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川崎ゆきおの千字程度の不思議な小説。

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2008/07/10

千字一話物語 642話 嫌な人

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■   千字一話物語 川崎ゆきお  

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   642話 嫌な人

「彼が来なくなった原因は何でしょうねえ」
「嫌な人がいるからでしょ」
「このメンバーにですか」
「おそらく」
「誰でしょう?」
「さあ」
「誰か、意地悪しませんでしたか」
「そんな悪意のある人は、このメンバーには
いませんよ」
「それはそうだ」
「じゃ、何でしょうね」
「彼の問題じゃないですか」
「つまり原因は我々にはないと」
「そうです」
「そう思いたいところなんですがね。以前に
もいたんですよ。嫌な人がいるから来なくな
った例が」
「それは、その人の言い訳じゃないのですか」
「後で、聞いてみましたよ。こっそりと。名
指しで、その嫌な人を教えてくれましたよ」
「木村さんは、それは知っているのですね」
「それは秘密ですからね。言いませんよ」
「この中にいますか」
「さあ、それは」
「だって、このメンバーのままですよ」
「今度やめた彼かもしれませんよ。彼もメン
バーでしたからね。どうなんです? 木村さ
ん」
「それも含めて秘密ですよ」
「嫌な人がいるというのは、ちょっとショッ
クですよ。今後そんなことで来なくなる人も
出ますよ。ここは我々にも反省すべきことが
あるのでは」
「反省も何も、そんな悪意のあるメンバーは
いませんよ。やはり来なくなった人の問題じ
ゃないですかね」
「でも、名指しでしたからね」
「やった人がいるんだ」
「やったって?」
「嫌がらせですよ」
「だから、それを嫌がらせと受け取る側が問
題なのです。だから本人の……」
「しかし、メンバーが徐々に減っていますよ」
「来なくなった人全員が、嫌がらせを受けた
とは思えませんからね。別の理由で来れなく
なったのでしょ。私はそう聞いていますが」
「それは、直接理由がいえないからじゃない
ですか」
「これで残ったのは三人ですか」
「我々は大丈夫ですよね」
「当然ですよ。みんな仲がいい」
「そうそう。嫌な人なんていませんよ。この
中に」
 次回は二人になった。
 
   了


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ww8y-kwsk@asahi-net.or.jp
http://kawasakiyukio.com/

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