご感想をお待ちしております。
さて、今回は変貌する国内物流の中でも相当大きな話題です。でもこれまで
ほとんどの方が関心を持っていなかった領域ですが、本当に変わるとすれば
相当なインパクトをもたらすであろうこの話題を。
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<今週の気になるニュース>
1.巨大「農業物流」へ〜エーコープライン(物流Weekly 2007.10.22号トップ)
全国農業協同組合連合会(JA全農)のグループ会社、エーコープライン
(古川泰典社長、東京都千代田区)は、12月1日から「全農物流」に社名変更、
グループの物流再編を加速するとともに新規事業の整備に乗り出す。
現在、新会社のロゴマークも含め、新体制スタートに向けた準備を進めている。
昨年3月に打ち出された「JA全農新生プラン」に基づく、「子会社の全国1社化」
「要員削減」および「コメ流通の環境変化」などに対応するもので、向こう
5年以内を目標に各地の「くみあい運輸」などの吸収合併を完了。
JA全農グループの物流を一手に引き受けることで、同社は保有車両1,100台、
売上高1,000億円以上の巨大な「農業物流」企業に生まれ変わる。
2.産地で農産物一貫管理(日経MJ 2007.10.26号 4面総合)
農林水産省は食の安全・安心に向けて、国際的に導入が進んでいる「GAP」
(注)など農産物の生産工程を産地で一貫管理する取り組みを促進する。
生産から加工までの工程を一定の手法に基づき産地で整理、記録、実践。
食品の安全性を高め、環境保全などにも対応する仕組みを整える。
情報共有や消費者ニーズの把握などで流通業者とも連携。品質の向上も図り、
信頼性を確保する。
(注)GAP:(Good Agricultural Practice)
「良い農業の実践」が直訳。農薬の使用量と管理、種苗や土、水の安全性、
収穫後の取り扱いなど生産面だけではなく、環境への配慮や従業者の安全、
販売管理などを含めた農作業の工程管理手法を指す。
欧州小売業組合の「グローバルGAP(旧EUREPGAP)」が事実上
の国際標準。日本では、小売事業者や生産者団体、各都道府県がグローバ
ルGAPを参考に、それぞれ独自にGAPを制定。生産者らで組織する
日本GAP協会(東京・千代田)の「JGAP」などがある。
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☆「偽装列島」と騒がれる今、
食品流通の安全性、信頼性が問われています。
「食品偽装の紅白」と揶揄された、地方大手の菓子メーカーさんをはじめと
する賞味期限偽装や、使用原料の偽装などの多発は、内部告発に関する法的
な保護が制定されてからあふれんばかりに、これでもか、これでもかと
沸いてきます。
秋田の比内鶏の原料偽装に対しての謝罪会見では、自分の父親と同年代の
社長が「死に切れませんでした」と落胆して会見を受ける姿を見て、なん
ともひどい世の中になったもんだ・・・と切なくなりました。
確かに偽装した罪は重いですが、それを糾弾するマスコミも、何か勘違い
しているように思えるのです。
あれだけグルメだ、産地だと騒いでおいて、自分たちはそれを舌鼓を打って
食べていたのでは?と、「頭で食する」人たちを見ていると、とことん
興ざめします。
私は実家が牧場で、農業高校を出ているのですが、話題の鶏のくん製も実習で
作りました。
鶏のくん製といえばまさに卵を産み終わった老鶏を最後まで無駄にせず美味しく
食するための調理法であり、原料に何を使ったかよりも、塩加減やくん製加減
など、その調理法の巧拙を問われる食品です。
ですので、比内鶏のくん製が偽装であった、という話を聞いて「それの何が
おかしいの?おいしいじゃん。」と思ったものです。
別に偽装を擁護するわけではないのですが、”鶏のくん製”の前に「比内鶏の」
と付いただけで、売価が倍になることがおかしいと思っているのです。
食べ物を冒涜していると思います。自分と同じ生き物を食べて生きているのに。
原料と育て方、作り方を理解していれば、そもそも私個人としてはくん製に
数千円も払うことなどありえません。それは消費者が理解して判断すべきこと
でしょう。
もしも食べた時点で美味しいと思い、その価格が適正と自分が思うなら、
それはその時点でその分の価値があったのです。
しかしながら悲しいことに、今の農産物は包装ラベルに「○○産」とか
「有機」とか、あるキーワードが入ると、2倍、3倍の値段で売れるのです。
そしてこれらが市場で混ざり合うと、もうなにが何やらわかりません。
いい加減な物流で持ってこられたものも、ちゃんとしたコールドチェーンの
管理の中で持ってこられたものも、ごちゃ混ぜです。
それが今の農産物流通です。
☆農産物をはじめとする食品は
もちろん産地、生産者の腕も重要ですが、きちんと消費者の口まで届けられて
はじめて美味しい、と評価されるものです。実は品質のもっとも重要な部分は
この「流通」が最大のポイントになっていて、それこそ無名の産地のものでも、
取れたて、もしくは鮮度管理ができていれば、それだけで美味しいのです。
これが食品流通に最も大事なポイントです。
