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2007/07/18

ロジスティクス・キーワード〜なるほど物流効率化 Vol.053【納期を考える】

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■■■ ロジスティクス・キーワード〜 なるほど物流効率化
■■■ No.053 納期を考える
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すごい台風が通り過ぎたと思ったら、新潟ではまたもや大地震。
被災地の方々には心よりお見舞い申し上げます。
最近は大型の災害を聞くことが大変多くなっているのですが、ほとんどの
場合、個人レベルでのお見舞いやボランティアを受け付けることはしない
ようになっているようです。
災害が発生したときも、国、自治体の命令系統を軸に、組織的、機動的
に動いているようで、しかもネットで逐次更新されているのを見ると、
すごい世の中になった、とつくづく感じます。
私など、気ばかり急いて個人でじたばたしてしまいながら、対して役にも
立たないことばかりしてしまう質なのですが、まずは重ねて皆さまの
ご無事をお祈りしております。

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<今週の気になるニュース>

まず、第一の改善フェーズとして実施したのが、「取りまとめ配送」である。
複数に分かれているお届け物を、1つにまとめる方法を模索した。
営業の協力を得て、現行の受注当日出荷、翌日午前中着のサービスを、
受注翌日出荷、翌々日午前中着へと販売店からのオーダーをまとめる時間
を1日猶予してもらい、複数に分かれていた出荷をまとめることによる配送料、
および資材の使用量削減を提案した。・・・
このことによって、出荷件数が14,000個口/年、ダンボール梱包量18.7tと、
梱包作業にかかる時間20,000時間/年が削減できた。

(出典:ロジスティクスシステム6、7月号 p30〜p34、ジョンソンエンド
ジョンソンによる「チェーン型販売店との協働による環境配慮型集中配送
の実現」発表事例より:本雑誌の講読にはJILS会員への登録が必要です。)
http://www.logistics.or.jp/enter/index.html
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☆短納期はどれだけ物流コストを跳ね上げるか

今回気になるニュースとして取り上げたのは、今年の物流改善事例大賞で
最高位を獲得したプロジェクトになります。
以前より短納期は物流コストを上げ、業務採算を悪化させる元凶である、と
いう指摘はありましたが、今回は一企業が、しっかりとした定量データで状況
を把握し、それを営業や得意先に対しても協力を取りつけ、実現させたこと
が大変立派です。
しかしこのプロジェクト、実際にはどのぐらいの費用対効果を得られたので
しょうか。予想してみました。

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今までは当日受注→当日出荷、翌日納品で行っていた物流を、
当日受注翌日出荷、翌々日納品にルール変更をしたところ、

出荷件数が▲14,000個口/年 (1個400円の運賃がかかるとして560万円)
ダンボール梱包量▲18.7t(1枚200gのダンボール、@90円として841.5万円)
梱包作業にかかる時間▲20,000時間/年 (時給1000円として2000万円)

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このような感じと想像されます。
納期をたった1日ずらすだけで、とんでもないコストが削減でき、精度もあがる
のです。もっと言えば、お客様のいいなりであれば、どれだけすごい会社で
あっても納期交渉ができないとこれだけの利益流出が発生する、ということです。
ちなみに、得意先の要望や意向を変えさせる、という物流改善活動は、最も
難易度が高いものですが、今回のこの結果は、さまざまな企業でよい参考
事例になるものと思います。

☆機会損失という名のプレッシャー

ある小売業の著名な経営者の方が「機会損失」の話をされていたことを聞い
たことがあります。
曰く「売り場に商品がなくなった時に”すべて売れた。良かった。”と考えるの
は早計である。もっと店頭に在庫があったら、もっと売れていたかもしれない。
このような機会損失がどれだけの不利益を生んでいるのかを、店頭にいる
人間は常に意識しておくことだ。」
このような趣旨のお話であったと記憶しています。
これらは確かに多くの売上を上げたかもしれませんが、反面、常にロスを意
識して商売をし続けることにもなります。
そのうちに言葉が独り歩きをし続け、「欠品するよりは、多めに頼んで返品
すればいいや」という気持ちが店長から出てきます。
これらが積み重なると、1店舗ではほんの少しでも、まとめるとおびただしい
量のロスが出てきます。特に問題なのは、これらの思考が、仮説と検証の
裏づけもなく、無計画に出てくることです。
無計画に発注され、残ったら返品される、というような取引では、作る側も
持ちません。また、そこに店があるから、というような惰性でオーバーストア
になり、価格競争が起こっても、お互いに不幸なものです。
今回のような納期調整は、それゆえに本当に「予実管理がしっかりした、
いい店」としかできないこともありえます。

☆短納期のロスを防ぐためにどうすればいいか

では、それぞれの企業がこのような短納期の発注によるロスを防ぐためには
どうすればいいのでしょうか。

一つ目は出荷量と受注頻度の分析です。毎日1個、というレベルの話であれ
ば集約は容易ですが、実際には各得意先ごとに発注のくせというものがあり
ます。これらはデータさえあれば比較的容易に分析できます。
この分析を行い、特に「1回の発注量が少ない」「頻度傾向が他の店とシンクロ
しない」などの場合に減便の対象になりえます。
一番わかりやすいのは土日曜日納品がある店などです。

二つ目はインフラの稼働状況です。宅配便、路線便であれば減便は比較的
容易ですが、ルート便で毎日稼動している場合は、減便がコストアップに繋が
る可能性はあるでしょう。夜間納品など、代替ルートが確保できない場合も
変更は困難になりますので、注意が必要です。
食品は卸を経由する場合、ほとんどが午前納品となりますので、量の多寡に
関わらず大量の車両を確保しなければならない非効率が発生します。
この場合、量が多ければVMIなどの手法を使ったり、みなが使っている物流
会社を使うことでムダが抑えられることがあります。

三つ目は買い回り頻度、定番非定番などの商品特性の把握です。今回のケ
ースは使い捨てコンタクトという、継続して定期的な購入需要が発生する商品
ですので、発注頻度を減らしても影響をある程度読めることが考えられますが、
棚の奪い合いなどが頻繁に起こる商品群は難しいことが予想されます。
店頭販促との絡みが発生しますので、ここは定番商品で、定期的な買い回り
が発生する商品から行うことがよいでしょう。

こうやって並べてみると、商流と絡むことから実施難易度は高い改善だなあ
と改めて思います。発注頻度を減らせるメリットははっきりしていても、誰が
これを行うか、という点では、よっぽど商品力があるメーカーか、販売力がある
小売が先導することになりそうです。

しかし、小規模なメーカー、小売でも、地域や販売方針によってはこれらの
メリットが享受できる可能性があります。
先般、生協の個配を使っている主婦のグループに会ったのですが、生協では
人気商品を1ヶ月に数回売り出すタイミングがあるそうです。
たとえば九州でしか販売していないドレッシングなどの調味料類について、
このような販売をするケースがあるそうで、フェア的な要素でみながその販売
時期を狙って買いを待っているそうです。
あと、過疎地で毎日配送ができない地域についても、指定曜日納品をする、
その時期に合わせて集客をかけるような売り方もあるそうで、この辺はデパート
のタイムサービスのような感じで、ある程度飢餓感を持たせて売る手法も
結構集客には効果が高いようです。
温故知新ではないですが、「旬のもの」のような扱いで、このような売り方の
工夫でもコスト低減効果が見込めそうです。

物の作られ方、出来かたに思いをいたして、売り方を工夫するような流れが
結果、安くて省エネの売り方、買い方になるかもしれません。

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