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2007/09/11

ロジスティクス・キーワード~なるほど物流効率化 Vol.057【数字とどうつきあうか】

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■■■ ロジスティクス・キーワード〜 なるほど物流効率化
■■■ No.057 数字とどうつきあうか
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このところ、物流現場に入って調査・分析をずっとし続けているのですが、
どの荷主企業、物流企業も「次は何をすればいいのか?」と試行錯誤して
います。そんな中増えているのが、”数値主義の弊害”とでも呼べるような
動きです。今回はこの話を。

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<今週の気になるニュース>

会計数字とは、感情を抜かれた特殊な数字であり、裏返して言えば数字から
感情を抜く道具が会計である。会計数字の特徴は「信頼性」「比較可能性」
そして「効率性の追求」という三つの言葉で言い表せる。・・・
同時に、会計数字には限界があることを知っておく必要がある。会計数字
によって企業のすべてがわかるわけではないのだ。
会計数字の限界を認識せずにそれをストレートに経営に反映させてしまう
と、働く意欲を失う社員を生み出したり、顧客離れを招いてしまったりと
いったマイナスの現象を引き起こす。
このように、会計数字は使い方次第でとてつもない暴力性を発揮して、むしろ
企業を蝕んでしまうのである。

(出典:プレジデント 2007年10月1日号
 「数字王選手権〜なぜ儲ける人は株価と財務諸表を見ないのか」 )
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☆数字で現場は「見えるか?」

個人的には白黒はっきりした状況は好きです。年々そのような性分が強く
なってきているように感じます。
特に物流の世界は数字で語れる事象が比較的多い仕事で、物理的なモノの
移動を行ってお金をもらっているわけですので、すべてを数字で表すこと
もできなくはありません。
最新のモバイルITを使えば、今どこにいて、何をどれぐらいしている
のかなど、事細かにわかってしまうほどの技術は世の中にいくつも出てきて
おります。
ただ、そこまで人の動きがわかったとして、そのことから何が生まれるのか、
という素朴な疑問が浮かんでくる事例も年々増えつつあります。

ある3PL企業の現場調査に入ったとき、「じつは、今お客様からクレーム
を受けていて、困っているんです」という相談をいただきました。
聞けば、最近物流に新しいボスが配属されて、いろいろと質問攻めにあって
いるとのこと。「ここはどうなっているんだ?」「これはなんですぐに報告
しないんだ?」など、事細かに、根堀り葉ほり質問をしてくるそうで、先日
は直接現場に来て、作業中のアルバイトをつかまえて、いろいろと質問攻め
していったとのこと。
「いいか、俺が来たからには、これまでの仕事も全部洗い出して、おかしな
ところはないか一個一個チェックするからな。仕事ができるのはおたくだけ
じゃないんだから、他社との比較も今後はどんどんさせてもらう。わかったな!」
と話して帰ったとのこと。
取り急ぎ現在の作業は、何をやっていて、それがきちんとしているかがわか
らないから、運営と在庫がリアルタイムでわかるような提案をもってこい、
という話で、どう対応すればいいのか困った、という話でした。

いろいろと話をしていくと、これまでも報告、連絡、相談は逐次メール等で
行っており、現時点で言えば不手際はないし、見ればわかることを、お客さん
側が見ていないだけだ、というお話。
どうしても見たい、というお客様と、どう対応すればいいかわからない物流
会社、という状況になっていました。

じつは大なり小なり、最近の現場改善ではこのような話が常に問題になって
います。どのような現場でも「見える化」という言葉が流行してから、今すぐ、
リアルタイムで状況を知りたい、という要望は大変多くなっています。

☆本当に見たいものは何か?

実際にある現場では、出荷ミス、誤配の防止のために、24時間対応のWEB
カメラを現場に取り付けて、お客様が見たいときにそのカメラを覗けば、現場
の状況がすぐわかる、という対応をしていました。
しかし、このような設備をつけて実際に逐次現場を見ているのかをログで確認
したところ、「最初の1週間ぐらいかな。一生懸命みてたのは。」という返事でした。
技術的にはリアルタイムで、1分1秒の動きすらも確認することができるよう
になってきており、実際にそのような仕組みを熱望するお客様も一部では出て
きているのですが、それらが本当によい結果を生み出しているか、というと、そう
ではないことが多いようです。
中にはピッキングミスが起こった画像を持って「こんな対応をしている!これを
証拠に訴えてやる!損害賠償請求だ!」と声高に追求する企業も出てきていると
のことで、緻密な管理がかえって暴力的で殺伐とした取引を助長しているような
ケースも見えてきています。
逆に物流企業が在庫の状況や受注内容を事細かに分析して、「こういう注文が
くると現場の生産性が下がるんですよね」とか、「料金交渉の前に、この在庫や廃棄
を無くすほうが先決じゃないんですか」「うちはメールできちんと報告しています
よ。ほら、ちゃんと履歴があるじゃないですか!」など、お客様から見ると
「なんだよその言い分は!」と怒りたくなるような対応をするケースもお聞きします。

こうなってくると、何のために技術が進化してきているのかがわからなくなって
しまいます。本来はお互いの信頼を深め、円滑な取引のための対応だったはずなのに、
あら捜しや証拠物件、責任追及のための材料として使われるような不幸な取引も
散見されるようになってきています。

☆まずは手足を動かし、汗をかこう

数字は大変便利なもので、データになれば説得力を持ちますし、効率的でもあります。
知識や情報の共有も、数値化すればスムーズです。
しかし、最近の物流現場は、運営内容が複雑になってきていることや、実際に実務
をやったことがない人が管理をする立場に立つことも多く、実態を知らずに数字が
一人歩きをすると、現場ではさまざまな不具合が発生したり、関係が悪化したりと
いうような悪い流れを作る原因にもなるのです。

お客様から数字での報告を求められるようになったとき、すぐに対応できるような
体制を日ごろから作っておくことは当然のことですが、それを解決や言い訳の材料
にするようでは、せっかくの信頼も損ねてしまいます。
まずはお客様に会って、不審の原因や状況をじかに感じて、自ら率先して動いて
対応することが、問題の特効薬になることも多いのです。
便利さにかまけることなく、お互いに信頼しあう関係を、言行一致で作り上げて
いきましょう。

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