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2007/07/02

ロジスティクス・キーワード〜なるほど物流効率化 Vol.052【郵政はどこに行くのか】

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■■■ ロジスティクス・キーワード〜 なるほど物流効率化
■■■ No.052 郵政はどこに行くのか
■■■ 
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すでに今年も折り返しに差し掛かりましたが、上半期の皆さんのお仕事の
成果はいかがでしたでしょうか。私と私の周辺のお客様についていえば、
この上半期は「次の成長への準備のとき」でした。
この半年は世の中のルールの変更や、これまでの常識ががらっとひっくり
返るような出来事が多々発生し、それらに対応するのに必死になっている
間に時が過ぎたように思います。
このような変化の時代には、それぞれの目指す未来も生き方も変わっていく
ことは必然であり、その選択を誰も止めることはできません。
物流業界も新しく、大きな流れが出来つつあります。本日はこの話を。

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<今週の気になるニュース>

西川郵政、金融傾斜が鮮明に〜「巨像は虚像」物流流動化

十月の民営化を目前に控えた日本郵政公社は西川善文総裁のもとで金融
事業への傾斜が鮮明。脅威とも新たな競争相手とも考え、公社の動向を
注視してきた民間物流企業の間では、物流分野での公社の見方に冷ややか
な見方が広がっている。公社の影響力が低下することで三陣営への集約
が進んだ業界に再び「流動化」の兆しも見える。

(出典:日経産業新聞 7月2日号 24面)
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☆浦島太郎のごとく

今回メルマガを書くにあたり、実はぜんぜん別のテーマで途中まで書き
進んでいたのですが、本日の新聞を見たときに、急遽差し替えようと
思い立ちました。
昨年の今頃はまだ日本郵政の動きは注目の的で、トヨタ式カイゼンや、
3PL事業の開始、教育の充実など、期待感を盛り上げる話題に事欠か
なかったのですが、この記事の内容では、民営化前にほぼ勝負ありの
状況になったようです。

トップが物流事業に対する熱意がない、優秀な幹部が次々流出している、
他社との協力関係も名ばかり、実態としても存在感が見えない・・・、
では、「巨像は虚像」と揶揄されるのも無理はありません。
実際、B2Cの分野では百貨店や大手小売店を攻め上げ、その資本力や
ネットワークなど、ハード面では敵なしとも思われたのですが、あらゆる
施策は私たち現場の人間には全くといっていいほど存在感がありません
でした。
お客さんにとっても、伝票の様式が変わった程度にしか感じていなかった
のではないでしょうか。
私自身も郵政のサービスをお客様にご紹介したこともありますし、頑張って
いる人も多数知っていますが、このような状況では現場は報われません。

実際に最近のお客さんの状況でいうと、日本郵政が売り物にした価値が
次々無力化しつつあることを強く感じます。
例を挙げますと、

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(1)全国均一対応:もともと物流は労働集約的であり、地域特性により
   価格競争力が違うことを多くの荷主企業が気づいている。
   全国一律、均質対応よりも、地域限定、業態密着対応のほうが経済合理
   性があると気づき始めた。

(2)ユニバーサルサービス:携帯電話の所有率がこれだけの高率になると、
   手紙は事務的な目的ではなく、趣味の世界になってしまう。
   インターネットの普及と共に通信手段の保障、という意味でのユニバー
   サルサービスはすでに電話事業者に移行しており、物資を送るという
   意味ではヤマト運輸や佐川急便などの民間事業者のほうが知名度、信頼性
   共に上になっている

(3)規模、体制:郵政は国営事業であるため、民間のネットワークを柔軟に
   適用できず、3PLのような多彩なサービスを、競争力ある状態で提供
   できない。
   「仕事を聞いてから業者を探す」という、負け組3PLと全く変わらない
   営業対応に終始している。
   トヨタ式カイゼンを行っても、具体的に非効率な体制に大鉈を振れない。
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正直、「郵便事業株式会社」の民営化が1年早かったらまた違う展開になって
いたと思います。
放っておいたら時代のほうが変わっていた、といったところでしょうか。
浦島太郎の物語を思い出しました。

☆郵政は物流の変化に適応できるか?

2007年から2010年までの期間は、私たちは物流業界全体が大きなターニング
ポイントになる時期ではないかと思っています。理由は以下の通りです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(1)3PL第一世代(2000年〜2002年に物流改革を実施し、物流企業に業務
  アウトソーシングを行った企業群)の契約更改時期がこの時期にあたる

→3PLの具体的サービスを体験した企業が、いわゆる「物流管理会社(実務
 を行わず、業務の管理のみを行う会社)」はコスト削減、サービスレベル向上
 に寄与しない、と考えており、実務に強い物流企業と契約したいと考え始めて
 いる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(2)改正省エネ法、中型免許などの新しい法律が集中的に施行される

→企業体力がある会社組織でなければ対応きない法律が集中的に施行される
  ことで、零細事業者の淘汰、吸収・系列化が加速する。
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(3)就業人口が減少し始めており、労働集約型産業全体が人の奪い合いに
   なりはじめている

→他業種との引っ張り合いにも負けない魅力を労働者に提供できない企業は
  業務すらできない状況になり始めている。逆に人がいることだけでも生き
  残りの要件になりうる。
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(4)国内流通荷物も横ばいから減少傾向にあり、新規受注は奪い合いになり
   つつある

→既存顧客の流出防止が物流企業の最大戦略になりつつあり、新規、スポット
  業務で食っていた水屋などの業務が衰退する。
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(5)これまでの業界内の付加価値が無価値化しつつある

→物流の付加価値は輸送と保管という主要業務のみに集約され、飾り的な
 サービスは次々と淘汰される。顧客が支払う物流コストは、業態ごとに
 絞り込まれる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

物流専業で頑張っている企業でも、ここ数年の間にこれだけの時代変化に
対応しなければならないのです。
そこに会社があるから、人がいるから、という理由だけで存続できるわけも
ありません。

☆別な事業戦略もあっていいのでは

もっといえば、今の郵政で働く人たちは、物流実務に魅力を感じているので
しょうか。私の身近でも多くの郵政職員の方々がいますが、地域の住民に
貢献したいと思っていても、「金融のプロになりたい」、「物流で世界に
打って出たい」などと考えている職員さんは実はいないのではないかと、
お会いするたびにつくづく思います。
個人的な意見ですが、郵便局株式会社には「介護事業」を委託し、郵便事業
株式会社は特積み事業者として、日本国内の中距離中ロット幹線輸送の
品質底上げに尽力してもらったほうが、働く人のやる気も出るでしょうし、
サービスを受ける人の支持も得られるのではないかと思ったりします。
郵政の輸送拠点を路線各社に相互融通するだけでも、国家的には結構な
効率化効果が出るのではないでしょうか。

新聞の記事が真実で、郵政が本当にこのまま金融傾斜して、物流施策を
軽視するようであれば、業界にとっても、民営化会社で働く人たちにとっても
大変な不幸であり、莫大な損失です。
もっと危機感を持って、現状を打開してくれることを切望します。

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<あとがき>

先般行いました「物流不動産セミナー」ですが、おかげさまでまたもや定員
オーバーのうちに終了することができました。
特に大阪は30名定員のところ、過去最高の46名ものご参加を頂きました。
お忙しい中、心より御礼を申し上げます。
無料セミナーはあと1回となり、第11回目からは新機軸を打ち出したいと
考えております。
セミナーについては多くの皆さまのご意見を賜りながら、次期サービスに
ついての内容を検討しておりますので、「こんなセミナーにしてくれ!」
というご意見ありましたら、ぜひメールください。
今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。

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