2009/08/20
「漢方系の大衆薬」中の虫類薬 その1
「漢方系の大衆薬」中の虫類薬 その1 第226回 「新編中成薬手冊」大衆薬ハンドブック。青島出版社。于維泙先生、宋増芸先生、楊培民先生、孫洪勝先生 編著 さて、今まで多くの虫類の薬用効果を紹介して来ました。虫類単独であったり、処方の一部であったりです。 では、一般に売られている薬では、どうかというと、使われているのが、けっこうあります。 漢方系の、出来上がった薬、製薬会社が造って、一般に売り出していて、 薬局などで、処方箋なしで買える薬のことを、「中成薬(チュウセイヤク)」といいます。 しかし、この言葉は、一般には知られていません。 そこで、「漢方系の大衆薬」という言葉に置き換えます。 「新編中成薬手冊」(新編 漢方系大衆薬ハンドブック)という本には。約700の薬が取り上げられています。 漢方系ですから、日本と共通したのも、少しあります。 しかし、大部分は違います。 参考までに、共通したものを、列記して見ます。 防風通聖散、六神丸、六味地黄丸、竜胆瀉肝湯、杞菊地黄丸、 参苓白朮散、三黄丸、生脈カプセル、十全大補湯、天王補心丹、 香砂六君子湯、熊の胆、熊胆救心丹(救心)、血府逐瘀丸、 銀ギョウ解毒顆粒、玉屏風顆粒、知柏地黄丸、 合計17種。 700のうちの17ですから、ほんのわずかです。 しかし、本題である虫類薬が、入っているのは、相当数に上ります。 少し、紹介しましょう。 ◎小児葫芦散 なかなか面白い処方の、小児用の薬を紹介します。 蛾、ニワトリの砂肝、カイコ、サソリと言った動物薬、琥珀(宝石のコハク)、朱砂(シュシャ、水銀の化合物)といった鉱物薬が含まれています。 葫芦蛾(コロガ)は、熱を冷まして、痰を切り、咳を止める。 ところで、この葫芦蛾(コロガ)というのが、何であるかが、わかりません。 葫芦(コロ)は、ヒョウタンのことなので、ヒョウタンによってくる蛾であるかもしれませんが、わかりません。 ある蛾の別名、あるいは、虫ではなく、何かの植物の別名かもしれません。 鶏内金(ケイナイキン:ニワトリの砂肝)は、胃腸の働きをよくして、消化を助ける。 白僵蚕(ビャッキョウサン)、コハク、サソリは、痰を切り、痙攣を止める。 小児葫芦散 処方:葫芦蛾、橘紅、茯苓、鶏内金、天竺黄、朱砂、僵蚕(きょうさん)、半夏曲、琥珀、全蝎、天麻、川貝母、冰片等。 効能効果:化痰消食、鎮驚去風。ゼンソク、咳、腹部の膨張、小児驚風の治療に用いる。 ◎中彙宮瘤清カプセル 子宮筋腫には、ゴキブリ、ヒル! 現代西洋医学では、子宮筋腫に対しては、大きくなったら手術をする位しか、方法はありません。 何かの薬で小さくすることは、できません。 しかし、漢方薬では、小さくする事ができることもあります。 当店、昭和薬局でも、手術をしないですむことになり、喜ばれたこともあります。もちろん、ゴキブリ等は入っていない漢方薬です。 さて、ゴキブリ、ヒルが入っている、子宮筋腫の薬を紹介します。 しゃ虫もヒルも、血流を良くし、カタマリを取り去る、または縮小させる作用があります。 筋腫も固まりだから、きっと効果があるのでしょう。 中彙宮瘤清カプセル 処方:熟大黄、土別虫(しゃ虫:サツマゴキブリの仲間)、水蛭(スイテツ:ヒル)等 効能効果:活血駆瘀、消か破積、養血清熱。子宮筋腫に用いる。 臨床成績:宮瘤清カプセルは、子宮筋腫に対して、著効率は47.67%、有効率は86.67%。 宮瘤清カプセルは、子宮筋腫を確実に小さくする作用がある。特に比較的小さな筋腫には効果的である。 貧血を改善する作用がある。 薬理作用:1、抗女性ホルモン作用がある。 2、活血化瘀作用がある。 3、抗炎症、止血作用がある。 4、安全で毒性が無い。急性および長期の毒性の試験を行ったが、安全無毒であった。