そして、多くの消費者が重きを置く価値、「産地」を特定する手段は、包装
紙か、誰が運んで来たか、ということでしか判別できません。
これが2点目に重要なポイント。
最後に「育成法」ということになりますが、これこそ食べてみなければわか
らない話で、自分の産品に自身がある生産者ほど、価値のわかる人にゆだね
たい、あるいは独自流通をしたい、という意欲を持っています。
食品の食味をある程度判断できる検査技術はできているので、ランクや等級
といったものが適正に運用されれば、きちんとした品質管理はできるということ
になります。
農業の物流を、(1)産地→市場、(2)市場→店舗、(3)店舗→消費者
と3段階に分けると、ほとんどの物流事業者は(2)にタッチしているのみで、
(3)は徐々に発展中、(1)においてはほとんど手付かずの状況だったの
です。
大手の食品メーカーは今、食品の品質を決定付ける流通と、自分たちの品質
基準を満たす産品を作れる農家を囲い込みに入り、物流を独自構築しようと
しています。
そのような企業から声がかかる優秀な農家と、大都市近郊の産地はそれでいい
のでしょうが、優秀でも遠隔地の農家と、品質をABCランクに分けたときの、
Bランクの農家は、どれだけいいものを作っても、流通がいい加減では需要が
伸びないことになってしまいます。
今回、エーコープラインが「オール全農」となって全国の流通網を整備する、
という話は、個人的に大変期待しているのです。
☆流通改革で日本農業は「ある程度」再生する
まず、全農はそもそも生産者側の団体として、供給能力を高めるための総合的
な機能を持っています。品質管理しかり、経営支援しかり。
一時だらしない時期がありましたが、徐々に市場に向き合う気持ちが出てきて
いると信じて(!)います。
食品物流はその機能の中に「品質維持・管理」の機能がなくてはいけないの
ですが、物流は一般的に「着荷主の要求する品質」を満たせばいい、となって
しまいます。着荷主が「とにかく安く!」と要求すれば、物流は安かろう
悪かろうをするわけです。
生産者側に立った物流が、着荷主の要求を無制限に聞くことをせず、きちんと
産品の特性を知り、品質を守って届けるならば、当然価格も安定しますし、
美味しいものを美味しく届けられるでしょう。
そして、全国規模で物流を統括できれば、全国の流通格差を和らげる効果は
経営上出てくると思います。あまり極端な不採算農家や産品はダメですが、
市場で値が付くものならば、きちんと運ぶよ、という話であれば、新規の
産品を送り込む「プレマーケティング機能」も物流が持ちうるでしょう。
そして2番目の記事にあった「産地ごと一貫管理」についても、統合された
市場で行われて初めて価値が出る訳です。
「うちのはバーコードなどつけんでもいい!」と農家1世帯ごとの話を取り
まとめるよりも、「市場流通の原則として、ソースマーキングはします。それ
が消費者のニーズです」として国内物流の情報かも同時に進めれば、全農が
流通全体の品質保障機能を担うことになります。
今も各地方農業団体でそれぞれ産地ブランドがありますが、より包括的な
「流通品質保証」をする訳です。
あと、出荷作業のときは産地は大変な人手不足になります。
そこに「全農物流 流通加工事業部」から人材派遣をすればいいでしょう。
全国規模で人とノウハウが共有されれば、すごいことです。
出荷梱包作業は別に物流センターでなくても、露天でしてもいいでしょう。
この発想、ちょっと親方日の丸で、いやがる方もいるかもしれません。
でも、これだけ地に落ちた農業と食品業界の風評をゼロフラットまで戻す
上で、流通の近代化は最も費用対効果が高いと思うのです。
そして物流は商流に絡まない、独立性を持つこと。
そうすれば、農業物流事業の可能性は今より数段大きくなります。
市場流通される農産物はこのように整備すればいいと思います。
企業も独自で市場外流通をやる分にもかまいません。基準さえきちんと守り、
監査を受ければいいだけです。
☆農業は今や育成産業です。
生産者がすべての資産を持ち、消費者の口まで届けるリスクを背負うことで、
農家のなり手は居なくなりました。
そして、日に日に老いていく自分を見つめると、とても規模拡大はできません。
昔から、農家は地域協同組合方式で行われてきました。アメリカを除く諸外国
はほとんどそうです。
(アメリカの農業は市場に任せた結果、農業は穀物メジャーと資本家のものに
なりました。産品の価格の上げ下げも自由自在です。)
企業は条件に合わなければ冷酷に取引を打ち切ります。それがたとえお天
道様のせいであったとしても。全部がそうではないですが、「なければ外国
からでも輸入すれば」という考えの企業とは、生産者は恐ろしくて付き合え
ないのです。
土地に根付くのが農業の本質ですので、リスクヘッジは流通全体で行う必要
があるはずです。
それが市場であり、物流であると私は思いますので、基盤整備に踏み出した
全農物流を心から応援したいと思います。
今までのように部分最適、担当最適に縮小均衡しないよう、トップの知見と
英断・実行を期待します。
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