2009/09/22
「漢方系の大衆薬」中の虫類薬 その2
「漢方系の大衆薬」中の虫類薬 その2 第227回 ゴキブリ薬を深く研究した、漢方医 湯元求真(ゆもときゅうしん)先生 大黄しゃ虫丸 処方:熟大黄、しゃ虫、水蛭、虻虫、セイソウ、乾漆、桃仁、苦杏仁、黄芩、地黄、白芍、甘草等。 これは、「金匱要略」にある、大変古くからある処方です。 以前、紹介しましたので、そちらも参照してください。 ゴキブリ、ヒル、アブ、地虫といった、面白い虫類薬が、配合されています。 しゃ虫:ハネのないゴキブリ。サツマゴキブリの仲間。数種のが薬用に用いられている。主に、雌が用いられている。 しゃ虫:シャは庶の下に虫。サツマゴキブリの仲間。 水蛭:ヒル。 虻虫:ボウチュウ。アブ。 セイソウ:セイは虫+斎、ソウは虫+曹。せいそうの訓は、じむし、すくもむしともいう。 定義を敢えてすると、地面の中にいる、甲虫類の幼虫で、ある程度以上のおおきさももの。 この、「大黄しゃ虫丸」は、実際に日本で使われていたのだろうか、使われていたとしたら、いつ頃までだろうかと、長く疑問に思っていました。 最近、湯元求真先生の「応用漢方医学解説」という本を、読んでいたら答えがありました。 湯元求真先生は、その書の前書きで、「下瘀血丸」「大黄しゃ虫丸」「抵当丸」の3処方について、特に深く研究したと述べています。 前書きの終わりのほうに、このように述べています。 『「下瘀血丸」「大黄しゃ虫丸」「抵当丸」の三つの処方に関する解説は、著者が心血を注いで研究した結晶である。 新しい治療への応用の発見も多い。読者は、これに深く注意を払っていただきたい。』 先生は、明治9年に生まれ、昭和16年に没していますが、その弟子たちは、今も活躍しています。 ですから、或いは今も、こっそりと使用されているかも知れません。 「大黄しゃ虫丸」そのものは、薬事法の関係で、日本では、製造販売されてはいません。 しかし、材料である「しゃ虫」などは、今でも漢方問屋から 手に入ります。作ろうと思えば、作れます。 なお、「下瘀血丸」「抵当丸」の処方は、以下のとおりです。 下瘀血丸:大黄、桃仁、しゃ虫 抵当丸:水蛭、虻虫、桃仁、大黄


